たったひとつの謎解き
私は眼を開けた。
私は思考している……
私は感じていた。
みるみるナイフに裂かれた傷口が回復し、塞がっていく感覚を。
それはもうひとつの私である肉の壁の意識の感覚であった。そして私の肉体の傷口も、回復し、塞がっていく感覚を感じていた。
ほう。肉の壁から発信する同期も成立しているんだ。面白い、まるで精神の、生命の合せ鏡ではないか。
・・・・・・
私は眼を開けた。
私は再び眠っていたようだ。
意識は忘却に収められて、感覚だけがずっと覚めていたような気がする。
私は知っていた。
私は世界だった。肉の壁=私=世界のすべて。という思考の回帰点かた推論された答え…私はそれを知っていた。
私は、宇宙のすべてであり、創造神である。
そして私は永遠を手に入れるため、宇宙のすべての時間を宇宙より消滅させてしまった。
瞬く間に時間は宇宙より消滅していた。
私は、脱出と引き換えに、永遠に生き続けるのであった。
・・・・・・
すべては夢うつつである。肉の壁の閉鎖空間に、漂う意識はすべての私であった。
すべての宇宙がそこにはあった。
ただ、時間のみが消滅されていたために、運動や変化やエネルギーは一切なかった。ここにあるのはすべての宇宙のフォルムであって、それはすべての可能性でありそれは無限だった。
凍結された開いた宇宙……
意識がすべての権化である。
つまり私は宇宙を極限から操って意識は無限の旅を続けた……
『私はどうやって、この完全なる密室に運び入れられたのか?』
私にとっての永遠の謎はその一点であった。
私は無限の、永遠の宇宙を駆使して、たったひとつの謎解きを続けていくばかりであった……




