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短編

タチバナ

作者: RK

次に投稿する予定の『蝶』という話のネタばれに近い話です。

 その甘い香りは一体何だろうか?


 ふらふらと匂いにつられてみれば小さな実を成す木があった。


 その周りには蝶がひらひらと飛んでいる。


 見た事もない紅い蝶に私は目を奪われる。


 実の皮をむき、一口齧る。


 とても酸っぱく、そのまま食べる物とは思えない。


 蝶がひらひらと私の周りを舞い踊る。


 一体なんだと言うのだろう?


 紅い蝶がひらひらひらひらと飛びまわる。


 そうして私の視界はぐるりと変わる。


 私は黄昏の浜辺に立っていた。


 急な出来事に私は驚く。その一方で何故か安堵もしていた。


 ふと、私の首に蝶がとまった。


 誰かの手に包みこまれるような温もりを感じた。


「さあ、マレビトよ。参りましょう」


 私は声に導かれるように浜辺にある小船へ乗り込む。


 ああ、私は二度と帰る事がないのだろうなと、悟った。


 私は船に揺られながら、甘い香りに身を任せていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  どことなく俯瞰した『私』の語りが非常に魅力的です。 独特の雰囲気のなか、読み手の中に不可思議が増えてゆく、謎をはらんだ構成。ごく短いものであるはずなのに、流れに呑み込まれる引力に惹きつけ…
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