次に願いを
最終回です。
妨害することを決意した所で
神に対して、俺ができることは少ない。
いや、たくさんありはするのだが、どれもが、
一生を懸けなくてはならないようなことなのだ。
そして、妨害を決意した時にこれまでの
6回分の俺の記憶が復活した。
恐らく今回は失敗するだろう。
その次もその次も更に次も。
俺がしようと思ったことは、一言で言うと、
世界征服だ。
俺の記憶には、6回と今回分しか記憶は無いが、
実際には、その前に数百回と重ねてきたらしい。
毎回死にたくなくて、
世界をやり直してきていて、
6回前に幸福に終わった場合を迎えたら、
というくだりを初めて神が試しに言ってみたら、
通る世界線が変わったらしい。1回目は神が
初めてのパターンを面白がって、脳内麻薬の無効化を
したらしい。
そうして、それ以降、4回目まで、
神との直接交渉、死ななければ終らない、
地球の文明の変革、火星に人類の半数の移動など
したのだが、意味がなかったため、数千数万と
やり直しが要求される、世界征服にしたのだ。
世界征服のコンセプトはこの世界のハッキングだ。
この世界は神がいうには、無数のAIの集合体で、
俺にも数百のAIが常について、演算している
とのこと。ならば、それを支配して、世界に
ハッキングを仕掛ければ、神の支配から、
脱却できるという寸法だ。それに俺には、
願いを無限に叶えるという世界に干渉できる力がある。
これはいわゆる、PCとインターネットみたいなもので
これが無いと、ハッキングなんざできない。
まぁ、それも神からの貰い物でこれ以外にも、
ハンデはある、これだってイージーモードだ。
さぁ、神殺しと行こうか!
〜〜〜〜〜
今回は856941回目らしい、
前回は神の権限の穴を見つける所まで行った。
今回で終わらせてやるよ。あと少しだぜ。
〜〜〜〜〜
それから、数千年の時が経ち、
そこはただ白く何もない空間だった。
−−−ただ一箇所を除いては
「あ、起きたか?あぁ、これこれ。
あなたは被験体の選別に合格し、
最も実験に適すると判断されました」
そこには、黒髪黒眼の日本人風な男
−−−棚場大願がいた。
彼はニカッと笑い、間を大きくとり、口を開いた
「もしも、願いが叶うなら−−−」
これまで、ご覧いただき本当にありがとうございました!