月
支離滅裂ではありますが、私が思ったことです。温かい目でご覧ください。
私はどうでもよく、何も考えずに生きていました。
日々どうでもよい時間を過ごしてどうでもよく飯を食べて、寝て。
ただその繰り返しなのです。
生きる活力も、死ぬ活力も湧いてこない。誰からも必要とされず、
また誰も必要としない 。
そんな面白みのない日々をただ毎日毎日繰り返し過ごすだけのそんなつまらない日々なのです。
ある日の夜、ふと外のほうに違和感を感じました。空が明るいようにみえたのです。すると当たり前ではございますが、月がありました。ただ、いつもより大きかったんです。十五夜か何かだったのでしょうか、ここから見て私の拳ぐらいの大きさにまでになっておりました。
このまま、あの大きな月に吸い込まれてしまえば楽になれるのではないか。その方が幸せなのではないか。そんな馬鹿みたいな考えが頭の中をぐるぐると回り、行き着くとこもなく、ため息となり外に出ました。
部屋戻った私はまたいつものベッドに入り、眠りに落ちました。
次の日のことです。その日も何もすることもなく、ただいつもと変わらない一日を過ごしました。夜になりベットに入ろうとすると、空がいつも以上に暗いのに気づきました。
昨日はあんなに大きな月が出ていたのにおかしいなと私は思いました。
気になってベランダに出ますと、
月が、なかったのです。
本当になかった。
雲に隠れたわけでも、
小さくなったわけでもないんです。本当になかったのです。
私は急に怖くなりました。
いや恐怖の前に焦りや驚きがどっと押し寄せてきました。
なぜこうなったのか。とか、
どうしてこうなったんだろう。
とか。
人間の好奇心とは恐ろしいものです。何でも知りたいと思ってしまう。
他の人は気づいているのだろうか。そう思った私はベランダから外を眺めてみました
するといつもと変わらないんです。歩いている人。車。
何一つ何時もと変わらない。
ただの夜でした。
友達も家族もない僕は相談する人などいません。
テレビも見てみましたが、いつもと変わらないんです。
すぐこんなに早く新月にはならないと私の少ない知識でもわかりました。
ですからこれは自然な現象とは絶対に考えられないと思ったのです。
何かが起きたのか、
それか私がおかしいのか。
そのどちらかだと思いました。
調べようとも思いました。
カーソルを合わせ「つき」と入力し、変換をする。すると、
すると漢字が出ないんです
「肉付き」というへんはあります
肥料の「肥」という字はこのままです。しかし、「月」という漢字だけないんです。
そういえば月と言うのは潮の満ち引きに関係していると昔習ったことを思い出し、海にも行きました。
私の見た海は、なんだがいつもと違っていました。波がなく、殺風景に見えたのです。
もう僕は気づいていました。というか、そう思うしかなかったのです。
月はなんて最初から存在しないことになっていたと。
日本人を含む地球上の人間たちは月という星にとても思い入れがあると感じていました。
お月見などいろんな行事もあって、あんなに、あんなに大切にしてきたのに最初からないものとなってしまえば当然と思いますがこんなにもあっさりと忘れてしまう。
何故か悲しいという感情がこみ上げてきました。
大切にしていたものもなくなってしまえば意外と苦労しない。実際誰も苦労などしてない見た限りでは。
僕は気づいてしまったんです。
月のように大切にされていたものでも、元からないものにしまえば誰も困らない。
つまり月はなくてもよかった。
なら今、誰からも必要とされてない僕がこの瞬間消えたとしてもそれは元から存在しないものになるのではないか。
僕がこの世から消えたことで誰も困らないし心配もしない。ただ世界が回ってまた同じ日常が繰り返されるだけ
今僕がここにいる意味なんてない
それなら…
僕は不思議な勇気が湧いてきました
そんなくだらない話です。
月がなくなったら、人類は存在していないのかもしれませんね…そこは、ご愛嬌で。
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