第56話 尋問の時間です
また書いていたらグロモード突入・・・
次の次くらいにもまた入ります
オークを探して彷徨う。
ゴブリンでもちゃんと栄養にはなるようなので適当に狩って移動しながら捌いて残りはこの、疑似人体の持つ顎で噛み砕いて嚥下、体内の空洞部分で消化する。
ゴブリンの生殖器系も空洞部分に保管するが、そこは内部の空間を分断してしまえばいい。
内部にその程度の重量を入れたところで重心が大きく変化するほど、この人体の総重量も軽くないので安心だ。
ようやく森の中、感知域内に大型の人型魔物を見つけたので、背後から接近、足払いをかけてうつぶせに倒れこむと同時に首筋を踏みつけ、動きを止めさせる。自重が相当なものなので動かせず、かつ踏み潰さない程度に力を加えるのはそこそこ注意が必要だ。見ればこの魔物はオークというには引き締まった、しかし筋肉のかなりついた肉体で、ゴブリンというには背が高い。頭部にはこめかみから左右に分かれたツノを持ち、またこれまでになかった、明らかな毛髪が生えている。
まあ、種族は違うけれどオークよりわずかに強い程度の魔力反応しか見られないから似たようなものだろう。
さて、
「この言語が理解できるか?」
・・・
暴れるばかりでそもそも聞く気がないらしい。
こちらが圧倒的強者であり、そして逃げられそうにないことはわかりそうなものを。
一度踏みつける足を緩め、起き上がり始めたところをまた踏みつける。今度はより強く。
地面が同心円状に軽く陥没する。
往生際の悪いやつだ、肉体的に破壊するのは容易いが、心を折るのは手間暇がかかる。
3回ほど繰り返すと、ようやく抜け出そうとする動きが収まった。
「もう一度聞く。この言語が理解できるか?」
ややあって、返ってくる。
「…わかるし、オデたちも使える。だからこ…」
ドンっ
「質問にだけ答えればいいんだ。
まず、お前の種族はなんだ?」
「お、オーガ、です。」
やはり聞いたことのない種族。周囲、索敵範囲に同じような魔物がいないことから、群れで活動する種族ではないようだし、こいつを狩るのは情報を聞き出してからにしよう。
「よろしい。では、オークの群れの場所はわかるか?」
「すいません。ガアっ…グッ…わからない…です…」
「じゃあオーガには巣があるのか?」
「おし、える。教えるからぁ…」
どうやら巣はあるらしい。ということは活動範囲が広いのか。ナワバリと呼び変えてもいい。ナワバリが広いということは即ちそれを維持していけるだけの戦力があるということだ。オークやオーガといった種類はどれだけ食べるのか知らないので詳しいことはわからないが、留意しておいた方がいいかもしれない。
「よし、教えてくれ。」
「ま、まずはここから南に5セルチ、2セルチ進んで…」
はい?口頭で教えるのはまだいいとしても突っ込みどころが多い。
「おっと、ちょっと待て。そのセルチという距離の単位がわからないんだが。あと5セルチ、5セルチ、2セルチってなんだよ」
想像が正しければこれは5進数だ。
「い、1セルチはオデたちが森の中を1エンダで進む長さのことだけど」
ますます疑問が増えた。
詳しく話を聞いてみると、オーガの間では10進数ではなく、5進数が採用されているらしい。そしてひどいのが「繰り上がり」の概念を持たないことだ。要するに彼らは物を数える際に「○○が19個」でなく、「○○が5個、ここにも5個…」といった具合に数えているということだ。たくさんモノを数える機会に恵まれなかったのだろう。
エルダとは時間の単位で、夜明けから日没までの時間を12等分したということらしい。地球の自転と同じだとするなら、約1時間。
高校時代に受験物理をやりこんだ者として杜撰だとも思うが、1秒を測定するための、光速もわからず、少し前まで1秒の定義に使われていたセシウムを単離するのも難しい状況では酷な話だろう。
「ひとまず、ここからかかる総時間を教えてくれ」
「大体、半日くらい」
半日くらいを行動範囲としていたのなら、遠征をおこなうほど困窮していない、つまり数は増えていないと思われる。心持ち戦力を下方修正。
行き方を口頭で教えられても単位が分からない以上、意味がない。
抵抗されるのも面倒なので、歩かせるよりも引きずるようにしよう。
まずは顎。破片が細かく割れないように注意して、下顎骨をたたき割り、
次に抵抗を奪うため両腕の上腕骨、両足の大腿骨を真ん中から圧し折る。
悲鳴が上がるが血などでくぐもってよく聞こえない。うつ伏せの姿勢でやらなかったら呼吸困難で死んでたかもね。
骨は折ったが筋肉断裂にまでは至っていない。つまり皮一枚でつながっているというわけでは全然なく、むしろ筋肉で強固につながっている。両足首を持ち手にして歩き回っても引き千切れることはないだろう。
痛みの度合いは考慮していない。
さあ、歩こうか、と足を踏み出したその瞬間。
強い抵抗。振り返ってみると、なんと折れたはずの両腕で地面を掴み、引きずりに抵抗している。
痛みにより逆に我に返ったか。意地で頑張っているのか、それとも何らかの再生スキルによるものか。
何であれ、やることはただ一つ。再生を阻害し、かつ簡単に再生できないように破壊すればいい。
具体的には一般に治療の難しいといわれる関節部を破壊。これには神経系を寸断しないため痛みが脳まで届く、つまり全体として考えると四肢を切り落とすよりも痛みの総量が大きいため、恐怖を与える、もしくは気絶させることで精神的にも抵抗を奪う狙いもある。
骨を折ってまだ意識があるんだから、これだけやっても発狂するには至らないだろう、という素人考えだ。
皮膚に骨片が突き破らないよう配慮しながら、先と同様に四肢を折り、指先から手首足首、肘、膝、肩、股関節に至るまで四肢の関節部を、また下顎骨、鎖骨、恥骨を磨り潰す。特に下顎骨は下手をすると気道や頸動脈、神経系を傷つけかねないので注意がいる。
そうして、肩甲骨をもって引きずる。
そうすると肩関節の再生が阻害されるため、その動きの多くが肩関節の稼働で賄われる腕が満足に動かせなくなるのだ。
気を失ったらしいオーガを引きずる。微妙に重いのでもう目的は果たされた四肢と、短時間において生存には必要ない消化管系を切り落としてしまったほうがいいのではないか、とも少し思うが少し我慢。
魔法で継続的な出血は止められるとはいえ、血の匂いなどのレベルの出血は止められない。血の匂いがどこまで周囲の魔物を集めるのかわからない。
とりあえず5セルチ、2セルチと言っていた。日はまだ南中から20度ほどずれたところだろうか。
まあ、再生の進捗も兼ねて体感で1時間ほど歩いたら叩き起こそう。
主人公のサイコパス度が跳ね上がってる気が…




