第1章12話 『リア充戦争 龍狩り戦』
何も無い道に突如現れた竜。
俺はこいつを狩る、血の一滴すら残さず。
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その竜は体が黒い鱗に覆われている二足歩行の竜だった。
…………デカイ。とてもじゃないが殺れる気がしない。
でも、冒険者ならやるしかない。
それが宿命なのだから。
俺は重力無視バフをかけた聖剣を握りしめ、竜の足元へ走った。竜の足元までくると職業特有のスキルを発動した。
「スキルッ!特攻二段づきッ!」
このスキルは攻撃のダメージを倍にすることができる。しかし、倍にすることができるかわりに効果の時間が短い。
竜との長期戦はできない。だから短期戦で一気にけりをつける必要があった。
大きく深呼吸をしてから俺は竜の足に攻撃を仕掛けた。
流石に硬い鱗に覆われているだけの事はある。聖剣が弾かれてしまう。
.......くそったれっ!どんだけ頑丈なんだよっ!!
俺が足に攻撃している間にユメは魔法の詠唱を終わらせていた。
「いつでも、打てます!くう様っ!」
「俺が合図したら打ってくれっ!」
「了解です!」
俺は集のヒールを受けながら足の一点を攻撃し続けていた。
.....いけるいける!このままいけば勝てるかもしれない!
俺はダメージ増量バフが消える前に1発デカイ一撃を打ち込んだ。
.......これでどうだっ!!
俺の作戦が上手く行けばこの一撃で.....きっと!
俺の予想通り竜の足を覆っていた硬い鱗は壊れたのだった。
あと1発っ!
「これは我が願いである。.......喰らえっ!聖剣・エクスカリバー!!」
この一撃で竜はバランスを崩し、体が斜めに傾いた。
「今だっ!ユメっ!!ぶちかませっ!」
「はいっ!!.....私は今災厄の席を断つ!我が思い、願いに応えよっ!!.....クロス・チェーン・ダークネスッ!!」
ユメがそう唱えて手を竜に向かって突き出すと黒い魔法陣が出現し、魔法陣から大きくて黒い鎖が行きよいよく竜へ向かって放たれた。
竜は鎖によって拘束され身動きが取れなくなっていた。
よしっ!1回神器打ってるから魔力がきつい。けど今しかない!!
「やっちゃってください!くう様!」
「行っけー!くうー!!」
俺が聖剣を構えると聖剣は光り輝き変化をとげた。大剣の形だった聖剣は長い太刀の形へと変化して2本になっていた。
この聖剣どうなってんの?
.....何が何だか分かんないけどいくぞっ!
「さぁ竜よ、安らかに眠れ。これが最強ッ!
二刀流・ダブルカリバーッ!!」
俺の剣は巨大な竜を真っ二つに切ったのだった。
竜を倒した途端、今まで何も無かった道に変化が現れた。
道が歪み始め、遠くに神殿が現れたのだった。




