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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

クビノキリトリセン


 僕が子どもの頃、こんな話がありました。


 クビノキリトリセン


 その言葉を覚えていると、夜中にそれは現れるというのです。


 それって何かって?


 ちゃんとした名前を用意したいとは思うのですが、それはそれとしか呼ばれてませんでしたからね。強いて言うならクビノキリトリセン。としか名前をつけられませんね。それは現象や概念といったものらしいですから。


 さて、そんな怪異なのですが、子どもの僕が聞いたところによると、とある女の子に関わる怖い話があるんです。


 その女の子はミカちゃんという名前で、好奇心が旺盛な子でした。噂話なんか大好きでしたし、彼女がクビノキリトリセンを知るのも時間の問題だったでしょう。


 この怪異が何をするのかというと、その名前からして想像はできるでしょうが、夜中に現れて首を切るんです。名前を覚えているものの首を。


 こういう怖い話っていうのは怪異に対する対処法が存在するものなんですよ。口割け女にはポマードって唱えろ。みたいにね。


 それで、クビノキリトリセンにはどう対処すれば良いのかというと、夜中は首を何かで守っていれば良いんです。布団を首までかけていても良いし、首にマフラーを巻いても良いし、タートルネックの服を着ても良い。首を切るなんて物騒な怪異ですが対処するのは簡単なんです。


 ミカちゃんは対処法を知っていましたから、クビノキリトリセンの言葉を知った夜、彼女は首まで布団をあげて眠りました。足が布団から出ちゃってちょっと寒くはあったけど、首を切られないで済むなら我慢しようと考えたんですね。


 そして翌日、朝が来て、ミカちゃんは大量の血を流して亡くなりました。出血多量ってやつです。


 どうしてミカちゃんは亡くなったのでしょう。ちゃんと首を守っていたのに、どうして亡くなってしまったのでしょう。


 彼女は出していたんです。足の首、足首を。


 そうクビノキリトリセンは足首だって切るんです。手首だって切るんです。だから全ての首を守らないといけなかったんですね。


 さて、この話は怖かったでしょうか。夜が来るのが不安になってしまったでしょうか。安心してください。これは作り話です。口割け女と同じ。どこかの誰かが作った怪談話に過ぎないんです。


 でもね。驚かすわけではないんですが、こういう話には元となる何かが存在するのだと思っています。火のない所には煙が立たないっていうでしょう?


 だから足首を失ったミカちゃんは本当に存在したのかもしれない。


 あなたはどう思いますか?

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