悪の十字架
・・・
・・・男は、それをどうしても手に入れる必要があった。
この街には、あるという。
その噂を聞きつけて、男は、この街にやってきた。
まだ、朝もやのけむる、人もまばらな、この街に。
男は、目的のものを求めて、古びたビルの前へやってきた。
薄汚れたガラス。
そのショーウインド越しに・・・
男は、それを見つけた。
古い十字架のアクセサリ・・・
「・・・これを、これさえ手に入れられれば・・・」
男の目には、尋常ならざる、何かを思いつめた色があった。
はやる気持ちを抑え、男は、その店の入り口へと回る。
・・・
店は、まだ開いていない・・・
男は、焦る気持ちで、扉にかけられた表示を凝視する。
・・・
・・・
・・・ 只今準備中~ Open AM10:00 Close PM11:00
・・・
・・・男は、いらだちを抑えながら、つぶやいた。
「・・・開くの・・・10時か・・・」
・・・
・・・ あ ・ く ・ の ・ じ ・ ゅ ・ う ・ じ ・ か
・・・