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第63話 オーク狩り、再開

戻ってくるなりの第一声が


「遅い!」


これだった。

いや、事情は仕方ないこととはいえ。

ね?気遣いなりなんなりして、さ?オブラートに包むという概念を忘れたのか、そもそも持っていないのか。


渡さんぞこいつら。

今度はコイツラの餌、つまりは肉とかの類を持ってこなければならないわけだけど。担いだオーガと体内に収めていたブツをサキュバスどもに投げ込み、そのまま踵を返して他の部屋へ。


向かう先はもちろん、人間の方だ。


両手を縛られ、未だに虚空を見つめ、時々痙攣している彼女らの折られた足首を診る。と言っても固定がきっちりされているかの確認だけだが。

骨の配置が間違った状態のまま、ということはほとんどなかった。

はじめてにしてはよくやる。


この世界の骨の構成成分がカルシウムとかタンパクなのかどうかは知らないが、とりあえずは骨つき肉でも与えておけばなんとかなるだろう。


あとは・・・


様子を魔力感知でなく、音で探る。

時折聞こえる話し声。その言葉は全くの知らないものばかりで、違う言語だろうとあたりをつける。

言葉の端々に元々なかったのであろう、既知の単語が使われているのは大きな判断材料だ。



ともあれ、今やるべきは防衛体制が整う前にオークの群れを叩き、食料を大量に入手することだろう。

自分が摂取すべき分ももちろんある、というか消費エネルギー的には自分の分があまりにも膨大なのだが。


今回もまた戦力になり得る者は一人だけ。移動速度から基礎体力まで桁が違うから仕方ない。


今回もまたぼっち。

めぐるオークの巣は一つが限度。とれる肉の量は相当なものになるだろうに、多すぎて大体持ち帰れなくなるのが痛いところ。

身体強化でどれだけステータスを増強しようと、肉塊が体積的に大きすぎて地面に落ちてしまうのだ。




~~~~~~~~


洞窟というのは自然の中で作られるものではあるが、当然その数は限られる。オークの巣を収められるほどの大規模となると、オークのその身体能力でもって掘り進めたとしても確実にその数はさらに減る。オークの全てが土木系の知識を持っているわけではないのだ。


その絶対に近い外敵に対する安全性を誇る、大きな洞窟は自然、膨れ上がったオークの群れの間で取り合いになる。その競争に勝てた者は幸い、安全を手に入れたが、それにあぶれた者達は、追い出され、平地で生活するようになった。


そうして大部分のオークは平地での生活に順応し、また人型の生物をとらえるうちに、生活の知恵を育んだ。それらのうちの1つが、住居という概念だ。オーク自体は雨風を凌ぐ必要など全くない。凌げない者はバタバタ斃れて行くだけだ。だが、貴重な人型の生物は雨風に耐えられず、また彼女らを保護しておく必要があった。


彼らがそのような概念を持つに至ったのは自然発生的である、と考えるのは地球における人類の文化の発展のスケールを鑑みるに不適当であると思われる。あくまでも推測に過ぎないが、誰かに学んだのだろう。



兎に角、オークの巣には構造物として家もどきが存在し、中には人型の生物が収容されている。

肝心のオーク達はそれと同様にある程度知恵をつけているとも考えられるが、その知恵の想定外から攻めればいいだけの話。知識はその視野を狭めてしまうことがあるのは歴史が示している。


感知圏内に入ったオークの巣。周囲の状況を確認。


まだ夜半のせいか、周囲は静まり返り、夜の生物達の鳴き声だけが木霊する。最大まで身体強化を重ね掛け。天高くまで飛び上がる。上から周囲を見下ろすと、遠くに光点がいくつか瞬いているのが見える。その位置はおおまかに次に潰そうと思っていたオークの巣の位置とほぼ一致する。今回狙っている巣と比べると、どうしても見劣りしてしまう。


やがて私は重力の助けを借りて巣のど真ん中へと落ちる(・・・)

そして生じる轟音、振動。また足首に加えて振動が伝わった膝関節まで骨が砕け散るのを感じる。

その勢いを活かして手を地面につけ、魔法を全方位、ターゲティング。

魔法使用と同時に手で地面を蹴り、這うように接近、その態勢の低さを活かしていまだに状況のつかめていないオークどもを踏み潰し、ついでにスライムを植え付けて内臓など食らわせていく。


悲鳴、苦鳴、絶叫。鬱陶しいノイズもそう経たずに消えていく。

やがて残るは静寂。いや、呼吸音がうるさい。小屋の中だ。鋳込んで足を急速再生させつつ近づく。


ログハウスらしいが、隙間が多すぎる小屋の壁を蹴破る。まだ生き残っているオークが一体いた。

お楽しみの最中だったので喉を掻っ切って終わらせる。ほんとに旺盛だ。凄まじい。

残った人型生物たちの生死の確認と、意識レベルの判定のみ済ませてしまう。足首、手首に木製の簡単な枷が仕掛けられており、動きはかなり制限される。四肢はそこそこやせ細れ、とても自立できるようには見えない。

瞳孔反射があるから死んではいないものの、軽くゆすっても反応する様子はない。いわゆる気絶、というやつだ。


その彼女達を起こすべきかどうか悩む。正確に言うなら、彼女達を起こして自由にさせるか、それともこのまま捕食するか。起こしたところで安定した食糧源は存在せず、ケアを行う人間も存在しないだろう。さらにここらには魔物が多く生息しているそれらが示すことは、一言で言うなら詰んだ。


一縷の望みにかけて生かしておくか、それともほぼ見込みナシと判断して捕食してしまうか。

連れていくという選択は毛頭たりともない。誰が好き好んで外敵が周回してくる場所にいたいと思うものか。

やっと・・・オーク戦も終わる・・・

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