第22話 地上移動法の模索。
ヨモギとひとしきり遊んだ後に、また地上班は行動を開始する。地上は見渡す限りヨモギに侵食されており、他の植物が見つからない。また、そもそも魔力反応がない場所から地上進出したため、周りに動物などは存在しない。他の動植物と接触するためにはこちらから動いたほうが良いだろう。
ピコン!スキル【火属性魔法】のレベルが上がりました!
ピコン!スキル【水属性魔法】のレベルが上がりました!
ピコン!スキル【魔力感知】のレベルが上がりました!
ようやく魔法スキルのレベルが上がった。魔法スキルなどのMP 消費系は消費に見合うMPがそもそもないために成長が遅い。これは仕方ないこととはいえ、【溶解液】の伸び方と比べるとどうしても見劣りしてしまう。
気を取り直して、行動開始。
これまで掘り進むばっかりだったので地上での行動に慣れていない。
新しい移動法を確立しなければならない。
まず考えられるのは四肢を使った移動。地球において、その中でも、哺乳類と爬虫類などでは足の付き方の問題からさらに分かれるのだがここでは割愛する。
2つ目は車輪を使用する移動。例えば自動車や自転車。少し特異なものでいえば戦車のキャタピラ。あれも回転させることで推進力としている。
3つ目は飛ぶ移動。まず揚力を得てそこから推進力を使い移動する。
4つ目はジャンプ。カエルの感じ。
そして最後が、アメーバの運動機構を再現した移動。アメーバは細胞の中身を中心に動かすことで移動する。
まずはトライ。
まず論外として打ち消されたのが1、3、4番目の移動法だ。これらの移動法にはまず地面から離して体重を支えることが必要となる。
1,4番目の場合、骨を用いて体重を支えることになるが、以前に造った骨にスライムを纏わせ、自立させようとした直後、【圧力魔法】を全開で使用しても、重さに耐えることができずに、折れた。
どんだけ重いんだこの体。却下っ!
3番目も【圧力魔法】を用いて瞬間的に体を浮かせることはできても持続的に体を浮かせるほどには至らない。また、MP切れをずっと心配しなければならないため却下される。
2番目は戦車などの重量物を運んでいることからわかるように、対象が重くても動かせるという利点がある。まあ、回転を力としているので、軸は必ず必要になってくるが。また、車輪の性質上、たくさんあればあるほど安定する。自転車や1輪車などからもわかるように、地面との接点は3つ以上ないと倒れやすい。
5番目の手法は正直言って簡単にできる。というか、この移動法がスライムが本来地上で行動するにふさわしい移動法といえる。
だがしかし、あえて2番目の手法で移動しよう。何より速いのだ、これは。平野なこの地形にも、マッチ。
スライムの肉体を円筒状に成形。外側を固定して、内部で【サイズ縮小】を行い、固まることで重心を移動させ、回転を生む。地面との接点の真上ではなく、より進行方向側に重心を常に置くことで進行方向への推進力が生まれるのだ。円筒状にすることで転倒のリスクも解消。
かくして、暴走車両と化した分身体達は驀進する。
少しすると、表面が焼けるような感じになってきた。なんかこう、水分が抜けるような。あっちいっ!
これで表面の分身体達がやられるのは避けたい。地表に生えているヨモギごと地表を削り、纏う。ただ表面に固めるのではなく、土にスライム達を浸透させ、一体とする。外側にヨモギが向くようにして、さらに円筒自体の直径を大きくすると、
一回転ごとに円筒の下のヨモギは潰されるものの、それと同等のスピードで円筒上部の土についているヨモギは【再生】していく。上部でスライムが焼かれるのを恒久的に防いでくれそうだ。下で自重を全て引き受けるスライム達も同様にやられていくが、持ち合わせの【再生】で相殺できた。
問題解決をした後やっと気づいたが、これが夜明けであった。スライムって日光に弱いのね。自分に【光属性魔法】浴びせなくて本当に良かった。
ピコン!スキル【乾燥耐性】を得ました!
数日後、人影を見かけた。
近づいた。轢いちゃった。
ピコン!スキル【再生】のレベルが上がりました!
ピコン!スキル【サイズ縮小】のレベルが上がりました!
ピコン!スキル【魔力感知】のレベルが上がりました!




