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身の上
「オジサンは、どんなお仕事してたの?」
カフェオレを半分程飲んだ所で少女Aが尋ねた。
「色々な商品の通信販売や訪問販売をする営業会社だよ」
「ふぅん。商社みたいな?」
「そんな立派な物じゃない」
「何を売ってたの?」
「寝具とか、日用品とか、色々だな」
「そーなんだぁ。何て呼ばれてたの?課長とか、部長とか」
「支店長、だよ」
「すごぉい!偉い人なんだね」
「偉くはないよ。ただただ責任ばかり負わされる損な役回りで」
そんな会話から、私の前職の話になった。
少女Aは、真っ直ぐにこちらを見ながら私の話す事に興味深げに耳を傾け、次々に質問を投げかける。
それに乗せられる様に私も饒舌になり、会社で私がやって来た事や立場