ガサゴソガサゴソ
「1人1人で別行動したほうが、探す効率が上がると思うからです。万が一なぞの影に襲われたとしても、わたしと雪乃さんなら、1人で対処できますしね」
「ま、まあそうですけど……」
エリアさんの言っていることは正しい。筋が通っている。だがそれが、余計にわたしを腹立たせた。別行動案を却下の予知を、完全に潰されてしまったからだ。正直に「怖いので2人しましょう!」などとは、プライドが許さないので言えない。
わたしは、猛弁でわたしを説得しに掛かるエリアさんを制し、「わかりました。別行動でいきましょう」と頷いた。
どっちがどこを捜索するか、というのを決めるジャンケンの結果、わたしは右半分を捜索することになり、エリアさんは左半分をやることになった。ジャンケンはわたしの圧勝だった。3回やったのだけれど、余裕で3連勝してしまった。
2時間後にまた村長の家に集合、とわたしはエリアさんと約束を交わし、「じゃ」と言ってから別れた。
さみしい。
けれども、わたしは弱い自分に鞭を打ち、右半分の探索を開始する。
水穴の中から始めよう。
2本の木と、民家に挟まれるようにある水穴。水穴というのは水を溜めておく穴だ。かごを使い、くみ上げてから料理などに使う。人が落ちないように、周りは石などに囲まれている。
覗いてみると、深さは80メートルほどありそうだった。水は枯れていない。黒くもないので、あの忌まわしい呪水でもなさそうだ。飛び込んでしまって大丈夫だろう。
わたしは外套をはずす。濡れて重くなると面倒なので、外套の下に着ていた服も脱いただ。完全な下着姿になる。寒い。下着は上下くろいろだ。武器類はそんなに持っていく必要もないので、ナイフや拳銃を外し、主武装の黒刀だけ持っていくことにした。地面に置いた武器には、盗賊とかに盗まれないよう、透明化の魔法を厳重に掛けておく。
わたしは息を整えて、腕から水穴の中に飛び込んだ。
ボチャンというような音がしする。
身体を刺す水は冷たい。
わたしは、陸地に戻りたい思いになりながらも、懸命に水をかき続けた。水穴の水とだけあって、辺りの水は、先が見通せるほど綺麗だ。
目に付くゴミが見つからないというのもスゴイ。
潜り始めてからやく6秒。わたしは水穴の底に到着した。底は石で固められている。ノックをするように叩いてみるが、異変は特に起こらない。隠し扉のようなものはないみたいだった。
――はずれ。
気分が落ちながらも、わたしはまた水を掻いて浮上する。
陸地に着いた。
わたしは掛けてあった透明化の魔法を解き、身体を拭くことも忘れて服をきた。武器類はベルトなどに留めておく。




