第五十四話「七日間大舞台」・5
「んー? どうかしたのー、こーちゃん? めいはただ、キー様を起こしてただけだよー? やましい気持ちなんてスズメの涙程しかないよ」
「スズメの涙程あれば十分だよっ! って、どうしてそんな難しい言葉知ってるの、めーちゃん?」
高校生ともなれば当然だが、これは四年前の再現で今の琴音は小学六年生を演じているのだ。当たり前といえば、その通りのセリフである。が、それ以外に琴音はある疑問を心に抱いていた。
――どうして、どうしてめーちゃんは四年前の再現をしてるの? 今の所、台本通りのセリフ……行動も同じ。そんなはずない、だって……めーちゃんは今しがたここに来たはず。なのに、どうして私達のやってる事を知ってるの? それとも、知らずに演技を? でも、四年前のセリフや行動を覚えてるはずないし……。
考えれば考えるほど疑問点が浮かび上がってくる。そのせいで、琴音の脳内はグチャグチャだった。思考が上手くまとめられず、オーバーヒートしかける。
「そうだ、電気つけないと……」
そう言って琴音が、入口付近にある照明のスイッチに手をかける。
刹那――。
「つけちゃダメ―っ!」
悲鳴にも似ためいの声。その声に琴音は手の動きを静止させた。
と、そこへ、他の面々もぞくぞくと集まってくる。
「き、君は……めーちゃん?」
「めーちゃん、来てたの!?」
無論、来る事は知っていたのだが、演技の為に敢えて驚いている風にしなければならない響祐と唯奏。次いで、執事長の銀之助と秘書の箏鈴と唯も、豪佑を伴って入室を果たす。
「お母様、お父様、お久しゅうございますです!」
相も変わらず、めいは目上の相手への敬語がままなっていない。
「え、ええ」
「ところで、どうしてそんなところにいるんだい? それに、部屋の灯りも点けないで……」
何故真っ暗な時間帯に部屋の灯り一つ点けないのかが不思議な彼らは、皆首を傾げる。実際にはその理由を知っているのだが、現在は演技中だ。役になりきらなければならない。
と、遅れて茜と姫歌と燈……そして優歌がやってくる。
「ん? 律奈はどうしたんじゃ?」
「奈緒がグズり出したので、お相手していらっしゃいますわ」
豪佑の問いに、相変わらずの笑顔で茜が答える。
「わわわ、みなさんお集まりですぅ……。も、もしかしてめい……ベッドに不法侵入したってコトで、罰を受けちゃうんでしょうか? ブルブル、お助け下さいキー様ぁ!」
何故か勝手にネガティブな方向へ話を持っていくめいに、この場にいるメンバーの大半が半眼となった。呆れているのだ。まぁ、彼女がこういった感じな人物であることは承知の上だ。
つまり、彼女――めいが響史の寝ているベッドに潜りこんでいた理由も察している。
めいは、極度の明所恐怖症なのだ。まぁ要するに明るい場所が苦手なのである。なので、朝方は活動停止してぐうたらになる――所謂、夜行性動物ということである。しかも、めいは食っちゃ寝、食っちゃ寝を繰り返している。それほどまでに食べることと寝ることが大好きなのだ。
が、そんなぐうたら生活をしまくっているにも関わらず、めいは太る事が無い。例えそれが育ち盛りだったとしても、一定以上のカロリーを摂取し続けていたら、普通ならば激太りするはずである。
そんな不思議な体質を持つめいは、寝てばかりいるために異常なまでの発育を見せており、幼少期から二人の姉の内、次女の身長を悠々と超えていた。おまけに、その身長は同級生の男子をも凌駕していたのだ。
そのめいが響史と関わりを持ったのは、幼稚園時代。そこでいろいろあって、めいは響史をキー様と呼び慕い――どころか、激しいアプローチを繰り返している。
それは今も尚収まる所を知らない。
よって、今回の響史のピンチにも駆け付けたのである。これが響史以外であれば、恐らく来なかっただろう。
「……うぅ、みなさんこっち見てますぅ。草食動物を喰らう肉食獣の顔ですぅ! やだぁ、めいこの歳で食い散らかされるなんて、嫌ですぅ!!」
大きな涙の雫を目尻に溜めまくるめいは、潤んだ瞳で目の前にいる数人の人間を一瞥し、再び響史に抱き着いて助けを求めた。
「あっ、またくっ付いてぇー! 響史くんから離れてよー!!」
めいが響史に抱き着くのがどうしても許せない琴音は、頬を膨らませてめいを引き剥がしにかかった。
それから約数時間がかかった頃だろうか。
引き剥がすのを無理と理解したのだろう。観念した琴音は、対抗とばかりにめいとは反対側から響氏に抱き着いた。
無論、これも演技だ。が、体は四年という年月を経て発育――成長している。つまり、起伏の出始めている体の一部一部が響史の体に密着するのだ。
しかし、当人は意識不明のためにこの感触を堪能することは不可能。全く持って、もったいないとしか言いようがない事態だった。
そして、抱き着いたまま互いに架空の火花を散らしていた両者だったが、夜遅くという事もあったし、多少暴れたという事で体力が減っていたのだろう。すぐに寝息を立て始めた。
一応これも演技だが、本当に寝てしまっている事に他のメンバーは驚いていた。しかし、最終日――十四日になったのでそろそろ休ませてもいいだろうと、響祐の小声による指示で、他のメンバーは退室することにした。
執事長の銀之助は、めい、響史、琴音の三人にはだけた掛布団をかけると、病室の扉をゆっくりと閉めた。
時刻は午前六時四十六分。夏の時期で日の出が早いこの時期、太陽が昇り始めて外観を淡く照らし始めていた。
その光は響史他二名の眠る病室も照らす。それにより、若干一名が鋭い反応を示してひょこっと掛布団の中に顔をすっぽり埋めた。明所恐怖症であるめいは、陽の光が特に苦手だった。なので、夜行性である彼女は、夜になるまでずっと掛け布団の中で耐え忍ぶ事にしていた。
と、その時だった。何かが自身の胸を鷲掴みにしてきたのだ。
――こ、この感触……ま、まさか手? ってことは。
内心で感触の正体を予想しつつ、目の前にある憧れのキー様を羨望の眼差しで見つめる。
――つ、ついに……ついにキー様が、めいのこの体をお求めにっ!?
が、その淡い欲望は打ち砕かれる。
「ふわふわぁ~」
「ふぁ?」
キー様――ではなく、その奥から寝言に近い甘ったるい声が聞こえてきたのだ。思わず自分も、それにつられて甘ったるいロリボイスを洩らしてしまうが、同時に理解する。
「ぐにゅにゅにゅぅ~、この手……やけに小さいなと思ったら、こーちゃんのだったんだね!? キー様ならまだしも、こーちゃんに触らせたげるおっぱいなんてないんだからぁ! めいのおっぱいは、キー様だけのものなんだからねっ!?」
何やらツンデレ風? に言っためいは、おのれの立場もわきまえずにそんなセリフを口走る。無論、この部分も演技ではあるのだ。
なので、彼女自身も少し驚いていた。そう言えば、四年前もそうだった。
あの時も琴音は自分の胸をむんずと揉んできたのだ。四年前でも通常の小学六年生よりは幾分か発育していためいは、ふとそんな過去を思い出して琴音の手首を掴んで引き離した。
「はぁ……ねぇ、何でめーちゃんはそんなに胸が大きいの?」
「え? そんなのめいも知らないよぉ。でも、遺伝子的な部分もあると思うけど、やっぱり寝る子は育つ……ってことじゃないかなぁ? だって、めい……いつもいつも食べるか寝るかばっかりだったから、身長もお姉ちゃん達よりおっきかったんだよねー」
嘆息混じりに尋ねる琴音に、めいは首を傾げながら自分の今までのぐうたらな生活を語る。しかし、そんな生活をしていれば絶対に肥満になりそうだな、と、琴音は四年前だったら考えもしなかった事を考える。
「ねぇ、どうしたら胸大きくなるかな?」
それは琴音の質問だった。自身の胸元に両手を添えて、切なそうな顔でこちらを見てくる。
「うーん、やっぱり揉めばおっきくなるんじゃないかなぁ? しー姉ちゃんはそう言ってたよ? あっ、後は好きな人から揉んでもらえばいいってのも聞いたことあるよーな……」
前者はともかく、後者はうろ覚えの様子。でも、可能性があるのであればやってみたい方法ではあった。ただ、琴音がふと考え込んでしまうのは、後者の案に出た「好きな人」という部分。
相手は無論、決まっている。それは随分前からそうだ。しかし、まだ相手に言ってもいないし、相手からはそういう扱いも受けたことがない。なら、了承を得ていない今、その人の手を借りる事は出来ない。
真面目であり純情な琴音は、弟が産まれるより以前から姉の優歌をよく見ていた。そのせいもあってか、綺麗な女性、美しい女性に憧れを抱く様になっていた。
やがて、ロマンチックなお伽話や乙女チックな思考を持つ事も多々出て来た。
そんな琴音には、相思相愛という訳でもない相手とイチャコラするなんて事は、許容しがたい行為だった。なので、ずっと躊躇っているのである。
そのような事は全くどうでもいいめいからしてみれば、なかなか煮え切らない琴音は、見ていてだんだん苛立ってくるもので、気づけばこんな提案をしていた。
「ねぇ、おっぱいの発育はこの際置いといてさぁ――」
一旦言葉を区切り、琴音がこちらを向いてから次の言葉を声に出す。
「――お目覚めのちゅーをしない?」
その提案に、一瞬脳内処理が追いつかず、きょとんと間抜けな面構えになるが、すぐさま処理を終えて理解し、そして顔面を真っ赤に染める。
耳まで真っ赤にした琴音は、パクパクと水を求める魚の様に口を動かして狼狽えた。凄まじいまでの動揺である。
しかし、これもめいは予想していた事態だった。なので、そこまで取り乱さずむしろ微笑んで続ける。
「おとぎばなしに、眠り姫って……あるよねー? あれの逆バージョンだよぉ」
響史を間に挟んで、その両方で横になっているめいと琴音。
めいは、人差し指を立ててある一つのお話の題名を口にする。その物語はうろ覚えだが、聞いたことがある。魔女の呪いにかかったお姫様が、森の奥で妖精たちに見守られて王子様が来るのを待っている……とか、そんな感じの内容――だったはずだ。誤っている可能性もあるため、敢えて口には出さず、琴音はめいの話を一方的に聞いていた。
「まぁ、要するにキー様にお目覚めのキッスをあげちゃうんだよぉ!」
目を爛々と輝かせ、両手を組んでシスターの様な体になるめいを見て、眼を丸くさせる琴音。無理もない、胸の次はキスの話だなんて、いろいろとぶっ飛んでいるような気がするのだ。
「で、でも……だ、誰がするの?」
オドオドした様子で、互いの人差し指をくっつけては離しを繰り返す琴音に、嘆息してめいが言う。
「いい? 眠り姫に関わらず、お伽話に出てくるお姫様ってー、大抵が愛しの王子様にキスされてハッピーエンド、が多いよねー? だから、それと同じことをするんだよぉ」
そう言われるものの、やはりどこか腰が引ける琴音は、あまり乗り気にはなれない。すると、それを見兼ねたのかめいが口を開く。
「じゃあさぁ、こーちゃんはそこで見てていいよ? めいが、キー様に目覚めのあま~い、とろけるようなキスをしてあげるからぁ!」
どこからか徐に何かを取り出すめいに視線を向けると、その手にはリップが握られていた。しかも、ストロベリー味と書かれてある。甘いというのはそういう意味か? なんとなく違う様な気もするが、演技上ツッコむわけにもいかず、琴音は悶々としながら思考回路をフル回転させた。
「だ、だめぇ! ダメだよ、そんなの……。ちゃんと、本人の意思を確認しないと……。ちゅーは、互いの同意の上でやるものだよ?」
「ぷふっ、やっぱりこーちゃんは純真さんだねー。今時はぁ、同意なんかなくったって、好きならちゅーとかしていいんだよぉ? ほらほらぁ、こーちゃんもホントはしたいんでしょー?」
つんつんと琴音の頬をつつくめいに、琴音はやはりたじろぐ。どうしても自分の真面目な性格の部分が、己を困惑させて一歩手前でストッパーを発動させるのだ。
なので、思い切って――という玉砕覚悟と言った行動にも打って出る事ができない。そんな自分が嫌な琴音は、頭を左右に激しく振り意を決する。
「……決めたっ! やるっ!!」
両方の手をぎゅっと強く握りしめて誠意を目の前にいる恋敵に見せる琴音。
それを見ためいは、口元に笑みを浮かべると、太陽の光が自身の頭部に触れないように洋服のフードを深く被る。
この病院へと現われた時からしていたフード。寝返りを打った際などに脱げたのだろう。
今までは掛け布団に潜り込む体だったので脱げていても問題なかったが、これからネボスケ王子にお目覚めのキスを捧げるのだ。そのためには、どうしても掛布団から頭を出さなければならないので、その際にフードを被ったのだ。
二人は互いに視線を交わす。
「……あ、あの」
アイコンタクトを取って首肯し行動に出ようとした既の所で、弱々しい声をあげる琴音。その表情は緊張とドキドキでいっぱいという感じだ。汗も酷く、額から鼻筋を通って口元にまで来る。
それを手の甲で拭い、続きの言葉を口にした。
「ほっぺに、しない?」
これは、せめてもの自分の想いだった。どうせなら、初めてのキスは同意の上で……。それが、琴音の切なる願いの一つだからだ。その提案を飲む事にしたのか、柔かく笑むめいに、琴音も微笑み返す。
「じゃあ、めいが左ぃ」
「私は、右だね」
互いに視線で標的を見定め、己の唇の照準を合わせる。
現在の時刻は午前六時五十九分。ゴクリと息を呑みタイミングを見計らう。四年前は偶然ということだったのだが、今回は違う。再現をしなくてはならない今回は、その時刻を合わせなければならないのだ。
せっかく、せっかく後一分でこの大がかりな舞台が終わりを告げて幕引きだというのに、ここで失敗でもしてみろ――すべてが水泡に帰す。
それだけはあってはならない。何よりも、響史の体に多大な悪影響を及ぼす事は十中八九間違いない。
改めて気を引き締め、同時に頬に口づけをした。
ちゅっ。
という音が無音の病室に響き渡り、二人は閉じていた瞼をゆっくり開けて、各々の双眸で物凄く間近にいる響史を見守った。
眉を八の字に曲げ、口を一文字に結ぶ。
かたや、少年を、救出してくれたヒーローという憧れを抱く存在とする少女。かたや、少年を、独りぼっちだった自分と初めて友達になってからずっと身近にいる、異性でも赤の他人でも初の幼馴染とする少女。
どちらも少年を見る目は違っていた。が、今は違う。二度も訪れた命の危機で改めて思い知らされたのだ。そしてだんだんと確信に近づく感情の正体。
それはとても複雑で、甘い。それでいて、少しでも何かを誤れば一瞬にして儚く散り、脆く砕けてしまう。
さらに、お互い知り得ない事だが、最初違ったその感情は、交わって同じ物へと変化した。今隣同士にいる相手がいつか『敵』となる事など、露ほども思わないだろう。
少年――響史は目を覚まさなかった。やはり、しくじったのだろうか?
そう思うと、今までの苦労が全て無駄になる。それをまるで視認できるようにしたかのように、二人の目から不意に熱い物が伝った。
「なんで……なんで起きないの!?」
「そ、そんなこと言われても……ぉ、めいにも……分からないよぅ」
先に耐えられなくなったのはめいだった。赤の他人でまともな会話をしたことがあるにはある。だが、それはあくまでも同性であり、異性ではない。その初の異性が憧れの存在――響史だった。
彼との想い出はこの世で二人しか知らない。それを明かすつもりは毛頭ないし、響史が忘れてしまっても問題なかった。だが、このまま死ぬなんて嫌だ。想い出は忘れてもいい。ただ、存在だけは忘れてほしくない。
「嫌だ、嫌だぁあああ!! 目覚めて、眼を覚ましてよぉキー様ぁあああっ!!」
もうすぐ七時が“終わる”……。一分になるわけにはいかない。そうなれば、受け止めたくない出来事を受け止めなければならないのだから……。
だが、時間は非情だ。止まってと叫んでも止まってはくれない。そんなこと当たり前なのは分かっている、ただ理解はしてもそれを受け止められるほど、二人の心は正常ではなかった。
「やめるんだ、二人共ッ!! それは台本には載っていないッ!!」
明らかに異なる台詞を口走っている事に、緊急事態と判断した関係者達は、一斉に室内に駆け込んできた。
もうすぐ七時になって響史が起きると思っていた彼らは、神に祈りながら病室の扉の前で待機していたのだ。
「響史はっ!? えっ、起きて……ない!?」
「そんなっ、失敗したの!?」
「ウソよ! そんなのありえないって!! あの響史が……こんな、こんなことって――」
「落ち着きなさい、燈っ! あなたが狼狽えた所で何も始まりませんわっ!!」
「これは……マズイ事になりましたね。いかがいたします、お祖父さま?」
「くっ、止むを得ん……のか」
「――っ!? しゃ、社長! 坊ちゃんを……いけませんっ!!」
「そうです!! なりません社長ッ!! 何か手があるはずでございます」
「ママ……ぁ、お兄たん……死んじゃうの?」
「ううん、死なない。死なないよ、奈緒……だいじょぶだからねぇ?」
「響ちゃん……。琴音ちゃん? 大丈夫?」
「うん、……ぐすっ。でも、響史くんが……そんなの、やだよお姉ちゃん……うぅぅ」
「失敗……死ぬ……敗北……消失……だめ、だめに決まってるよ、キー様。……キー様は、めいのヒーローで、憧れで……消えたら、唯一の……真っ暗な世界で足元を照らしてくれる存在が……や、だ……いかないで、死んじゃ……いやぁああああああっ!!!」
響祐に続いて唯奏が病室に入り、そこから次いで、唯、燈、姫歌、茜、豪佑、箏鈴、銀之助、奈緒、律奈、優歌が入室を果たす。
そこからは琴音が姉に泣き顔を見せすがりつき、めいが未だに信じられないという風に絶望の表情になり、叫んだ。
何が間違っていたのだろうか。やはり、この荒っぽい手段だろうか? だが、他に手が無かったのだ。どちらにせよ、失敗していた。ならば、はなから失敗が決まっているよりも、成功する可能性がミクロサイズでもあるならそれに賭けてみようとするのは当然だ。
故に彼らもそうしたのだ。
しかし、結果は最悪だった。もう、二度と目覚めないのか……。ここで終わってしまうのか?
「――う、るさい……なぁ。……んだよ、人が……寝てるってのに。騒が、しくて……寝れない、じゃねぇ……か」
まだ微睡んでいたいという風に呟くその声は、すごく掠れていて聞き取るのがやっとだった。が、確かにそれを耳にした。
いろんな声が飛び交い、喧噪な病室で聞き取れたのは不思議といえよう。
が、そんなことはどうでもいい。なぜなら――
奇跡が、起きたのだから……。
というわけで、奇跡……起きました。ていうか、何故めいは台詞も行動も再現できるのか。原因は……五十五話で。
にしても、最終日は夜から修羅が凄まじい。憧れと慕いというよく分からない感情を持つ二人が互いに言い合う部分。おまけに、無意識である響史を取り合う。挙句の果てに寝る。で、朝――。ハハ、何コレうらやま(ry
と作者も思う主人公補正。
また、ふと思う事。あれ、お嬢様って結構上品なはずなのに、これに出てるお嬢様、何かと下品?
てな感じで進んで行き、それぞれの心情を挟みつつ演技は終了です。
最後は、ネボスケ王子に二人のお姫様がほっぺにちゅ~です。
が、起きない。いや普通は起きる。
てなわけで次回予告。
奇跡が起きたので、皆最初は絶句からです。魔界の少女達がようやくまともに話せるかな?神童家(響史が現在暮らしてる方)に両親帰宅、ヤバイッ!!
めいが演技を完璧に出来てた理由などなど、でお送りします。結構シリアス?っぽいところが多かった体育祭後だったので、次回はちょっと面白目にする予定です。更新は来週?
ではお楽しみに。




