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第30話 王様ってある意味中間管理職より大変

「それはまことかっ!???」

元帥からの報告を受け、思わず宰相に確認を取った。まさか個人で改造してるなどと誰が想像できよう。近年は勇者達により王国政府のやるべきことが大幅に増えており、正直に言って手が足りてない。異世界の”じどうか”により一つ一つの事業は一応の監視要員くらいで十分事足りるんだが、いかんせん数が多く、また多くの省が関与せねばならないものが多い。例えば”水道”って、まず維持管理、次に水源確保と”水資源の保全”のバランス、さらに水道代の徴収まである。”だむ”ってどうやって維持管理するんさ?”せめんと”ってどうすれば作れんの?


こんな風な案を一般市民が持ってきたのなら、一蹴すれば済む。しかし、これらの計画をしたのは魔王を打倒し、全世界に名を轟かす、あの勇者だ。しかも都合の悪いことに国に案を出すより先に民衆に案が通る前提で話をしてしまったらしい。ここで国ができませんと言ってみろ。間違いなく求心力が落ちる。

まったく、有言実行はまったくもって素晴らしいのだが、できることが分かってからやるもんなんだよ馬鹿野郎。


あのハーレムを今なお形成中の勇者をひとしきり蹴りつける妄想に浸ったのもつかの間、頭をシフトし、法例に忠実に、判断する。

「まず、ゴミ処理局長を罷免だ。次に、地方のゴミ処理局の槽の容積の余裕を調べさせろ。改造している場所があればそこも罷免。そして、財務省に掛け合って、臨時で予算を組んでもらえ。槽の内側用の新しい金属板だ。」

一般に、同じ種類の金属でなければ、接触したまま放置すると片方の腐蝕が早く進むことは知られている。賢者にそのことを話したら、「イオン化傾向うへへ!」とかなんか興奮していた。見目麗しい女性なのにそこらへん残念。

とにかく、このために、同じオリハルコンを使うか、もしくは全面改装が必要となってくる。ああ、お金が飛んでいく・・・こりゃゴミ処理代増額不可避だわ。


これで民意を得られずにクーデターとか起こされて晒し首にされるのは嫌だが、国庫に余裕があると見られてじわじわと国王である自分の生活を削らされるのはもっと嫌だ。よって押し通す。

増額分についてのデータやなんやらはゴミ処理局にあるのだろう。そうすると、局長に出させれば・・・あっと、辞めさせたんだった。とすると、

「後任が見つかるまではゴミ処理局の長を元帥が務めるように。そして財務省の人間に計算することができたと伝えろ。ゴミ処理代増額分をひと家庭あたりでどのように配分すればよいか計算してもらう。」


財務省の計算フリーク達が 泣いて喜ぶだろう。ついでに国が安泰であり続ける方法も計算してくれたらよいのだが、計算フリークも、それを計算するほどの頭は持ち合わせていないらしい。使えねえ。


「ひとまずもう下がってよい」「はっ」

元帥を退出させ、宰相と二人でゴミ処理局長の後任を探す。この仕事も本来王のやることじゃないぞ!


しかし後任は見つからない。当然だ、10年間の大ベテランの代わりなどそうは見つからない。しかし下手に新人をつけてもこれから起こる煩雑な物事に対応できない。困った。


「こんなことになるのが分かってて、この事業を誰も引き受けなかったのか…そうかそうか…ならb「いや陥れるとかそういう意図はないと思いますよ?鬱になるのはわかりますけど落ち着いて、とりあえず寝てください」「はい」


はるかに年上の意見には従ってしかるべきだ。うん寝よう、待ってろオフトゥン…!






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