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理系スライムは汚物の海から這い上がる  作者: 愚痴氏
第二章 現地種族との接触
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第88話 食レポ

えー、前話が誤字脱字多数だったようで・・・すみません。

話の流れには全く変化ありません。


ブクマ、評価ありがとうございます。

接敵する前から少々違和感は抱いていた。

人間だけを相手に狩るにしては、この街道には人通りがあまりにも少ない。

かといって、他の魔物が感知圏内にはほとんどいないのだ。


こんなところでいつ来るかもしれない人間の集団相手に、拠点を構えるというのは、よほど小規模の群れでないと維持できないだろう。


しかし、30匹前後もの大所帯を構える巣が、感知圏内に一挙に4つ、見つかったのだから混迷を極めた。

ざっと150匹前後。それでこんな近接して巣を構える意味がない。

何か、理由があるのだろうから、気を引き締めなければ。

そう思った。



その違和感はさらに接近し、魔力感知で様子が把握できるようになると変わってくる。



35体もゴブリンがいるというのに活気がない。こんなものではただの烏合だ。


妙に膨らんだ腹部、落ちくぼんだ眼窩も相まって憔悴した様子のゴブリン達。


運のいいことに、接近した時には徒歩圏内には対向側からくる人間も、徒歩圏内にはいなかった。

つまりは、ある程度羽目を外して肉を食らうこともできるということ。金銭の問題もあるため、見逃すという選択肢は初めから存在しなかったが。



膨れた腹部を蹴り抜いた際の感触が、妙に水っぽかったので、耳を切り取り終わってから軽く開腹してみる。

すると、腹膜を裂いてすぐに中から液体があふれ出した。


この液体は、腹水と呼ばれるものなのだが、人間と同様、ゴブリンでも溢れるほど溜まる例はあまりない。

他の、無事な箇所のあるゴブリンを調べてみると、どれも似たり寄ったりな腹水の溜まり方をしていた。


こいつらの死因は一体何だろう。

いや、止めをさしたのは私だが。

これだけの数のゴブリンがいる中で、こんな奇妙なことが起きるとは。


つい行きしなで競争心が芽生えて馬車も追い抜いてしまったため、周りに人影はない。

異様に腹の中に見える脂肪分が少ないのを訝しみつつ、

ゴブリンの肝臓を一つ、口に放り込む。


・・・む。不味い。


食べられないほどではないが、いつも食べているゴブリンの(きも)とは一線を画す、といった感じだ。

コクがない、というのがベストな表現だろうか。


ゴブリンの腕を千切って口に放り込む。


ぽきんぽきん。ぐちゃぐちゃ。


・・・うん。いつもよりも肉の割合が少ないな。

これはこれで骨を噛み砕く感覚が心地いいのだが、肉の味としても劣る。


栄養状態が悪いとでもいうのか。


いや、実際栄養状態が悪かったということか?


腹水がたまるといえば、某漫画のブラック・〇ャックで出てきた、癌で腹水がたまっていっていた話を思い出すのだが、栄養失調でも腹水が溜まることはあるらしい。


ということは、と二つほど可能性が思い浮かぶ。


1つ目。何らかの病原性を持つ物の影響。外因性のものの場合、スライムの肉体であろうと、影響を受ける可能性がある。


2つ目が栄養失調。内因性のものの場合、大体の影響は当の本人以外には効果がない。


・・・尤も、飢餓状態も外因子の影響があるとか考え始めるとキリがないのだが。


そこで、胃の中身を取り出してみると、

土や草、砂などが入っていた。


法医学の専門家ではないので何とも言い難いが、ゴブリンがこれらを消化できるとも思えない。なかなかにえげつない苦しみ方をしたんだろう。異食症、とでも呼べばいいのか?

胃や腸を切り開き、中の未消化物を掻き出し、喰らう。

これでも栄養だ。



速度的に馬車が追いついてきそうな頃合いだ、残りの巣もとっとと殲滅を済ませてしまおう。

手抜きをせずに、一匹一匹丁寧に可食部位を壊さないようにしつつ、しかし逃げ出せない程度には手早く、というのが、慣れれば慣れるほど出来る精度が上がってくれるのでやっていて楽しい。



おぼつかない足取りで四方八方へ逃げ出すゴブリンをきちんと屠畜したあと、拾えるものがないか周囲を漁ってみると、白骨がうち捨てられているのを見つけた。

腸骨だけでも4個。うち一対はゴブリンの物にしては異様に大きい。大体成人くらいの大きさか。

頭蓋骨や大腿骨なども見つかったが、叩き折られ、中の脳髄、骨髄は丹念に取り除かれていた。


他の白骨も齧られた跡があったが、肉をそぎ落とす過程でついたとは思えない角度で、その歯形はヒトの子供位がつけるくらいの・・・。


ここまで見て、ピンとくる。

空腹に耐えかねて齧ったのだ、人骨とゴブリンの骨を。


【暴食】のスキルの弊害で、常に飢餓感を感じている身としては心が痛い。

尤も、骨を齧るなんて非効率的な食べ方はしないが。


食べられるものがあって周りの目を気にしなくていいというのなら食べない道理はない。

もったいないのでとりあえずとばかりに溶解液を分泌、骨を食べてしまった。


ゴブリンの耳は落ちていた襤褸い紐で数珠繋ぎにして両端をつなぐ・・・まるで民族衣装みたいになってしまったが、あとで洗えば見た目の悪さはマシになるだろう。趣味が悪いだろうことは疑いようがない。


最後に巣に残された痕跡を確認、群れで生活していた場合の予想される痕跡と比べながら、街道沿いの巣がないかさらに調べるのだった。

異食症、思い付きで名付けたけど、調べたら実際の名前だった・・・bywiki

街の間の距離は、常人での休憩をはさみつつ1日歩いた場合の距離を基本としています。




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