第3話 仙術
俺は、魔法を更に深め、深層級魔法まで体得した。
そして、レシアさんとの別れの日になった。
「今まで、ありがとうございました。」
「深淵級魔法への到達、頑張ってください。」
レシアさんを乗せた馬車を見送った。
魔法を覚えたはいいが、体術もいろんなものがありそうだ。
何があるかわからない異世界。強くなることには努力しなければ。
剣士である父に頼んで、剣術を教わることにした。
まずは素振りをする。
父のフォームを真似たらすぐに習得できた。
「一度見ただけでここまで良い剣筋を見せるとは。やはりカイトは筋がいいな。」
父に褒められた。
俺は洞察力に長けているのかもしれない。
そして、俺は身軽らしく、短剣を使ったほうが良いと言われた。
短剣術もすぐに習得した。俺は身体能力も高くなっている。これも転生の影響だろうか。
そして俺はさらに武術にのめり込んでいった。
武術は奥が深く、面白い。
ここまでくると努力というよりワクワクだ。
蛇腹剣なんてのもあった。
見ると、変則的な太刀筋だった。
少し習得には苦労したが、案外すぐに習得した。
一番身に馴染んだのは短剣と蛇腹剣だった。
状況に応じて使い分ければ強くなりそうだ。
「カイト、お前は息遣いも上手いな。仙術を会得するのも良いかもしれん。」
仙術か。そんなものもあるんだ。
「仙術はかなり難易度が高いぞ。だが、最強の徒手空拳技で、武器が無い時に使うと強い。それに、強力な移動術もあるから、短剣を使った戦いでも役に立つ。」
学んでみようじゃないか。
仙術の師匠が見つかった。
本当に貴族の人脈って凄いね。
どうやら来たようだ。
「ガイルだ。よろしくなカイト。」
おお。随分と明るい人が来たな。
「カイト・クロムウォンです。」
俺も一応自己紹介する。
「敬語は使わなくてよい。仙術はただでさえ疲れるものだからな。」
そして、仙術の訓練が始まった。
「仙術において重要なのは呼吸だ。酸素を大量に取り込み、人智を超えた爆発的な力を放つ。魔力の操り方はわかるな?」
「はい。」
わかるどころか、やろうと思えば世界滅ぼせるかもしれないけど。
「では、肺を魔力で強化しながら、俺の呼吸を見て真似してみるといい。」
え?かなり難しいこと要求されてない?
「スーーーーハーーーー」
なるほど、長い呼吸で大量の酸素を取り込み、それを体内で循環させている。
「スーーーーハーーーー」
真似してみる。
これは!確かに肺を強化しないとやばいかも。
でも、回数を重ねるごとに楽になってきてる。
肺が慣れてきたのだろう。
そして、確かに感じた。莫大な酸素が体内を循環し、さらに大きな力を出せる。
この技、活かせる!
ありとあらゆる武術に!
強さには種類がある。力と技術だ。
今までの俺の武術は、技術は高いがその割に力が少なかった。それを、補える。
「もう体得したか。カイトは才能の塊だな。その呼吸は基本にして奥義だ。いずれは四六時中その呼吸をできるかもしれんな。それじゃあ、仙術の技を教えよう。」
仙術には、様々な技があり、攻撃技には当然、型も存在する。
特に有用なのは縮地という移動技だ。
一瞬にして移動できる。
短剣での戦いにも非常に有用だ。
他にも、様々な攻撃技がある。
確かに素手の戦いでも強い。
というか、酸素による身体強化だけでも便利過ぎる。
これが仙術。凄すぎる。
そして俺はどんどん仙術にのめり込み、魔術と組み合わせた応用も生み出して深めていく。
「どんな吸収の早さだよ。」
ガイルさんも驚いていた。
それもそのはず。短期間のうちに応用まで編み出してしまったのだ。この天才は。
そして俺は、1週間、各種武術を極め続けた。
ご覧いただきありがとうございます。
図々しいお願いになりますが、高評価とブックマーク、感想お願いします。
次回第4話、孤児の少女
是非ご覧ください。