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黒猫勇者の宅急便  作者: X10AQUA
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ヤマトってヤツは

この当たりは森の迷宮らしい


ヤマトのヤツがルートを確認し

メモってるし要所の木に、ナイフで印もつけている


ここの木が全部、

樹木系のモンスターだった、なんて事でもない限り

いずれ砦は見つかるだろう


それにしてもヤマトのヤツ、無茶しやがって


アイツの篭手から血が垂れて来て

嫌な予感はしたが


あいつの体、痣どころか血まみれじゃね〜か

「なごが見たら驚くから」


じゃね〜よ

「死ぬぞっ」っても


「大丈夫です 中級回復魔法がまだ使えないから

 完治しないだけで 折れてません」

「もう少し行けます」


だとぉ


頭から足先まで鎧で隠す訳だ、

壁役やった経験もないくせに無理しやがって



「止まって下さい!」

「その木の奥、砦が見えます」

ヤマトが森の奥を指さして言う


「どうするつもりだ?」

多少怒気が混ざる無理したら止めるつもりだったが


「もちろん戻ります」  

「万が一樹木系モンスターに通路をいじられても 

 山の位置は、変えられませんからね」


「戻るんだな?」


「はい!」

「全員万全の状態で 明日突貫です」

少しホッとしたキャラバン

サクラも気が付いていたのかホッとしている様だ


【 転移魔法 閃雷陣! 】

あっと言う間に陸の都へ付いたヤマト達


しかしこの後のヤマトの行動がさらに

キャラバンを怒らせる事になる



一時解散後

キャラバンは装備品の確認とアイテムの補充を兼ね

まともになった道具屋の価格を見て回っていた


すると道の反対側を鋼の鎧が歩いていく・・?


どう考えてもヤマトだろアレ


どこ行くんだ?

回復まだじゃね〜の??


なんとなく後をつけてみるキャラバン


なんだ???

何処へ行く???

どんどん奥の方へ行くぞ??


角を曲がって〜 西部劇に出て来そうな

寂れた店に入って〜いくぞ??


看板が壊れかけてて読めない

クル ? クルセ

クルセダーギル???


ああ 聖騎士ギルドね 

なんだ? 聖騎士ギルドに何の用だ??

いまさら護衛の依頼でもあるまいし


勇者は転職できないはずだが??


そ〜と中を覗いてみると

ガタイの良い隻眼の騎士に、

ガハハと笑いながらガシガシ背中を叩かれている

鋼の鎧じゃなかったヤマトくん

そのままギルドの奥へ入って行った


しばらくすると


「お願いします」

「覚悟は良いな 行くぞ!!」


ガギーン ガーン


「違う!正面から受けるな!腕が折れるぞ!」

「はい!!」


「斜めに受けて下へ落とすんだ!」

「盾の向きに気をつけろ」


「はい!!」


覗いてみると

先程の隻眼の騎士がヤマトに攻撃し

ふっ飛ばされては立ち上がり

ふっ飛ばされては立ち上がりを繰り返している


あのバカ!

まだ回復もしてないはずだろ

一瞬止めようとして立ち止まる


マテ ちょっと マテ 

コレっていつからやってるんだ?と考え出した時


「アナタも見ちゃったんだ」

と話しかけられる、サクラだった

「最初かららしいよ」


「最初から?」


「そっ 最初から」

「時間的には〜鋼の鎧を装備する前だから

 一日目の後、戻ってからかな」


「・・・」

沈黙するキャラバン


「最初は凄い怒ったらしいの彼ら」

「勇者に盾が務まるか!」

「本職ばかにするな!!ってね」


「だろうな・・・」


「だけど 結局彼らが折れたらしいの」

「仲間を守りたい!絶対に死なせたくないんです

 お願いします!」


「だって」

「それって聖騎士の彼らと同じだもんね〜 

 断れないよね〜」



「そうかもな」



ガギギギィーーン ドーン



盾で何かを受けたような音が鳴った

直後にソレを地面に叩き落とす様な音がした



「そうだ!! それだ!」

「次いくぞ!!」


「はい!!」



チラッと後ろを確認して

「彼ね、隻眼の彼なんだけど」

「最初一番怒って馬鹿にして叩き出して

 追い出そうとしたんだって」


「マジか」


「それが今や 一番熱心に教えてるんだって」


「だからなんだな、

 最初動きがクッソ素人っぽかったのに」

「今やまっとうな盾職だからな」


「ホントね」


「正直いないとヤバイ」


「本当は否定しないといけないんだけど」

「そうなのよねぇ 困った事に」



すっ・・・踵をかえすキャラバン


「どこ行くの?」


「ん〜 戦士ギルド、野暮用さ」


「フフッ カッコイイよ」


「ウルサイ 破門された身だ期待すんな」

「そっちはどうするんだ?」


「私は〜」

すっ 


「ちょ マジかよ嘘だろ」


「残念ながら コレは本物なのよねぇ、

 と言う事だから」

「私は、ヤマトくんのアノ荷物を何とかする」


「要りそうな物は最善の物にする」



「ああ 任せる、すまん」



「ヤレヤレこれじゃ

 俺が一番カッコ悪いじゃんか」

そう言いつつ気合を入れ直す

キャラバンは、武器屋に向かって行った





続く

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