表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四つの王国とお姫様  作者: ねり
夢のおわり
3/12

2




「このジュースあまくて、おいしい〜」






祭りは夜通し行われるのが習わしで、夜が更けても楽しい夜は続いた。

いつしか子供たちは寝静まり、大人たちだけの時間になると、星の輝く空のしたでキャンドルの光がチラチラと優しい光を届けていた。





「はじめてなのにちょっと飲みすぎじゃない?シャロン、大丈夫?」


「えへ、とってもいい気分なの」





4つ年上のリリアの肩にもたれながら、シャロンは初めてのその甘いあじわいに手にしたグラスを離そうとしなかった。





「シャロンちゃんは可愛いなぁ〜!これも飲む?ワインにあうチーズもあるよ」


「食べる〜!」


「ちょっとディオ!シャロンにこれ以上飲ませるの禁止!」


「えぇ〜?いいじゃん今日くらい!」


「ダメよ!シャロンこんな酔っ払ってるのに!」


「ねーシャロンちゃん?」


「ねー?」




こてん、とシャロンが首をかたむける。

デレデレと鼻の下をのばすディオに、リリアは冷たい視線をむけた。

リリアとディオは昔からの幼馴染で、2人とも歳はシャロンより4つも上のため、シャロンを自分達の妹のように可愛がっていた。





「もう!ジェードに怒られても知らないから」






ディオを睨みながらも、なんやかんやリリアだってシャロンにだけは甘かった。





「あれ、ジェード…ジェードどこ?」


「ジェードなら、あっちで村長達といるわよ」


「ジェードのとこ……いく」


「え〜!シャロンちゃん行っちゃうの〜?!」


「シャロン、転ばないようにね!気をつけるのよ!」






場を離れるシャロンを引きとめようとするディオの声も虚しく、シャロンは真っ赤な顔でジェードのもとへと足を進めた。


ふらふらと頼りない足で歩くシャロンの耳には数時間前にもらったばかりの赤いピアスが輝いていた。





ジェード、褒めてくれるかなぁ……。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ