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俺が幼女になって異世界LIFE  作者: のりとも
第1章 異世界はそんなに甘くない
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プロローグ『仮想現実』

目を覚ますとそこは真っ暗で、どこまで続いているのかすら分からない空間が広がっていた。




そこにいたのは見知らぬタキシードを着た20代後半と見られる男。




佐藤空夜(さとうくうや)ようこそ死後の世界へ。貴方はつき先ほど不運にも死んでしまったのだ。」




突然のことに頭の処理が追いつかない。

俺は先ほどのことを思い出してみることにした。





************************




俺はゲーム、アニメ大好きの引きこもりオタク。まだ、16歳で一様高校生だが不登校状態である。





人としてどうかしている俺だが今日は久しぶりにどうしても家から出ていかなければいけないところがあった。





「おーい、くうー早くー!!イベント始まっちゃうよー」

家に出た途端聞こえてくる女の子の声。




彼女は幼馴染みの集桜花(あつまりおうか)。なんというか昔から天然でいろいろやらかすが憎めない幼馴染みだ。





こんな俺でも家から出なくては行けない程のイベントと言うと、待ちに待った新作ゲームの発表日…が、こんな事になるなんて思ってもいなかった。





東京で行われていたそのイベントは大人気アニメをゲーム化したもので、とてもクオリティーが高いと評判だった。




「ゲーム体験次の方どうぞー」



「ねぇねぇくう、このゲーム、ホラーらしいけど平気?



「大丈夫だろ、そこまでグロくはないと思う。」

…………多分な多分。アニメ超がつくほどグロかったけど流石に今日くらいはグロ制限かかってるだろ。



「仮想現実初めてだから怖いよーくうー」


…………確かにちょっと怖い。ネットでの書き込みくらい見てくればよかった。



「ほら、いくよ。」

ゲーム機を頭につけ、ゲームをスタートした。





さあ!ゲームスタートだ!!





ゲーム内の世界では自分はひとりで暗くて、長くいると自分がだめになってしまいそうなじめじめとしていそうな部屋にいた。





よし、まずは集を探すか。ひとりでゲームをクリアするよりもふたりの方が成功率が上がるし、多分集だって俺を探しているはずだ。





暗く細い廊下を歩いていく。ミシミシという音だけが静かな空間に響き渡り、それがまた不安と恐怖を引き立てていた。





そして俺が長い廊下の奥にあった異様な雰囲気を醸し出していた部屋のドアを開けたその時だった。チョンチョンと肩を叩かれ振り向くと全身血まみれで長い髪の先から血が滴っている少女が。





「…………?ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

俺は人生で初めての大きな悲鳴をあげたせいか意識が吹っ飛んでしまった。





「お客様!?お客様!?大変!お客様が!……」





…………うぅ、意識がもうほとんどない。あぁ、まじであいつなんなんだよ!!



そして俺は深い眠りについたのだった。





************************



…………あぁ思い出さなければよかった。俺まさかアレで死んだとか言わないよな?…………言わないよな?




「…………あのー俺の死因なんですか?」




「びっくりした事によるショック死だ。」




「……………………………マジっすか。」




「ああ本当だ。」


まじかよ。俺ショック死したのかよ。あれで死ぬなんてショックだわ。なんという終わり方。まだやり残したことたくさんあったのに。明日ゲームイベントだったのに!




「えぇっとーあの少女は?」

正直すごく疑問だった。あの少女は誰なのかって。




「一緒にショック死したぞ。」

そう言うと男はパチンと手を鳴らした途端、俺の横にその少女が現れた。




「あれ?ここはどこ?」

少女はそう言って辺りを見回すと俺と目があった。





.......うん?ちょっと待て髪型ボサボサで分からなかったけどもしかしてこの少女は………





「あっ!!くうーどこいたのー?探したんだよー」

…………………やっぱりそうだった。




あの少女は集かぁぁあ!!

ふざけるなぁー!!



「おいっ。集どうしてくれるの?俺ら死んじゃったぞ。」



「ふぇ?」

ふぇ?じゃねーよ。なんだその反応可愛いなおい。

まさかこんな形で終わってしまうなんて。




コホンと男は咳をしてから

「改めましてだ。ようこそ死後の世界へ。私は死者の担当、ベルゼだ。」



…………知らねーよ。もうショックでそれどころじゃないわ。




「君たちに頼みがある。異世界に興味はないか?」

そう言ってベルゼはニヤリと笑ったのだった。


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