秋と言えば?
秋と言えば? きっと秋刀魚、鰯雲、白粉花、それにハロウィーン、学園祭や体育祭等々人それぞれだろう。
私には特に思い浮かぶことはない。けど、秋が好きだ。秋のない国は損をしていると思う。秋のない国があったかどうかは覚えてないけれど。
夏ほど暑くないし、冬ほど寒くない。春ほど花粉がとんでないし、夜は涼しい。
キリギリスにコオロギ、鈴虫や蛙達の鳴き声の合唱は心地よく、月はとても綺麗に輝いて、落ち葉を照らす。落ち葉は踏まれ足跡を残す。
季節の変わり目は風邪を引きやすいけど、それはそれでありだと思う。体を熱に浮かされながら見る窓の外は、静かで、でも、寂しさは感じさせない。
初めて恋をしたのは秋。終わったのも秋。流れ星に願いを掛けた。
飛行機雲が交わり、それぞれの路を進む。それはまるで、もうすぐやってくる別れを示しているようで。秋雨が別れを惜しみ、涙をながしているようだ。
秋は表情豊かな子供のようだ。赤や黄色の服を着ていて、泣いて笑って、お喋りで、でも、それを煩いとは思わせない心地よさがあって。
でも、子供だと思っていたら秋風に優しく包まれて、その存在の大きさを知る。
――だから、秋は私が大好きな季節だ。