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ライバル

「ざっとこんな感じかな〜!!」

「ありがとう。助かったよ」

「いえいえ〜!困った時はお互い様だよ〜!!」

「うん。じゃあ手を離してもいいかな?」

「あ……!うん……。ごめん……」

 教室から手を引いて、ずっとそのままだったことに気づいた愛佳は、顔を赤らめる。


「全然だよ。小さい手で可愛いね」

 転校生が言う。


(そんなこと平気で言うか普通!?)


「ふぇ!?」

 顔がさらに赤くなる愛佳。


「わ、私教室に戻るね〜!!」

 愛佳がソソクサと行ってしまう。


「じゃあ私も授業前の準備で体育の先生に呼び出しされてるから、そろそろ行くね」

 加恋も、どこかへ行ってしまう。


 二人きりになる俺たち。


(はっ!!そうだ俺っちは転校生をボコすんだった!!)

 本来の目的を思い出した、俺っち。


「そうだ。まだ時間あるから、外に行こうよ」

 俺っちは言う。


「そうだね。最初から誘ってくれてたのに行けてなかったね。行こう」

 転校生が言う。


(馬鹿め!!これからお前はトラウマレベルの痛みを知るのにな!!)

 俺っちはニヤニヤ笑いながら、転校生と外へ向かった。


 ーー


「さて……。転校生君……」

 体育館裏に着いた、俺っちは手をポキポキと鳴らす。


「ここでなんの話をするんだい?」

 転校生は不思議そうな顔をする。


「話なんかねえよ……。ただお前が気に入らなくてなあああああ!!」

 俺っちは転校生に思いっきり、殴りかかろうとする。

 しかし、転校生は俺をお構いなしに、武道場方面に走っていく。


「な!!逃げんな!!」

 俺っちは転校生を追いかける。


 ……!!


「や、辞めてください!!だ、誰か……!!」

「グヘヘ……。こんな所誰も来ねえよ……。」

 そこには体育教師と加恋がいた。


「……!た、助けてください!!」

 加恋が転校生に助けを求める。

 俺っちは信じられない光景を目の当たりにして、足がすくんでしまった。


「な!!こんな所に人が来るとはな……。しかしクソガキじゃ俺に敵わねえよ!!」

 そう体育教師が言い放ち、転校生に殴りかかろうとする。


 転校生はそのまま殴られた。


「手も足も出ねえよなあ!!こんな貧相なガキじゃ俺に敵わねえよ。」

 転校生は殴られ続ける。


「……!!」

 俺っちが何とかしなくちゃ。

 俺っちは、近くにあった大きめの石を持ち上げる。


「転校生えええ!!しゃがめええええ!!」

 そのまま石を投げる。

 転校生は俺っちの指示通り素早くしゃがみ、投げた石はそのまま体育教師に当たる。


「今だ!!」

 そのまま二人掛かりで、体育教師を押さえつける。


「姫野さん!!他の教師を呼んでくれ!!」

 転校生は加恋にそう言い、加恋は走り出す。


 ーー


 やがて、体育教師は逮捕された。


「転校生の人……。いや、ゆ、ゆ、結城くん……!ありがとう……!!」

 加恋は泣きながら、転校生に感謝する。


「湊でいいよ。あと、助けたのは、筑波くんの力もあったからだ」

 転校生は俺っちの方を見て笑う。


「……!!」

 俺っちは驚く。そして自然と涙が溢れる。なぜだか止まらない。


 ……。

 なるほど、俺っちは寂しかったんだな……。

 本当はどこかで誰かに認めて欲しかったからかもしれない。


「転校生……。いや、湊……!!今日からお前は俺っちのライバルだ!!」

 俺っちは転校生を見て言った。

 湊も加恋も湊も不思議そうな顔をする。


「ハハハハハ!!分からないんならそれでいいんだ!!」

 それから俺っちは暴力を辞めた。


 そして愛佳、加恋、湊と俺っちの4人で学校生活を謳歌する。

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