第2話 魔法を放ってみた
3年が経ち、俺は6歳になっていた。
今日から魔法を教わることになっている。
魔法には、魔力量、属性変換、魔力制御の技術が求められる。
だからこそ、師匠は厳選しなければならない。
そして、流石は貴族。
特級魔導師を呼ぶことに成功したらしい。
「コンコンコン」
どうやら来たようだ。
「氷の魔女、レシアです。」
白い長髪をたなびかせた魔女だった。
滅茶苦茶若い。
「この子に魔法を教えていただきたい。」
レシアさんは呆れた表情でボソッと言う。
「たまにいるんですよね。ちょっと魔法の才があるからと言ってこの歳で魔法を学ばせようとする親バカは。」
悪いけど思いっきり聞こえちゃっているんだよな。
「まあ、いいですよ。ただし、私が教える価値無しと判断したら修行は打ち切ります。」
なるほど、才能を見せなければ師匠に逃げられるのか。気が抜けない。
「改めて自己紹介しますね。レシア・サルファードです。」
「カイト・クロムウォンです。」
俺も自己紹介をする。
「まずは魔力量を測定します。」
3年前の光景を思い出した。
「ちょっと待ってください。」
「どうかしましたか?」
「その測定器、特級魔導師の魔力量まで測れますか?」
「測れますが…なんで?」
「3年前、魔力測定をした時に、1級魔導師の魔力量まで測れる測定器を使って測ったのですが、魔力過多で原型も残らず壊してしまいまして…。」
「この歳でどんな魔力量ですか…」
そして、魔力量を測定することになった。
「やり方は覚えていますか?」
「はい。」
そして測定器に手を触れる。
「バキ!バキバキバキ!!!」
あれ?このシチュエーションは…
もしかしなくてもやばい。
「バコォォォォォン!!!」
やっぱりか!!!
レシアさんの目が飛び出ていた。
俺は測定器破壊マシーンか何かなのか…。
「と、とりあえず、属性の適性を見ましょうか。」
「魔石を直視しないでください。目が死にます。」
「はい?」
そして魔石を握る。
「眩しい!!!」
太陽並みに光った。
俺は対処できたが…
「目がショボショボします。」
レシアさんはダウンしていた。
そして魔法を教わる。
「魔法とは、魔力を使って超常的な現象を起こす術のことです。魔法において重要な三要素は、魔力量、属性変換、魔力制御です。カイト君の魔力量は人外なので、属性変換と魔力制御ができればもう国滅ぼしの龍程度なら瞬殺できるでしょう。」
それって、俺が人外の化け物だって言いたいの?
人としての尊厳が無くなっているのが悲しい。
ただ、レシアさんは良い講師だった。
教え方もわかりやすく、俺は属性変換と魔力制御を習得してどんどん深めていく。
「もうそんなにできるっておかしいですよ!?」
「これに関しては、レシアさんの教え方が上手いからです。」
流石は特級魔導師といったところか。
そして俺は魔法を習得していく。
魔法にも階級がある。
簡単なものから順に…
通常級魔法
精鋭級魔法
災害級魔法
伝説級魔法
深層級魔法
深淵級魔法
に分けられる。災害級魔法から上は、都市一つ一撃で破壊する程の威力を持ち、深層級魔法は世界を滅ぼしうる力を持ち、深淵級魔法は、それすら超越し、神や魔王をも屠る程の力を持つ魔法とされている。
とりあえず今日は災害級魔法まで習得した。
「では、魔法の成果を試しにグレン山まで移動しましょうか。」
そして俺達はグレン山まで馬車で移動した。
馬車、俺はちょっと苦手かも。
うぅ、結構酔ってきた。
やっとグレン山に着いた。
「この山を吹き飛ばしてみてください。」
「はい?」
山を、吹き飛ばす?
「災害級魔法ならそれくらいは出来ます。災害級はもう人外の魔法ですから。」
どうやら俺は本当に災害扱いされてしまったようだ。
空に緑色の大型魔法陣が出現する。
「風属性災害級魔法・大渦暴風」
次の瞬間、空に巨大な雲の渦が出現する。
それに吸い込まれるように暴風が吹き荒れる。
山はどんどん抉れていき、挙げ句の果てには木端微塵になって宙を舞う。
こうして、グレン山は、地図から消えた。
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次回第3話、仙術
是非ご覧ください。