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女の子は大切に扱いましょう

ー南へと向かう街道ー


 突風が巻き起こり木々が揺れ葉が舞う。道行く馬車は一度止まり、その風の原因を探る。しかし何もなければ誰もいない。何事もなかったかのように馬車は進む。


 その風の正体。琢人だ。

 琢人は今、常人には出せない速度で街道を駆け抜けている。

 町を出て少し、前方に少女が倒れているのが見えた。

 こんなこと今までに経験したことがない琢人。このままここに少女を放置するのも盗賊や奴隷商人にさらわれてしまうのではないかと考え、少女を近くの町まで運ぶことにした。


(以外と大きいな)


 近くで見るとその少女は結構な高身長で琢人よりも大きいんじゃないかと思えた。

 琢人は少女をお姫様抱っこのような形で抱き抱えると、再び歩きだした。


 少女を拾って暫くして前方に町が見えてきた。

 すると少女はカッと目を見開き腰元に隠してあった短刀を一瞬にして抜き放つと、琢人の喉元を切り裂こうとした。切り裂こうとした。しかし切れなかった。木でできた模造刀で鉄を切ろうとしているかのような感覚。力を込めているうち、ついに少女の短刀は折れてしまった。


「嘘だろ、、、?」


 少女が起きたことに気づいた琢人は、満面の笑顔で少女に挨拶した。そう、服屋で店員にやった笑顔よりさらに恐ろしい笑顔で。


「ひっ」


 少女は小さな悲鳴をあげて気絶してしまった。


「気絶しちゃった。俺なんかしたかな?」


 少女は失禁していた。


(誰かが追ってきている?まあ、気のせいか。ここは道なんだし)


 あと数分もあるけば町につく。そればでに少女は起きるのだろうか。どうすればいいか分からない琢人だった。




ー赤鬼のちょっと後ろの方ー


「あ!いた!あれじゃない?」


 赤鬼が街道で少女を拾う前、街道を全力で飛ばしてきた魔王達は琢人を発見した。


「間違いないですね。おや、止まりましたよ?」


 ブリザが指摘すると4人は何かあったのかと赤鬼の前方を見た。赤鬼の前方には少女が倒れていた。


「ん?あれって、、、聖騎士 来好らいこうじゃねえか?」


「「「「聖騎士来好?」」」」


 フレアが呟いた言葉に全員が首を傾げた。


「ああ。聖騎士来好。名前は一途来好いちずらいこう。性別は女性。プラチナでできた最高硬度の短刀を使う機動力にたけた円卓の騎士だ。なんであんなところに?」


「「「「え、円卓の騎士いいい?!」」」」


 何気なく言ったフレアに対し、他の四人は声を裏返して驚きの声をあげた。


「そんなに驚くことか?」


「だって円卓の騎士よ?!私たちと対等かそれ以上かもしれないのよ?!」


 あわてふためくウォタラにフレアは言う。


「あいつはそこまで強くないから安心しろ。タイマンならエレキでも余裕だ。」


「な~んだ~。じゃあ心配ないわね!」


 安心するウォタラだがフレアは続ける。


「まあ、あいつの本業は暗殺だから不意打ちなら勝ち目はないな!」


 笑い飛ばすフレアに対しウォタラは膝をつく。


「笑い事じゃ無いわよ~」


 ウォタラは以外と小心者らしかった。




ー町の目の前ー


 町へ入る前、琢人は気づいた。

 少女が失禁していることに。


(どうしよう。このまま少女が起きたら変態と思われてしまうかもしれない)


 琢人は暫く考えた後、ある結論に達した。


(よし。川に落とそう。)


 川に落とせば全身が濡れて失禁にも気付かないし、目を覚ますだろう。と琢人は考えた。


 早速、街道脇を流れる小川へと近づくと、少女を乱雑に投げ入れた。

 着水から数秒も経たずに、少女が起きた。


「ぷはあ!え?なに!なに!なんで川?!」


 錯乱する少女を見て、間違えたかもしれないと思う琢人だった。

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