神獣
大広間に着くと、兎がいた。
普通の兎がテーブルの上でふんぞり返っている。
「あ!!うさぎだ〜!!かわいいねえ!!」
「う、うさぎさん……!!」
愛佳と加恋がはしゃぐ。
「誰がうさぎだ!!そこら辺りの、下等な生物と一緒にするな!!我、神獣であるぞ!!」
「わ!!うさぎが喋った〜!!」
「だからうさぎではない!!」
兎はぷんぷんとしている。
「神獣様。失礼いたしました。この方々は異人であるゆえ、まだ何も知らないのです。どうかご無礼をお許し下さい。」
キンガールが深々と頭を下げながら言う。
「うむ。許してやろう」
「この方は神獣の琥珀様である。ワシなんかより遥かに偉い、伝説級の方なのだ」
キンガールが俺たちに説明する。
うさぎは苦しゅうないと言わんばかりに、偉そうにしている。その姿は普通に可愛い。
「神獣様、失礼致しました。どうかご無礼をお許し下さい」
僕はそう答えながら、深々と頭を下げる。
「ふむ。そこの若造は話が分かりそうだな」
神獣はこちらを可愛い目で見ている。
「この神獣様は、ステータスや適職などを教えてくれる、すごいお方なのじゃ。今回は皆のステータスや適職を教えてもらおうと思って呼ばせていただいたのじゃ」
「なるほど。僕たちの中に勇者がいると最初におっしゃられてましたね」
「はいは〜い!!でも、勇者は一人ですよね〜!!他の3人はどうなるんですか〜??」
「この中に1人勇者がいるのは確定なのだが、他の方々は普通の職業をいわれるだろうな。でも異人である故、パラメーターはそれなりに悪くないと思うぞ」
「誰が勇者か気になるな!!俺っちだったりして!!」
「いやいや〜私でしょ〜。女勇者!!かっこいいじゃ〜ん!!」
「み、湊君が勇者になって欲しいな……。で、私はそのお嫁さんに……。えへへ……」
「では、始めるぞ。この神獣様の頭に手をかざすのだだ。そうすれば、神獣様が適職とパラメーターを教えてくださるぞ」
順番で揉めてしまったため、俺たちはジャンケンで勝った順に教えてもらうことにした。