折れたのは
「痛たたたっ」
起きようとして悲鳴を上げるヤマト
肋骨が折れてるらしい、脇腹に激痛が走る
ここは〜見回すと宿屋のベッドの上か?
「気がついた?」
なごが回復魔法を掛けてくれている
「骨折は、ゆっくり治さないと、
後遺症出るから寝ててね」
少し嬉しそうな、なごに再び度寝かされる
武闘家に、カウンターで膝を喰らったらしい
こっちはそのまま倒れ
向こうは最後まで立っていたが、
その後、バッタリ倒れて教会送りになったらしい
(シスターの回復魔法待ちってやつです)
「お前が負けるなんてな、
あっさり勝つと思ったんだが」
キャラバンさんに、思いっきり意外だったぜって顔をされてしまった
「う〜ん ごめん、カッコ悪い、手加減した?」
サクラさんにまで言われた
「??」
なごは、人相手の戦いを、見た事が無かった為か
首を傾げている、良く判っていない様だ
話を少し巻き戻す
最初の砦攻略開始時
いつも通りと言っても
通常のヤマトの荷物の多さに怪訝な顔する商人二人
普通の感覚なら、
キャンプじゃないんだから多過ぎ!
そう突っ込みを入れる量ではあるが、コレ中身は
全部皆の食料と回復アイテムだったりする
その二人を、なんでそんな顔するんだろう??
違う意味で怪訝な顔するなご
ヤマトの荷物の量を見慣れている為、
何が変か判らないらしい
商人二人は勿論、自分たちの分+位持っている
しかもこの2人は解除組
つまり
大戦斧または、火炎鞭が使える職業を、
レベル99まで上げてから商人になっている
今の職は商人でも戦闘のプロに匹敵する
これを逆に解釈すると
素の商人は、
弱すぎて仕入れに支障が出る事が多く、
死亡率も高い
だから本気で商人を目指す人は
まず最初に、戦闘職をレベル99にして
使いたい装備の制限解除を目指す人は多いと言う事
ただし『 そんな事が出来るならば 』だが、
カンストなんて簡単には出来ない
だからこそ解除組は、人数が少ないのだ
そんな2人をしてもヤマトの荷物は異様に見えた
もっとも砦の攻略中に見慣れてしまうのだが・・・
砦攻略 1日目
荷物はともかく
この時のヤマトの装備はまだ
鋼のツルギ
鉄の鉢金
鉄の胸当て
鉄の盾
お手本の様な勇者の装備だった
所が、まだ砦が見つからず
しかも日も沈んでいない時にヤマトは
「一度戻ります」と宣言
「えっ行けるでしょ?」
「むしろ余裕じゃね?」
そう言い出した商人2人の意見を聞かず、
転移魔法の準備をするヤマト なごだけは
「はーい」
いつもの事だからといった感じだ
「戻りますよ〜」
慌ててヤマトの服を掴む皆、それを確認すると
【 閃雷陣! 】
陸の都(仮)にサクッと転移魔法で戻った
ヤマトは転移門に皆を降ろすと
「大変申し訳ありません、装備を整え直します」
「明日もう一度同じ時間で、お願いします」
そう宣言してささっと居なくなってしまった
・・・
次の日 同じ時間に集まって
ヤマトの装備を見た商人二人は固まる
騎士盾×2(1つは荷物に付けてある)
鋼の兜
鋼の鎧
鋼の篭手
鋼の脛当て
変わらないのは
鋼のツルギだけである
ガッチガチの盾装備
当然キャラバンさんとサクラさんは、大笑い
「マジかよ」
「熱くない?大丈夫なのそれ?」
商人2人は半笑いで砦探索となったのだが‥
いざ戦闘になって見ると
ヤマトが正しい事を思い知る事になった
なにしろ、ダメージが来ない
いやそれ処か、モンスターの攻撃が来ない
正確に言うと、ダメージを受けそうになると
いつの間にか隣にヤマトが居て、盾で受け止めてる
多少タイミング合わず
ヤマト本人は、ダメージ受けているが
これじゃ完全盾職である
その上ガチ盾装備なので、
ダメージが少なく、なごへの負担も少ない
つまり
本来のヤマトパーティは
戦士(盾)
勇者(攻撃 弱回復)
僧侶(支援 強回復)
魔法(攻撃 範囲魔法)
これが普通のバランス良いパーティ
昨日のパーティは
勇者(攻撃 弱回復)
商人(攻撃 強単体)キャラバンさん
僧侶(支援 強回復)
商人(攻撃 強範囲)サクラさん
コレだといざとなると、回復が足りなくなる
今のパーティ
勇者(強盾 弱回復)
商人(攻撃 強単体)キャラバンさん
商人(攻撃 強範囲)サクラさん
僧侶(支援 強回復)
これだとヤマトが、完全に盾職をやり切れば
3人とも楽になる
「マジかよ」
「商人って基本ソロ職だから〜」
キャラバンさんの言葉を遮り
「こんなに 楽に戦える事はない?」
サクラさんも驚いている
頷くキャラバンさん、そしてもう一度
「マジかよ」
ガギーーン
キャラバンさんのすぐ横で、スゴイ音が鳴る
思わず身をすくめて、音の方向を見ると
ヤマトが魔物の斧を受けている
「危ないですよ」
「すまん ここからはマジで行く」
コイツ マジで良く見てる
これじゃどっちがレベル上かわからん
続く