元戦士のケジメ
戦士ギルド前
木刀を腰に、二本差ししたキャラバン
変わらないのは外見だけらしいが
・・・むせ返る様な酒の匂いだ
流石に信じたくなかったのだが、
どうやら噂は本当らしい
「よぉ 裏切り者じゃね〜か」
「別に用はね〜ぞ 帰れ帰れ!」
「お前ら、助けを求めていた
商人達を見殺しにしたらしいな」
鷹の様に鋭い目つきで酔った人の形をした物を睨む
「あ〜 なんか居たなあ 聖騎士の奴らは、
間に合わなくてすいませんとか言ってたな〜ぁ」
「鎧が重かったんじゃね?」
ゲラゲラと下卑た笑いが響く
「屍は返事しね〜ぞ」
「良くわかった」
「俺の獲物は返して貰う、ココには過ぎたものだ」
「はっは〜 返してほしけりゃ、俺達全員たお」
最後まで言わせなかった
喉を突き、壁までふっとばす
「最初からそのつもりだ」
「全員、今日が最期だと思え」
全て喉や首を狙った攻撃である
しかも壁までぶっ飛ばすほどの威力だ
仮に生きていても後遺症は免れない
全て殺すつもりの攻撃である
・・・・・
しばらくすると静かになった、終わったらしい
その数分後
「あ〜あ 派手にやったわねぇ」
サクラが入って来た
その辺に散らかった、人の形をした物を見て
ヒョイ ヒョイっと避けて奥へいく
「ハイこれ」
「意味なくなっちゃったけど」
渡された紙をナナメ読みし
「だろうね」
サクラにそのまま紙を返す
その紙は国王の令状であった、内容はこうだ
陸の都(仮)の戦士ギルドを解体する
全員捕縛の上、極刑とする
要は全員、死刑確定である
助けを求める商人達を、見殺しにした上
荷物を奪い続けた罪と言う所だろう
「この仕事こそ、商人の仕事じゃ無いがな」
「元所属ってだけさ」
「どっちが裏切りものだよ」
領主が警備兵を連れてやって来た
令状を渡し状況だけ告げる
意外な事に、領主に礼を言われた
流石の領主も、こいつ等とは関わらなかった様だ
当たり前である
この世界で商人ギルドと敵対すれば
武器はもちろん食料も物資も届かなくなる
つまり 国が滅びる事もある
大袈裟に聞こえそうだが、ココの物流が復活すれば
その先の街が国が、滅びずに済むかもしれない
人が飢えずに済むかもしれない
この繰り返しが交易であり
商人の仕事である
・・・・
「で? それがそうなの?」
キャラバンが肩に背負った蒼い大斧を見て言う
「ああ そうだ」
「確かに 凄そうだけど」
両手斧で青い両刃の中央に
大きな魔石が埋め込まれている恐らく魔法斧だろう
「ああ コイツは凄い」
「レベル制限だっけ」
「80・・・85だな」
「重いからってのもあるが、俺が置いた位置から
1ミリすら動いて無かった」
「使える人が居れば、助かる人も居たのかもねぇ」
「あの数のゴミが合っただけ、無理だろうな」
「ちょっと飲みたい気分なんだが」
「付き合わないか?」
「私は飲むわよ〜?」
「奢らせてください お姫様」
「乗った」
続く