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第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞

ポーカーフェイスな女神と終末のお笑いライブ

 (まこと)がアパートに帰ると、神を名乗る二人がそこにいた。

「何だよアンタら、不法侵入!?」

「あなたが……だんでらいおんの、大野(おおの)(まこと)ね?」

 一人は白い翼を生やした金髪碧眼の天使のような少女、名前はリーチェ。無感動な瞳を動揺する真に向けて言った。


 真は相方の(みのる)と、【だんでらいおん】というコンビ名で売れない芸人をやっている。(みのる)が書いてくるネタは『淀川の河童が恩返しに来た』『朝起きたら足がキャタピラになっていた』等々、奇抜なものばかり。

 しかし、真はそれを指摘することができず絶賛迷走中。


 そしてもう一人は白くて長い髪、髭、眉毛をモジャモシャと生やしたやたら背が低いお爺さんだった。少女の従者を名乗る彼は語り始めた。

「今日も地球のどこかで戦争により命が奪われ、環境破壊により多くの生物が絶滅の危機に瀕しておる……人類の手によって!」

「爺さん? ……急に重たい話を始めた!?」

「神々は罪深き人類を滅ぼすべきとする者と、存続させるべきとする者とで対立しておる。協議の結果、人類に試練を与える決断をしたのだ。

 人類の手により『神々の(おさ)の娘・リーチェ様を笑わせることができたなら、存続を認める』――と」

 リーチェは笑いという感情を持たずに生まれた。神々が手を尽くすも笑わせられる者はいなかった。そこで神々は人類に彼女を託すことにした。

「厳正なるくじ引きで人類代表に選ばれたのが、お主らじゃ。だんでらいおん」

「くじ引き!? 人類の行く末をいい加減な方法で決めるな!」


 いろんな話を一度に聞き、真の精神は限界に達し頭を掻きむしる。

「話が大きすぎて実感がない……。ドッキリか何か……そうだ、そうに決まってる! ほら出ていけ、警察呼ぶぞ!」

「信じられぬか? やれやれ仕方ないのう、――あれを見るのじゃ」

 従者は窓の外、夜空に浮かぶ満月を指差した。


 次の瞬間、――満月が弾け飛ぶように消滅した!


 翌日の朝。ニュースでも報じられ、世界中で大混乱が巻き起こった。

(俺らがウケなかったら、世界が滅亡する?)

 尻に火が付いた真は相方の実とともに、リーチェを笑わせるために、必死になってネタ作りに励むこととなった。

 極限の状況の中で、皮肉な事に【だんでらいおん】は芸人の高みへと駆けあがっていくのであった。


ジャンプSQの漫画「ショーハショーテン」と

なろラジの出したお題「ポーカーフェイス」というワードを

聞いて思いついたこの短編


こぼれ話は活動報告で!!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] だんでらいおんがリーチェを笑わせることができたのか? 続きが気になりました。 [一言] こちらも読ませて頂きました。 面白い作品だと思いました。
[良い点] Twitterからです(^^) テンポもとても良く、設定の内容までしっかり入ってくる書かれ方をされていて、面白かったです! [一言] 続きが読みたい!そう思えるような作品でした! だんでら…
[良い点] テンポよく、すらすら読めます。 [気になる点] リーチェさん、笑ってくれたんでしょうか。 [一言] もう少し、オチ的なものが欲しいかなと思いました。
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