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大人にはななれない

作者: 松村ほうしん

僕は地下鉄の風が嫌いだ。

なぜかはわからない。

人工的で堅苦しい風だからかもしれない。

もしかしたら単純に匂いが良くないのかもしれない。

理由はわからないけど地下鉄の風が嫌いだ。

そして嫌いなのは覚えているが、どんな風かははっきり思い出せない。

僕は子供の頃コーヒーが嫌いだった。

理由は明確で美味しくない。ただそれだけだった。

子供には苦く酸味のある得体のしれない黒い液体だった。同じ黒い液体でもコーラの方があのシュワシュワと甘さが子供心を刺激したし好きだった。

あれから少しは大人になったつもりだ。

それは生物学上なものかもしれないし精神面かもしれない。そしてコーヒーが飲めるようになった。

むしろコーヒーが飲めるようになったから大人になったのかもしれない。

いつかは地下鉄の風もたしなめるようになるのだろうか。

けれども、きっと僕はいつまでも地下鉄の風に敵意を抱いているだろう。

あの悲しいくらいに面白みのない風に。

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