好きって言葉を知らない人へ
こちら投稿するにあたり初作品となります。
元々読書が好きで中学生の頃から小説を書くことが趣味となっていました。温かい目で読んでやってください。
何卒よろしくお願いいたします。
見てていつも思う。疲れないのかなって。
朝、朝日を浴びて輝く君が教室に入ってくる。「おはよう」
途端に周りが明るくなる。みんなが君の近くに寄る。
「この前さ〜相談乗ってくれてありがとね」
「スタバの新作見た?今度行こうよ」
「その髪型、似合ってる!」
様々な会話が一斉に君に集まる。
「全然いいよ〜!いつでも待ってる」
「見た!今日の放課後行っちゃう?」
「ありがとう!嬉しい」
眩しい笑顔に優しい返事。会話が終わる頃にはみんなの表情もとことん和らいでいた。
昼、教室でご飯を食べてる君がいる。
お弁当のおかずを丁寧に口に放り込んで、静かに咀嚼して飲み込む。食べ終えるとまた君の周りに人が集まりだす。
「でさ〜まじでありえないって思ったの」
「午後からの授業眠ーい」
「テスト勉強とかいつも何してるの?」
君は朝と変わらない笑顔を向ける。
「えーやばいねそれ。」
「うん、私も授業中寝てるかも」
「問題を復習するとかかな」
予鈴のチャイムがなってようやっと落ち着いた空気が流れた。
放課後、荷物をまとめている君が忘れ物を確認する。
やっと帰れるとみんな一息ついて帰路に向かう。ここでもみんなの帰りの一言に笑顔を絶やさずに返事をする。そして1人の女の子が君の席に近づいた。
「早く帰ろースタバの新作飲みたい」
「うん!ごめんね待たせて、行こっか」
君は申し訳なさそうな顔をしたあとまたいつもの笑顔にもどる。
朝から晩までこの人はなんで笑顔なんだろう。
僕なら写真を撮る一瞬でさえ、笑うことが苦痛なのに。
君がいつか友達に言っていたのは
「みんなのことが大好きでさ」
「いや疲れるとかないよ。むしろ話してると癒されるっていうか」
こんな感じだったはずだが思い出せない。
君のことが嫌いな人なんてこの世にいないだろう。そのくらい明るくて人に好かれる性格をしている。
以前君が独り言を呟いた時があった。その表情は見たことがないほど暗かった。夜を灯す満月が分厚い雲に多い隠されたように思えた。
「どうしたの?」
声をかけた自分に我ながら少し驚いた。どこか体調でも悪いのかもしれないと思った。
「なんでもないよ〜ちょっと眠かっただけ!」
雲が通り過ぎて何事も無かったような満月が姿を表した。でもその一瞬は確かに存在した。
その日からなんとなく目が離せない。
君ならきっと大丈夫だと分かっている。君にはそばに居てくれる友達や支えてくれる仲間だっている。対して僕は人と関わらずに生きてきた
。そのせいで人望なんて大層なものはない。ただ君を心配してるだけなんだと心の中で何度も何度も唱え続けた。
その日から君を見ない日は一度も無かった。
尊敬する君へ
君が何を好きで何を望んでいるかなんて想像もつきません。
僕から見る君は太陽そのものです。眩しくて直接見えないけれど目を背けていても君の光が世界を照らしています。
空はいつだって違う色をしています。1時間前と今の空の色は全くの別物です。曇りも雨もそうですが、夕焼けの橙や夜の藍だって1時間もすれば変わっていきます。
明るく輝く太陽だって雲の上に身を隠す日もあるのです。
お願いです。心配させてください。
太陽から見る世界はどんなものなんですか。
君についてもっと知りたいです。
この気持ちをなんて呼ぶんですか。
こちら連載としておりましたが、間違えました。短編のお話です。まだ扱いに慣れておらず、大変失礼致しました。これからもお話を楽しんで頂けると幸いです。




