第三十七話「雪を降らせし少女」・3
「ていうか、そもそもお前らは瑠璃や麗魅の護衛役なんだろ? だったらどうして大魔王の指図を受ける必要があんだよ!!」
「澪ねえちゃんのためだよ」
握り拳を作る俺に対して雪はそう答えた。
「澪の?」
俺は首を傾げる。一体どういうことなのだろうか。澪と言えば一ヶ月前か何かで俺んちに、麗魅と一緒に刺客としてやって来た護衛役だ。まぁその結果は俺に敗北したわけなんだが。その際に澪の胸にかけられていた魔術が作動。それによって刻印を受けていた澪は、危うく死にかけて生死の境を彷徨うはめになったのである。それもまぁ俺が助けた訳なんだが。俺は澪に残るよう勧めたのだが、妹達のことが心配だからと魔界に戻ってしまった。
「そう、大魔王様にいじめられてるの」
――はっ! そういうことか!! 俺の恐れていたことが現実に。そう、罰を受けているのだ。任務をしくじればそれは何かしらの罰が待っているということ。即ちそれが澪にも執行されたのだ。にしても大魔王のお仕置き。一体どんなものなのだろう。考えただけでも身の毛がよだつ。
そんなことを考えていると、雪は急に俺に襲い掛かってきた。
「ぬわっと!! 急に何しやがんだ!?」
「先手必勝だよ」
「油断も隙もねぇ」
ふとついさっきまで俺がいた場所を見ると、地面がピキピキッと音を立てて凍りついていた。あっぶねぇ、危うく俺もああなるところだった。
「そろそろ始めようかな。さて、じゃあ行くよ神童響史」
ボソリそう呟くと、雪はギュンッと一気に俺の近くに急接近してきた。
「くらえ」
同時に俺の目前をキラリと冷たい物が横切る。俺はマトリックスの様に背中を反らしそれを躱した。
「っぶねぇ!! ったく、ウカウカしてらんねぇな!!」
「余裕ぶってるの?」
「違うわ! これでも必死なんだよ! こうなったらこっちも武器展開するぜ!!」
「武器? 人間が武器を持ってるのなんて初耳だけど」
目をキョトンとさせて動きを止める雪。
「だったらしかとその眼に焼き付けな!! 行くぜ、妖刀『夜月刀』!!」
「!?」
雪は目を見開かせて驚いていた。それほどまでに俺の剣にビビッたのか? それとも何か他の理由があるのか。どちらかは分からないが、とにかく一つだけ言えること――相手は強い。
「行くよ」
再び接近してくる雪。俺はそれを軽くあしらい、相手の背後を取ると幼い女の子を切るというのは不本意だったが、雪に向かって剣を振るった。しかし、それを相手に受け止められる。同時にもう片方の手で俺の顔に雪の小さな手が触れかけた。
「うわぁっ!!」
まるで気味の悪い物を避けるかのように雪の手から離れる俺。その理由は至って単純、氷漬け攻撃を受けないようにするためだ。
一瞬、一瞬だったが確かに雪の手が俺の顔に触れかけた時、微かな冷気を感じた。間違いなくあれは俺に向かって氷漬けの攻撃を放とうとしていた証拠だ。それだけは勘弁だ。氷漬けにされれば恐らく少しも微動だに出来ず、相手に殺られるだろう。現に氷漬けを受けている亮祐も、瞬き一つせず瞳も動かさずにただ一点だけを見つめていた。
と、その時、俺の足に何かが巻きつけられ、俺はそれに足をすくわれてズッコケた。同時に地面に顔を強打してしまう。
「いっつつつ……」
俺が赤くなった顔を押さえながら前を見ると、そこには真っ白な雪で出来たかのような鞭を持っている雪の姿があった。
「なっ……む、ムチ!?」
「そう。これはムチ、これであなたをビシバシ叩いてあげるよ」
「いや、それは何か別の扉を開きそうで怖いんだけど」
顔の手前で手を振り遠慮させていただく俺。だが、雪は真っ白なムチをしならせてこちらに笑みを見せてきた。
「大丈夫、心配ないよ?」
「いや、満面の笑みで言われても何のフォローにもなってない!」
畏怖して後ろに下がる俺をよそに、雪は何かを企んでいるかのような笑みを浮かべて鞭をピシッ、ピシッと音を立てながら同時に左右へ引っ張った。
「うりゃ」
「ひぃっ!!」
鞭を振るう雪に、それから逃げる俺。ヒラリ、ヒラリと身を翻してそれを躱す俺だが、体力的にも限界はある。だんだんと疲れが溜まり、結果的には――。
バシッ!!
「いってぇえええええええ!!!?」
俺は背中にモロに一撃をくらい、背中を擦りながら制服が汚れるのもお構いなしに公園の地面を転げまわった。
「いていていていてて、いってええええええええええええええええええ!!!!! な、何なんだよこの異常な痛さは!! ムチって、こんなに痛いもんだったのか!?」
ムチの恐ろしさ。また、これを「気持ちいいっ! もっとやってください女王様!! ブヒィィィィィィ!!!」と言って頬を赤く染めて喜ぶM男の恐ろしさを改めて再認識する俺。
「くっそぉ! こうなったらこっちも反撃だぁ!!」
そう言って俺は涙目で剣を握り片足を踏み込むと、相手の間合いに入り込んだ。
「なっ!?」
驚愕の表情を浮かべる雪。しかし俺は構わず一発斬撃を――と思ったが、ギリギリの所で雪は真っ白な雪のようなムチを盾代わりにして自身の身を守りぬいた。
「ちっ!!」
確かに躱されたが、相手の武器はなくなった。これで相手に攻撃が出来る。そう思っていた。しかしただ単にそれは俺の勘違いだった。雪はニヤッと笑みを浮かべると、俯かせていた顔を上げ正面を向いた。同時に正面から突っ込んでくる俺と目が合う。俺は構わず剣を横薙ぎに振るう。
ガキィィィィィン!!
金属音が聞こえた。何故だ!? あいつの体には鉛でも埋め込まれているのか。
恐る恐る目を開けると、そこには俺の剣が銃で防がれていた。
「ば、バカな!? さっき武器は破壊したのに……しかも、今度は拳銃!?」
「二丁拳銃だよ。これであなたを撃ち殺してあげる」
ニコッと少しぎこちない笑顔をこぼして小首を傾げる雪。
――笑顔で言われても嬉しくない。
そんなことを想いながら俺は剣を再び構える。すると、雪は二丁拳銃の銃口をこちらに向けてきた。
「くっ!?」
「鉛玉でもいかが?」
そう呟くと同時に引き金を引き、同時に二つの銃口から銃弾を放った。俺はそれを何とか躱したが、ギリギリだったために銃弾の一つが俺の頬をかすめた。シュッ! と横に傷が出来、たら~っと赤い血が細い線を作りながら俺の頬を垂れる。それを手の甲で拭い取る俺。
「やったな」
「かわした……か。じゃあ次は何にしようかな」
まるで何かを選んでいるかのような言葉。それが何を意味しているのか俺には理解できない。
と、その時、瞬時に雪がその場から姿を消した。目を見開き周囲を探す俺だが、あの小柄な幼女の姿はどこにもない。
刹那――俺のみぞおちに衝撃が走った。
「ごばぁ!!」
俺は不意打ちをくらわされ、身構える事も出来ず口から吐しゃ物を吐き出した。
「ぐうッ!? な、何だ?」
「これでも倒れないんだ。少々やっかいだね」
そう言うと今度は背後から何かの殺気が。慌てて後ろを振り返ると、そこには両手で長い槍を構える雪の姿があった。
「そ、その槍……はっ! ま、まさか!?」
「今更気づいても遅いよ」
ヒュンッ!!
「うわっと!」
俺は身を反らして槍での突き攻撃を躱すと、二、三歩後ろに下がった。
「なるほど。鞭に銃、拳に槍……そう来るってことは、次は長剣か?」
「わぁ~お、どうやら気付いたみたいだね。ごめいさつ。そうだよ、これはおねえちゃんやおにいちゃん達の武器なんだ」
「だが、どうしてそれをお前が使えるんだ?」
「これはボクの雪の力で作り出した武器なんだよ。だから本物じゃない。でも、ちゃんと機能は果たすんだ。そのおかげで攻撃も可能になる」
自身が生み出した武器を両手に持ち、少し儚気な表情でそれを見る雪。
「じゃあ、それがお前の武器なのか?」
「うん」
「お前自身の武器はないのか?」
その質問に雪は少し閉口して口を開いた。
「……ない。雪に合う武器なんて、この世にはないんだよ」
「合う武器が……ない? どういうことだ?」
俺は悲しそうに顔を俯かせる雪に訊いた。その問にゆっくりと口を開いて返す。
「悪魔は成人の悪魔になると儀式を行った後にそれぞれ個人の武器を持つことを許されるの」
「えっ!? でもあいつらやお前は成人じゃねぇだろ?」
「人の話は最後まで聴いて」
――人じゃなくて悪魔だけどな…。
苦笑いしながら心の中でツッコむ俺。そういえば、さっきもそんなことをこの子に言われた気がする。
「例外があるの」
「例外?」
初めて耳にする言葉に俺は首を傾げる。例外とは一体どういうことなのか。すると、コクリと首を縦に動かして雪が説明を始めた。
「うん。例外というのが、雪達のような悪魔。既に成人の悪魔の魔力を持ち合わせている者のことを言うの。元々悪魔が武器を持つのには二つ理由がある。一つは将来護衛役になって主を守ることになる場合。武器を持ってないと主を守れないからね。まぁたまに特殊能力などを武器にする悪魔もいるみたいだけど。そして、二つ目が魔力を抑えるため」
「魔力を抑える?」
疑問符を浮かべる俺。雪はハァとため息交じりに言った。
「悪魔の魔力は膨大。でもまぁ他の領土に足を踏み込めば、過去に作られた制度の『抑止』が作用して力を抑え込まれるんだけど、ボクの様に武器を持っていない者や、武器を持っていても自分の魔力を制御できない者が時々暴走を起こすの」
「暴走?」
「何ていうのかな。風船に空気を入れるでしょ? その風船には入りきれる空気の量が決まっていて、それ以上入れようとすると破裂してしまう。それと同じこと。要は空気が魔力のこと、風船がその魔力の母体ってことだよ。母体が破裂することをイコール暴走だと考えてくれればいいよ」
地面に風船の絵を描きながらわかりやすく説明する雪。
う~ん、よく分からない。とりあえず、成人の魔力を持っている人は武器を持ってないと魔力を抑えられないということは何となく理解できた。だが、だとすれば特殊能力者はどうなるんだ?
「なぁ、さっき言ってたけど、特殊能力を持っているやつは武器を持ってないんだろ? その場合はどうするんだ?」
「人間にしてはいい質問だね」
――褒められたのか? それとも貶されたのか?
「特殊能力者の場合は、必然的に空気中に魔力を散らせているから平気なの。ボク達の様に武器所有者とは違う体質でね。だから、あっちのことは何にも心配する必要はない。例えバカ凄い魔力を持ち合わせていたとしても……ね。それで話を戻すけど、ボクは武器を持ってない。だから必然的に暴走が起こりうる可能性があるの。そしてボクには合う武器がない」
「その合う武器がないってどういうことだ?」
訊きたい事柄の中でも特に気になったことを俺は雪に質問した。
「成人を迎えた悪魔。もしくは成人の魔力を持った悪魔にはそれぞれの相性にあう武器が渡されるんだけど、ボクにはその武器がなかったの」
「どうして?」
「ボクの魔力が異常に高すぎたから」
「つまり、武器に入りきる魔力の限界量を越えてるってことか」
顎に手をやりふぅむと唸る俺に対して、雪はゆっくりと頷いてさらに説明を続けた。
「そういうこと。かといって、ボクには特殊能力者みたいに空気中に魔力を分散させる力が無い」
「ちょっと待てよ? じゃあ、今までお前はどうやって戦ってたんだ?」
「悪魔には使い魔などの従えることの出来る者がいるんだけど、ボクの場合その使い魔を使ってるの」
「使い魔にその魔力を抑えてもらってるってことか?」
「ちょっと違うかな。厳密的に言えば、半分の魔力しか抑えてもらってないの」
雪は小首を傾げて左右に首を振る。そして、今言った言葉にさらなる疑問が浮かんだ俺は、即座に疑問を重ねた。
「じゃあ後半分は?」
「抑えられない」
俺は何となく理解した。つまり雪は武器を持たず、さらに特殊能力者の様に空気中に魔力を分散させる力もない。だから暴走が起こりやすい。でも、雪には使い魔がいて、その使い魔に魔力を抑えこんでもらっているということ。即ち、さっきまでの雪の攻撃は全てその使い魔を利用してでの攻撃だったとうことだ。しかし、手から発しているあの冷気は一体どういう仕組みなんだ? 解決すると同時に新たな疑問が生まれる。
俺は雪に更なる質問をした。
「じゃあさ、お前はどうやって手から冷気を放出してるんだ?」
「これは、ボクの体温だよ」
「た、体温?」
「ボクの体は普通の悪魔と違って物凄く低いの。零℃を下回ってる」
「それって、氷が出来る温度じゃん! あっ、そうか。それで亮祐を氷漬けにしたりしてるのか。じゃあ、その武器は? その武器はどうやって形成してるんだよ!」
質問を繰り返す俺に対し、回答を繰り返す雪。
「これはさっきも言ったように使い魔を介して魔力を空気中に出してもらって、そこにボクの力を流しこんでるの」
何だか頭がゴチャゴチャしてきた。ああもういい。とにかく俺はこの子を倒さなきゃいけない。
そう改めて決意した俺は雪に向かって剣を構えた。
と、その時である。
ドクンッ!!
脈動が俺にも聞こえる音量で聞こえた。
「な、何だ!?」
「うぐっ! こ、これは……。ど、どうして? ただでさえ人間界にいることで魔力に抑止がかかってるはずなのに」
「ど、どうしたんだ?」
突然パニック状態に陥る雪に俺は少し焦りの色を見せながら質問した。
「ぼ、暴走が」
「な、何だって!?」
雪の体から凄まじい冷気が放出され始めた。なるほど、これが暴走か。って、納得してる場合じゃない。このままでは周りにも被害が出る。
「くそ、俺はどうすればいいんだ!?」
「ぐっ! あなたには関係ない! これはボクとボクの力の問題! 関係ない人は下がってて」
そう言って蹲り出す雪。俺も近づこうとするものの、凄まじい魔力の気迫と冷気、さらに威圧感が俺をそれ以上前に進ませなかった。さらに雪の足場から円形に地面が凍りつき始めた。どうやら相当な力の量のようだ。
「まずい、亮祐にも被害が!!」
俺は何とか腕で目をガードし、先へ進む。
「来ないで!!」
雪から罵声を浴びせられた。同時に魔力の波動が衝撃波となって俺の体を襲う。
「ど、どうしたんだよッ!」
「うるさい、うるさいうるさいうるさい! あなたには分かんないよ!! ボクの気持ちなんか!! ボクだって本当は武器を持ちたかった! でも、魔力が多すぎてそれが叶わなかった。こんな魔力さえなければっ!!」
そう叫びながら雪は蹲ったまま宙に氷の礫を形成する。
「な、何してんだお前!?」
「人間に、人間なんかに悪魔の気持ちなんかわかんないよっ!!」
そう言うと雪は叫び声を上げながらヒュンッ!! と勢いよく氷の礫を俺に向かって投げてきた。
「くっ!!」
俺は夜月刀を高速回転させてそれを防御した。しかし、防御する代わりに気迫と冷気、威圧感によって再び後ろに押し戻される。
「くっそぉぉぉ!!」
俺は防御することなど完全無視で雪の元へ足を進めた。さらに冷気などの威力が強まる。
「ぐうぅ~!!」
「来ないでぇぇぇぇええええ!!」
雪が叫ぶと同時に氷の礫が俺に向かって飛んでくる。しかし、防御を捨てた俺に防御する術はなく、無抵抗の体のあちこちに氷の礫の鋭利に尖った先が突き刺さった。
ブスブスブスッ!!
「っぐ!!!?」
あちこちから激痛が走る。だが、目の前の幼い女の子はそれ以上に苦しんでいるに違いない。
そして、ようやく雪の元にたどり着いた。そして雪に声を掛けようと口を開く。
「お、おい……ゆ――」
グサッ!!
刹那――俺の腹に勢いよく何かが刺さった。それは氷の剣だった。そう、雪が蹲っていた体を突然起こし、俺に向かって剣を突き刺したのだ。剣は俺の背中から突き出ている。それほどまでに刀身が長く、深く俺の腹に刺さっているのだ。
「ごばッ!!」
俺は血反吐を吐いた。口の端から血が垂れる。
「う……ッ!」
俺は苦しみながらも雪の体を抱きしめた。
「しっかりしろ! 大丈夫だ!! お前は寂しかっただけなんだ!! 姉や兄を俺に奪われて独りぼっちで寂しかったんだろ? だから、同じように俺から家族を奪おうと亮祐を人質にした! 確かに姉や兄をお前から奪ったのは悪かった、それは謝る! でも、それは大魔王に酷い事をされないようにするためだったんだよ!!」
「う、うるさい! 嘘だ嘘だ!!」
そう言ってさらに剣を差し込んでくる雪。
「ぐっ! ……本当だ! 現に俺は澪にも声をかけたんだ。けどあいつはそれを断った。それに、あいつは大魔王にお仕置きを受けてるんだろ? もしも俺が霄達を人間界に引き留めてなかったら、あいつらも澪と同様のことをされてたかもしれない! そう考えたらよかったと思わないか?」
どうやらこの言葉は響いたらしい。雪が剣に込めてくる力を弱めた。
「う、そ……それは」
あとひと押しだ。
「正気を取り戻せ!! 暴走なんかに負けてんじゃねぇ!! 魔力を制御しきれない? 自分に合う武器がない? ないなら作ればいいじゃねぇか!! 安心しろ、お前もこっちに来れば姉や兄にいつでも会える! 魔界に居た時のように、一人で悲しむ必要もなくなるんだ! だから戻って来い!!」
「うっ、くっ……き、響史――おに、ちゃん」
雪はそう呟くと同時に、氷の剣を消失させた。俺に刺さっていた鋭利物がなくなり、俺の体に走る痛みが少し減る。さらに、雪は涙を流しながら俺に抱き着いてきた。
「ご、ごめんなさいごめんなさい! あなたの言うとおり、ホントは寂しかっただけなの。おねえちゃんやおにいちゃんがいなくて、遊んでもらえる相手がいなくて……うぅ、ホントはこんな風におねえちゃん達にも抱きしめてほしかった!! うぐ、ぐす……うぅ、ひぐっ、うわあああああああああああああああん!!」
小柄な幼い女の子――雪は、必死に俺の服を破れんばかりに引っ張り、涙を流しながら俺の肩に顔をこすり付け泣き出した。それを俺は無言で抱きしめ続けた。抱きしめていても雪の体はすごく冷たかったが、それ以上にこの子の心はもっと冷え切っていたかもしれない。
そう思うと、これくらいのことはへっちゃらだと俺は思った。
こうして、俺と雪の冷え切った戦いは終わりを告げたのだった……。
というわけで、無事に幼女を堕と――倒しました。これで、残る護衛役はあとひとりですね。まぁ逆に一向に今度は太陽系の守護者が出てきてませんが。
しかし、ここで裏付け設定っぽく悪魔の護衛役などの設定が細かく明らかになりましたね。武器を持っている理由などもこれで分かったのではないかと。そして、雪は異常なまでの量の魔力を所持しているということです。
なので、雪には使い魔がいます。その使い魔は次回でます。
さらに、次回のサブタイを見ればどんな話になるのかは大体想像出来ることになると思いますが、こっから結構色々と変態軍団が動き出します。まぁ、体育祭も近いのでね。てなわけで次回。




