ショッキングピンク椎茸
鮮やかだ。
絶対に毒がある。
そう思うくらいの、どピンクだ。
友達が出してくれた料理。
普段、料理をしない友達の料理。
しかも、かなりの時間を掛けてくれた料理。
どっちだ。
自然のピンクか。
後着色のピンクか。
珍しい椎茸だと言っていた。
色には、まだらな箇所はない。
でも、こんな椎茸知らない。
ピンクの着色料か。
自然の植物とかの着色料ならいい。
でも、人工的に作られた着色料は苦手だ。
どっちだ。
これは、友達の料理。
どっちでも、食べない選択肢はない。
「私のものも出来たから、食べようか」
「うん」
「いただきます」
「あっ、いただきます」
箸を持つ手は、進まなかった。
なぜなら、友達のものは、普通の色した椎茸だったから。
そして、食べているとき、友達の視線が、ずっと変わらなかったから。
こちらにある、ショッキングピンク椎茸に、友達の視線がずっとあったから。