◯7冊目 小島達也著「夏休みの拡大図」を読んだよ!
今回はリアル書籍「夏休みの拡大図」を雑食読書。
それではイタダキマス4_(* ̄▽ ̄*)_ψ
僕、実はミステリか大好物です。ドイルもクリスティもクイーンも乱歩もルブランも。まぁ、ルブランをミステリにいれていいかはギモンですが、ルパン対ホームズはワクワクするという、そんな理由で。
そして日本では、一つのジャンルとなった死なないミステリ。加納朋子さんとか大好きなのですが、今回は「夏休みの拡大図」小島達也先生著の青春ミステリです。
あらすじはAmazonより抜粋。
大学生の百合香は、親友・ちとせの引越しを手伝いながらこっそりと探していた。卒業式の日に消えた、片想い相手の第二ボタンを。それは、胸の奥にずっとしまっていた謎を解く鍵なのだ。しかし、見つかったのは、小学一年生の時に教室を騒然とさせた「花瓶の事件」の犯人の写真。その謎を語ると、ちとせが魔法のように解いてしまい……!? やさしく鮮やかに、学生時代の数々の謎ときらめきを描き出す、青春ミステリーの傑作。
書籍のあらすじって、なんでこうも鮮やかなんでしょう。(そこ感想のポイントちゃう!)
親友の引越しの中で描かれるのは、過去へのトリップ。そして分からなかった、小さな謎。そこに射す光。
作者様は男性のようで、僕も男なので、ここらへんの評価は女性でないと分からないトコロがありますが、女性同士の全てをオープンにできない心理、多分、それは素直になれない部分と、秘密を伏せておいた部分ってのがあるのかなぁ、と。
聞きたいのに聞けない、って言う事も。秘めた想いも。疑心暗鬼も。嬉しい想い出も、知らなかった事も。含めて含めて真っ直ぐで。
謎解きってワクワクする。これはミステリ愛好家ならみんな想うだろうけど。この作品を読んで思ったのは、知らない事を知る、暴くと言ってもいいかもしれないけど、その探求は計り知れない欲求があって。
その人の事を知りたいという欲求、あの時あの瞬間の何故なんで。
結局、それって人間というイキモノは、ほんとうの意味で共有というものができなくて。
だからこそ「知りたい」は、「近づきたい」と同類項なのかなぁ、と思いました。
あ、そうそう。
本作において「夏休みは人生の縮図」という台詞が出てくるのですが
エンディング近くで
「夏休みが終わっても────(伏せますが)」
という趣旨の台詞が出てきます。
ここでタイトルにリンクするというか。じわりじわりと各エピソードが繋がる感じは流石です。
願わくば、百合香さんが幸せの一歩を歩めますように。
最後に。
女の子(百合香さん)が女の子(ちとせちゃん)に向かって激励の言葉が
「甘えるな!」
これは、なんとも爽快でした。
新たな旅立ちに
「頑張ってね」
でも
「応援してるよ」
でも無い。
「甘えるな!」
でも、実は「甘えさせて欲しい」にも繋がる気がして。
片思いの人への感情含め、親友ちとせちゃんへの感情含め、で。
ツンデレノスタルジーと言えなくも無い(笑)
とても読みやすく、暖かく、そして甘酸っぱい物語でした。
それでは手を合わせ、良作との出会いに感謝の想いで合掌。
本日も雑食読書、ご馳走様でした。
出版情報です。Amazon様から引用させて頂きました。ご参考までに。
夏休みの拡大図
小島 達矢 (著), くまおり 純 (イラスト)
出版社: 双葉社
ISBN-10: 4575237752
ISBN-13: 978-4575237757