2話 え!?いきなりボス級とご対面?
ちょっと描写が長いかもしれませんが読んで下さい。お願いします。
閉ざされた瞼に名残惜しさを思いながら開く事を決めた。
何故眠っていたのかは分からない。覚えているのはいきなり騒がしくなった体育館に、最後に光りに飲み込まれた部分だけ。
最後に見たあの意味の分からない男の起こした光り。あれは多分現代の科学で起こした物とは違った気がした。
そう思わせる世界が顕著にも意識を覚醒へと至らせた。
なんせ俺の目の前には、見たことの無い密林のような森があり、聞いたことの無い鳥の囀り(さえずり)が聞こえてくる。さらには、獣の唸る咆哮が何処か遠くであげられていることがわかる。
絶対にあれは現代の科学で作れるわけがないのだ。どう考えてもただの光りが可能とは思えない。
目が覚めたら、見たこともないジャングルにいました。それを誰が現実であると思う?俺には無理だ。
「それにしても、ここってどこなんだ。日本ではないのは確かだよな。こんな所見たことも聞いたこともないし。ってか、これって誘拐に入るのかな…。辺りに犯人いないもんな。意味が分からない…」
思考は一転して、どうして俺がこんな目に遭っているのかにシフトされる。
いや、まず俺達を誘拐しても特がないよな。それなら学校の許可を取る必要もないし。
う~んますます意味が分からなくなってきたぞ。
自分でも驚いているが、俺はそんなに緊迫していなかった。日本じゃなくても人さえ見つければ帰れると思っているからかもしれない。
外国語は得意じゃないが、ジェスチャーでなんとか通じるとテレビでしていたし、頑張れば帰ることは出来るはずだ。ただ。こんなとこに誰か人がいるのかってとこだな。
目覚めた位置から適当に辺りへ注意を向け長く歩いていると、いつの間にか大きな湖にたどり着いた。
結構歩いたことで咽が渇いていたし神が俺のことを味方してくれているのかもしれない。
うん。飲もう。
真也は咽が渇いていて考えるのをやめていたのか、危険があるなどと考えずに、湖の水を両手ですくって口に入れた。ここまでの流れは僅か3秒の出来事だ。
「……ぷはっ!うまっ。これホントに水か? なんか、すっげぇうまいんだけど」
それは、一口飲んだだけなのに体の中に均等に水分が流れている様な錯覚を感じるようなものだった。要するに、危険のないただの美味しい水であったと言うことである。
先の事は少し不安だけど、水があるならなんとか安心だな。
その後、咽が潤うまで湖の水を飲み出した。
たらふく水を飲み終えると、湖の反対側に何かがあるのを発見した。
気になってしまった気持ちはどうにも抑えられず、俺は湖を迂回してそこそこの距離をそこへと、向かって歩き出す事にした。
湖は予想以上にでかく、反対側に行くのにかなりの時間が有してしまったが、それでも、なんとか何事もなく目標の元まではたどり着く事が出来た。強いて言うなら、大きな獣のうんこを踏んでしまったことくらいだ。
「これって……、いわゆる洞窟ってやつだよな」
地面をジャリジャリと土踏まずで摩擦させながら、もそう呟いた。
着いた先には、キレイに装飾が施された洞窟が堂々と存在を主張していた。暗すぎて先は見えないが、下り坂なように見える。
いつもの俺ならばこんな怪しい洞窟になんて入らない。だが、まだ日がある内に見た方が良いんじゃないかという甘い考えが、足をその先へと進ませた。
入ってみると以外としかっりとした造りになっていて驚いた。
ポタポタとどこからか水の滴る音が聞こえるが、どうやら湖の水がどこからか漏れているようだ。暗さもあいまって少しだけ恐怖の感情が浮上する。
入って1時間が経っただろうくらいには緩い坂を加減しながら歩いていた。もう下り坂にもなれはじめ、無意識に加減しながら歩いていたスピードを落ち着かせる。
歩きすぎたせいで、もう外は日が沈んでいるかもしれない。さっきよりもこの洞窟の中が一層暗くなっている気がした。
それからまた1時間程歩いていると、不意に見えなかった松明に火が灯り始める。ここの仕様なのだろうか。そんな疑問と同時に、見えなかった周りの風景が見えるようになってきた。
視界いっぱいに明りが広まったため、辺りを見渡すことにした。
すると、暗くなったから危険を抑えるために火がついたのだと思っていた俺の予想は全くと言って違ったようだ。
多分この洞窟の奥地に着いたから、火がついたのだろう。と結論は軽く塗り替えられた。
火がつくと同時に目の前にデカイ扉が立ちふさがっていて、松明はこいつをはっきりと示してくれていたからだ。
間違いなくこれがこの洞窟のゴールのように思えた。
だが、最も難しいのがこれを開けるか開けないかで迷うところである。今まで罠は一つも無かったが、この先も無い保証なんてどこにもない。そう考えると開けない方が良いかもしれない。
でも、ここまで来たことは無駄骨になると考えると、どうしても行きたくなってしまう。
「やっぱり行きたいよな……」
好奇心旺盛なバカとはこのことを言うのだろう。
弱い人間ほどこういった時、悩むものだ。
~10分後~
「よし、やっぱり行こう。どうせあの森を彷徨っても死ぬかもしれないし、もしかしたらこの先の方が安全な可能性もあるんだ」
ひたすら悩んだあげくに開き直っていた。
扉を押すタイミングを計るために、両手を扉の表面へと添える。触れてわかった。これを軽く押すだけで感単に開く気がした。だからこそ、俺は何も考えずに扉に添えていた両手を前に押し出したのかもしれない……
その瞬間、扉が開き暗かった奥の部屋の松明に火が灯り扉の奥を照らし始めた。
開けてすぐに弓矢が飛んでくるかもしれないと一瞬脳裏をよぎり、冷や汗を流したが、全ての松明に火が灯っても何も起きない。むしろ、扉の先がドームのような円形で、想像よりも神秘的に見えてしまい、呆気にとられてしまった。
俺は、そんな感想に惑わされてか、自然に扉の先に一歩足を踏み入れてしまった。
そんな時に事件は起きた。
目を凝らしてみると、中央で何かが動いていたのだ。それは、俺が気づくと同時にドシンッと音を発てて立ち上がった。
遠い場所からでも聞こえるほどの荒い息づかいが、同じ生き物だと告げる。危ないと感じて後ろに行こうと試みたのだが、いつの間にか扉が音を発てて閉まり、後ろには行けないと悟った。なんだか、脳内に危険を知らせる警鐘がなったように感じる。
「ギュギャァァァァァ!」
そんな絶体絶命な状況でそいつは、あざ笑うかのように口を大きく開け、地面を揺らす程の威嚇を俺に放った。この距離でも耳鳴りがする大きな威嚇に俺はひるんでしまった。
その隙を見過ごすはずがないことは俺にも微かにあった獣の感が訴える。
俺の状態などかまう筈もなく、目の前の化け物は足を慣らし全速力で向かってきた。
だんだんと近づくにつれてそいつの姿が露わになっていく。
俺との距離が半分ほどになった時だろうか、その姿を俺はとらえた。
一言で言ってしまうならトカゲを大きくしたような姿な気がする。口はワニのそれと同じぐらいで身体は、象に並ぶほどのでかさ、右手には俺の身体程あるであろう大剣を握りそれを片手で支えていた。
俺は今更になって、現実を受け止めていた。何故扉を開けたのだろう。過去の自分に後悔した。
それと共に此処に来る前にあの男が言っていた事が少なからず本当であることを認識したのだった。