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第2話 理系スライム、現状確認

さて、嫌な記憶を思い出し、殺る気を出したところで、周囲の確認をしてみよう。


・・・はい、2秒もかからず終了。見渡す限りの糞尿、生ゴミ、その他で視界(?)が埋まっているのを確認するに終わった。

因みに、頭上(?)まで埋まっているにもかかわらず、視界はクリアである。なぜ?ファンタジィ的な何かだろう、うん。

問題を先送りにしたところで、目下の問題、なぜこんなところにいるのか?を考えてみよう。スライムはこの世界における分解者(分解者とは、自然界において、死骸などを最終的に分解する存在である。)であるからして、スライムがここで発生したのは理解できる。


しかし、なんでこんなにゴミが集まっているのか?こんなにゴミがたまるというのは自然界では考えにくい。なんらかの意図がある。そう考えると、人為説、つまり人類もしくは何かがスライムにこのゴミを処理させようとしているという仮説が立てられる。

ゴミ問題ってのは人類がずっと苦しんできた課題だからな。


その仮説に基づくと、分解者からしたら餌だらけな場所はすぐに増えたスライムに覆いつくされるだろう。増えすぎたスライムを殺すための何かがいつか投下されると思われる。もしかしたら、ゴミだめ内でスライムの捕食者がもう繁殖しているかもしれない。

そう考え始めると、この未熟な体(あいにくと、おそらく成長しないのがつらいが)でここにいてもたってもいられなくなる。

もうこれ以上こんなところに居られるか!私はここを出るぞ!


ところで、人間の精神を持ち合わせているものの、スライムの習性も持っているため、このゴミだめでも失神することなく考えていられるのは、女神のお陰だな。女神のせいでここで転生させられる羽目になったのだが。

さて、方針が決まったところで、自分の能力把握もしておこうか。敵を知り、己を知れば、なんとやら、だ。もしかして…(ステータス)



名前:なし

種族:レギオンスライム

Lv1

HP 150/150

MP 5/5

STR 1

VIT 5

AGI 2

DEX 1

INT 320

LUK 3


スキル 悪食Lv1 魔力感知Lv1 状態異常耐性Lv2 増殖Lv1


称号 シナリオブレイカー 神の八つ当たり対象 転生者



ステータスで出てくるなんて、テンプレだな。それより、レギオンがスライムの上についてるのはなぜだ?レギオンって言ったら集合体みたいなものだったはずだが。

INTが高いのも気になるが、レギオンスライムであることによって構成してるスライムの間で情報処理が速くできているのだろう、多分。

スキル欄を見てみると、魔力感知という素敵ワードが踊る。これで光の差し込むところもないまま状況把握が出来ているわけだ。悪食と増殖は、まあスライムだから当然か。

状態異常耐性耐性も、このあまりの周りの惨状に、ゴミが食べ物のスライムでも素では耐えられなくなったか。


称号をみてみると、シナリオブレイカー、神の八つ当たり対象。

称号システムさんもどうやら運命神であるらしい女神の立てた予定を狂わせてる、と責めてる。だが、この転生は、八つ当たりの範疇に入るらしい。ざまあみろ。


とりあえず、考えてたら、空腹感を感じたので(胃もないはずなのにどうしてそう感じるのか疑問だが)、周りの汚物を吸収しつつ、スキルを試してみる。


まずは、【悪食】!


しかしなにもおこらない


このスキルは、魔力感知や状態異常耐性と同じくパッシブスキルなのか、それともアクティブスキルだが、何か、例えば対象がないから使えないか。とにかく、他に変わったものに使い続けて、ようやくわかるだろう。


次に、【増殖】!

こちらのスキルは、反応があった。

体の一部が切り離される感覚。しかし、痛みはない。

そして切り離されたスライムは自分と同じくらいの大きさとなった。さらにこのスライム、こちらの意思で動かせるらしい。ウニョウニョうごめいて、こちらとあちらのスライムで握手することもできた。こちらのスキルを継承すらしているらしく、【増殖】で増えることができる。なにこの鼠算。スライムだけど。

問題は、このスキルは使うとひどく空腹感を覚えることだ。お陰でさらに取り込むスピードは上がった。


さて、スキルの確認のあいだ、ずっと食べ続けているわけだが、中々減らない。というより、取り込むたびにその空いた空間に雪崩れ込んでくる。際限がないのでとりあえず、ゴミの入り口があるであろう重力と反対の方向のみを取り込むことにした。さらに体を少し伸ばし、櫂のように使うことで、少しずつ、本当に少しずつだが、体を上にもちあげていく。切り離された分身体スライムにも同様にさせた。


そうして、目下の移動方法が安定したところで、取り込んだものの分解を始める。動かすのにエネルギーをつかっているわけだから、その分に加え、余剰分はエネルギーを産生していきたい。


ん?おや、これは?

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