アホの子
「ぐが〜く〜 ぐが〜く〜」
ちょっとだけ 困った顔をした勇者
キャラバンの部屋の前で、イビキの音で固まる
しばらく考え込んだ後
「ん〜 まぁいっか」
外に出て【 閃雷陣 】で王都へ戻るヤマト
要は【 黒猫勇者の宅急便 】である
行商ルートが、まだ復旧出来ていない今、
朝一で2往復分だけ
商人2人と行き来していたのだが
2人とも来ないので
「あれ〜おかしいな」と迎えに行ったら
大イビキが聞こえたので
起こさずに1人でそのまま来たのである
「仕方無いよね」とか言っている
商人ギルドの商人
「アレ?サクラ達はどうした?」
「今日は、1人です」
「今日の荷は、重いぞ大丈夫か?」
ヤマトは、ちょっと考えてから
「2便は2人できます」
100キロ近い荷物4つ
60キロ近い荷物2つだった
これを見て、なごには無理だと判断
「やっぱり 1人できます」
「待っててください」
そう宣言し「ぐぬぬっ」
100キロの荷物を一つ持ち上げ
【 転移魔法 閃雷陣 】
稲妻と化し、陸の都(仮)へ戻る
実はこれ着地が大変である
今まで、何も言わずに調節しているが
着地寸前で【 閃雷陣 】をキャンセルし
魔法力を使い皆を浮かせてブレーキを掛ける
でゆっくり降りるのである
こうしなければ、飛翔鳥の翼と同じ
ドスンと落ちてみんな怪我をする
覚えたての頃、ドスンドスンと降りていたら
なごが痛そうだったので、工夫して覚えたのだ
荷物が軽ければ問題ない
この重さで、万が一失敗すれば
足の骨は砕け、二度と歩けないだろう
最初の頃 言っていた
【 閃雷陣 】でルート輸送大変なんです、
と言うのは、このキャンセルとブレーキの事
人数増えれば、荷物が重くなれば
飛躍的に消費MPは増える
と言うか厳しい精度が必要になる
つまり本気の魔法修行である
馬車とかどうしてるんだろう?
普通に死ぬよね?
どこかで声が聞こえた気がする
死ぬはず 生きてる方が変
船が飛ぶとか意味不明
まぁこの話では関係ない
ヤマト、荷物を領主に届ける
【 閃雷陣 】荷物受【 閃雷陣 】届ける
【 閃雷陣 】荷物受【 閃雷陣 】届ける
【 閃雷陣 】荷物受【 閃雷陣 】届ける
【 閃雷陣 】荷物受【 閃雷陣 】届ける
【 閃雷陣 】荷物受【 閃雷陣 】届け・・・
「もっもっだめ」
ヤマトは、目を回して倒れた
転移門と領主の屋敷が遠いのがかなり効いた
何気に、1km近くある
修行どころか拷問に近い
もしコレをサクラさんが、見つけなければ
黒猫勇者の宅急便が
勇者の熱中症で終わる所だった 惜しい
イヤイヤ危なかった
続く
宅急便で終わってどうする
ツッコミ来そうなので
ヤマトはともかく
今後は馬車で領主が転移門まで
荷を引き取りに来てくれる事になった
一応 半日の絶対安静を言い渡された
ヤマトだがそもそも動けない
頑張り過ぎである
続く