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誕生と邂逅

???「祇梨さん!ご出産おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」

???「良かった...無事に産むことが出来てほんとに良かった、、、」

そんな話し声が聞こえた気がした。

〜15年後〜

私はこうして別の世界に生まれ変わった。私のこの世界での名前は祇梨蓮斗(かみなしれんと)。生まれ変わって3年ほど経ってから自我が覚醒した。それから12年、私はこの世界の母である祇梨紗奈から色々なことを教えてもらった。1つ目がこの世界には魔法と呼ばれるものがあり、その魔法を扱い、国を守る組織があることだ。そしてもう1つ、この世界には度々厄災と呼ばれる怪物達が侵攻してくるということだ。

蓮斗「母さん、学校に行ってきます。」

紗奈「行ってらっしゃい蓮斗。学校に行く途中は車に注意して行くのよ。」

私はこの世界に生まれ変わり、この世界の学校に通っている。その学校とは、国立魔法学園。この国で生まれた子供のほとんどがこの魔法学校に通うらしい。私は今高等部の1年生。この世界では以前の世界と同水準の教育が受けれる上、魔法についても学ぶことが出来る。そんなことを考えていると同じクラスの美月和香織とその兄の美月和翔と顔を合わせた。

蓮斗「おはようございます。香織さん、翔さん。」

香織「おはよー!蓮斗!」

翔「おはようさん蓮斗。相変わらず礼儀正しいな。」

美月和香織は明るく素直、自由奔放といった印象を受けるがその兄である美月和翔は大人びており、今年高等部2年になる。

蓮斗「お二人は今日も一緒に通学ですか?」

翔「あぁ。うちの妹は1人にするとすぐどこか変な場所に行くからな。」

香織「ちょっとそれどー言うこと!?」

翔の言葉に不満があるのか香織は翔さんに食ってかかるが翔さんはそれを綺麗にスルーした。

蓮斗「では、俺もご一緒させてもらいます。」

翔「あぁ、お前なら問題ない。」

香織「そういえば朝のニュース見たー?」

私と翔さんが談笑していると香織が不意に話題をなげかけた。

蓮斗「ニュース、ですか?すみません、見てませんね。」

香織「だと思ったよー。」

香織がやれやれと言った感じの仕草を見せ私は少しムッとしたがそれを抑え聞き返した。

蓮斗「ニュースでは何を報道していたんですか?」

香織「それがさーなんか厄災を信仰するヤバい連中が居るらしいんだけどその人たちが近頃変な動きをしてるらしいんだよ。なんかどっかの国で厄災の力を使ってテロなんかも起こしてるらしいよ。」

厄災、この世界の枠組みから外れ圧倒的な強さを持つとされる怪物。私が生まれてはや15年、一度も侵攻が無かったため、その姿を見たことは無い。でも、そんな怪物には会いたくないものである。

香織「そういえば蓮斗ー、今日私たち特殊異能の検査があるねー。」

蓮斗「そうですね。どんな能力か気になりますね。」

特殊異能、それは人間がひとつ必ず持つとされる特別な異能。それは魔法とは別と考えられており、この国の守護者と呼ばれる荒山厳十郎は重力の特殊異能を持っている。正直自分がどんな特殊異能を持っているか気になるところだ。

そんな会話を交わしながら歩いていると学園に着いた。

蓮斗「じゃぁ翔さん、また後で。」

翔「あぁ。また昼飯の時に。」

そういい翔さんは2年の校舎に消えていった。

蓮斗「では、私達も教室に行きましょうか。」

香織「そーだね」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ホームルームも終わり私達は魔法実技室に来ていた。

先生「では、1人づつこのパネルに触れて魔力を込めてくれ。そうすれば自身の特殊異能がわかる。」

先生がそう言うと1人づつそのパネルに触れていった。続々と自身の特殊異能が分かった者達が増えて行き、この学年で1番と呼ばれる天羽綾人の順番が回って来た。

先生「天羽か、どんな異能か楽しみだ。」

先生がそう言い合図を出した。するとパネルが大きな光を放った。そしてパネルに書かれていたものは...

先生「改変、、、、」

改変とはありとあらゆるものを改変する事が出来る。言うなれば、神に選ばれたと言ってもいい代物だった。

天羽「改変か、まぁ悪くないな。」

そう言うと天羽はパネルから離れた。次は香織の番だ。

香織「よーし、行くぞー!」

香織は気合を入れてパネルに魔力を込めた。すると、

香織「え、」

パネルは黒い光を放った。これは今までになかった現象なのか教師達がざわつき、生徒たちも不安と言った様子だった。だが黒い光はすぐに止まりパネルに文字が浮かび上がった。それは

香織「同一、化...?」

そう言った瞬間教師達が香織に急接近した。そして驚愕のことを口にした。

先生「香織さん!あなたの特殊異能は、真祖のもので間違いありません!」

香織「え、真祖...?」

先生「えぇ!真祖とは深淵世界の王侯貴族の事です!そんな存在の特殊異能を持つなんて凄いことですよ!」

教師たちは興奮気味にそう言った。香織は何が何だか分からないと言った表情だが、悪いことでは無いらしいので胸を撫で下ろす。そして最後、私の番がやってきた。

香織「蓮斗ー!がんばれーーー!」

香織の声援は少々恥ずかしいが嬉しくもあった。さぁ私もやろうとなった瞬間、異変が起きた。

蓮斗「え...」

パネルに触れようとした瞬間パネルが崩壊したのだ。まるで長い時間外に放置され風化したかのごとく突然パネルが崩れて壊れた。訳が分からなかった。もしかしたら先程の香織達の測定でパネルの耐久値が0になったのか?そうも思った。しかし、

先生「祇梨くん...?君は今何をしたんだ...?」

その声で振り返ると教師と生徒がこちらを見ていた。まるで未知の存在を見るかのように。

蓮斗「あの、先生...?どうしたら、」

そういい私は皆に近づこうとした。その時、

先生「そこから動くな!!!」

先生の今まで聞いたことの無い大きな声で制止された。

先生「君を疑う訳では無いが、特殊異能の判別に使われる測定器をそのように崩壊させるのは、厄災と冠位だけだ!」

厄災と冠位。その名が出た瞬間私の体にまるで氷柱が突き刺されたかのような寒気がした。当たり前だ。厄災は世界に存在する全てのものを破壊するために存在し、冠位とは人がどれほど努力しても足元にすら及ばない正真正銘の神そのもの。私はその時点で皆から畏怖の対象として見られていることに気がついた。まずい、これは本気でまずい。そう思ったその時だった。

???「ありゃ、測定器壊れてるじゃん。何があったの〜?ん?君は、」

そうこの場には似合わない飄々とした声が聞こえそちらを振り向いた。そこには 、、、、

???「あれー?お前、清和の息子じゃーん。」

そこには白髪で、赤い目をした長身の男?が立っていた。何故か、転生する前にあったあの天廻龍と、似た何かを感じる。そしてこの男?が口にした清和とは私のこの世界での父親だ。

蓮斗「なんで、貴方が私の父親を知っている?そして、あんたは誰だ、、、!?」

そう問かけた瞬間後ろで物音がした。それを確認するため後ろを振り返った。そこでは、教師も生徒も全員が膝をつき平伏していた。その光景に唖然としていたが、この学園の理事長である型月周助と校長の芦澤桐乃が大急ぎでやってきて、皆と同じように片膝をつき話し始めた。

型月「これはこれは、覇王様、、、!今日はどう言ったご要件で...?」

理事長の額には大量の汗が滲んでいた。すると覇王と呼ばれた男?が話し始めた。

覇王「あー、今日はねこいつの父親からこいつの特殊異能についての説明を頼まれたから来ただけだよ。」

芹澤「頼まれた.....!?」

皆その言葉に驚愕しこちらに視線を送ったが、私自身も意味がわからなく固まっていた。そして覇王が話を続けた。

覇王「そんでこいつの特殊異能は、ありとあらゆる存在の物理、魔法の効果の無効化だ。まぁ簡単に言えば万象の拒絶だ。」

蓮斗「万象の拒絶...」

また大層な名前だと思ったがそれよりも気になることがある。それは、

蓮斗「それよりアンタ。覇王とか言われてたけど何もんだ?どっかの王様なのか?」

そう言った瞬間赤い目がこちらに向いた。後ろでは皆が動揺しているのか一切の音が聞こえない。

覇王「あの馬鹿、常識はちゃんと教えとけよなぁ」

覇王はそう言うと名を名乗った。

覇王「俺の名前が龍鬼阿修羅。冠位神威、覇王の称号を持っている。お前の父親とはいい商売仲間だ。あとそれと、天廻龍ってのにも会ったことあるだろ?そいつも冠位だ。言いたいことはこれだけだ。また何かあれば会うことになるだろう。じゃそういうことで。じゃぁな〜」

そう言うと龍鬼と名乗った男は姿を消した。何やらあの天廻龍といい覇王といい俺は冠位に何かしらの縁があるのかもしれない。

そう思いつつ後ろを向くと皆が驚いた様な顔でこちらを見ていて苦笑いが出た。

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