第1章 11話 『リア充戦争 激震戦』
緊急クエスト。
それはまだレベルの低い俺らには関係の無いことだとそう思っていた。.......が、間違いだった。
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それは少し曇りがかっていた日のことだった。
俺らは職員に呼ばれギルドのある部屋にいた。
「くう様、何なんでしょうか?」
「さぁ?なんだろうか?」
俺が知りたいわ。
「すみません、急に呼び出してしまって。実は今回の緊急クエストは選ばれた者しか出来ないんですよ。それで、他の冒険者たちにはあなたたちの護衛をしてもらおうかと。」
「はぁ、、それで何なんです選ばれた者しか出来ないクエストとは?」
「はい。くう様たちには今からある神殿に行ってもらおうかと思ってましてですね。神殿は選ばれた者しか入れないんですよ。」
…………選ばれたものしか入れない神殿?
何それ楽しそう。
「なんで自分たちなんですか?」
「実は占い師に占ってもらったところ、くうさんたちが適しているとのことでして。」
「なるほど。わかりました。では引き受けましょう。」
...楽しそうだし。いいものありそう。
「よろしくお願いしますね。」
こうしてクエストが開始したのだった。
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護衛を5台も引き連れて竜車はなにもない道を進み神殿へと向かっていた。
集は竜車に感動したのかすっかり元気になってはしゃいでいた。
「ねぇねぇくうー。なんでくうとユメはお互い気まずそうにしてるの?」
いきなり爆弾を投下してきやがった。
よし、こいつ後でしばって竜車にくくりつけてやる。
「あっつーの気のせいです。」
「そうかなぁー?まぁいいや。でさもう少ししたら昼ごはんにしませんかだって業者さんが。」
「ぁあ、俺はかまわないよ。」
「えぇ、私もかまいませんよ。」
「じゃあ、決定っ!」
「ところで、なんか揺れてないか?」
「確かに揺れてますわ、くう様。」
「竜車なんだから揺れるに決まってるじゃん。くうは馬鹿だなぁー。ぷっぷぷ。」
もう頭にきた。こいつ後で覚えてろよ。まじで竜車にくくりつけてやるからな。
「違う違うそうじゃなくてさっきと違って激しくないか揺れが。」
その時だった。俺らの乗っていた竜車が浮かんだかと思うと竜車のしたの地面から巨大な竜があらわれて俺らは竜車から放りだされてしまった。
って、デケェっ!くっそデカイんだけど。
その竜はビル3階分はあろうかという大きさだった。
「おいっ!集とユメ無事かっ!」
「はい、なんとか2人とも無事です。くう様。」
「よし、いまのうちに逃げろ業者のおっちゃんっ!集とユメは行くぞっ!」
『はっはい!』
「集桜花、10425番行きますっ!」
ってなんの番号だよ。
「集、それはなんの番号?」
「中学生の時の卒業証書に書いてあった番号。」
……こいつ、肝座りすぎだろ。ドラゴン目の前にしてどうでもいいことかますだけの余裕あるとか。
「集は後ろでひたすらヒールっ!ユメは俺といくぞっ!」
「はい!地獄の底まで付き合いますわくう様。」
...................それは怖いので許してください。
「ゼロ・グラビティーっ!」
俺は重たすぎる聖剣を重力を無視する魔法でカバーした。これで楽に聖剣を振ることができる。
.............よし。いくぞっ!
こうして初のドラゴン狩りが幕を上げた。




