第二話 そして彼は創り始める
助けてください章を新しく付けれないんですなんででしょうか?
章管理で新しく章を作成するのところで、《章作成》のボタンが反応しないんですなんででしょう?
端的に言おう。そこには、何も無かった。
俺達が立っている場所。
恐らく、ここも場所なんてものじゃない。
女神が言っていた意味が理解できた。
ここには、本当の意味で何も無いのだ。
どんな概念も存在しない世界。多分、今いる場所から外れれば、俺は死ぬ、そう予感させる空間だった。
「本当に、概念すらもない世界、か。」
「はい、次は…」
「まぁ、あとはだいたい分かる。こと細く説明する必要は無い。」
「了解しました。」
俺は《迷宮聖典》を開き、《概念生成》をなぞる。
そして、この亜空間に《原子》《物質》《時間》《空気》《重力》の概念を追加する。
あいにく俺は別に世界について詳しいわけでもなんでもないので、とりあえず思いついたものを追加した、という感じだ。
「マスター、《グライスの概念》と念じれば、元の世界の概念を生成することが出来ますよ。」
「あぁ、そうだったのか。楽でいいな。」
早速、追加する。
「これからもどんどん気になったら言ってくれ。」
「了解しました。」
「よし、じゃあとりあえず《時間》という概念を取っ払うか。」
「は?」
「は?って。時間、止まらせるんだよ。」
「いえ、それだと恐らく外に出た瞬間私たちは動けなくなりますが…」
「そうか…じゃあ、《加速》《減速》《一時停止》《外の時間とは違う時間軸》の概念を追加だな」
「えっと…何をなさるおつもりなのでしょうか?」
「ん?俺のぐーたら室を造り上げる。」
「はいぃ?」
「まぁ、見てなって。」
~1時間後
「ふぅ…」
俺の超大作が完成した。
なんと、重力が現実の六分の一つまり月と同じくらいで好きに移動することが可能。
浮かせることも自由で、この空間にいる限り俺は動かないでも遠くのものを取り寄せてきたりできるのだ!
やったね!
「…あそこまでやる気がなかったのに、急にやる気が出たと思ったら…なんですか、この怠惰な空間は…」
「俺がやる気出すのは楽するときだけだ。」
「はいはーい!女神様とっうじょーう!よしよし、使い方は分かったねー?」
ちっ、急に現れんじゃねぇよ。
「んー?暴言が聞こえた気がするなー?私は直ぐにでもこの空間を破壊することができるんだけどなー?」
「すいませんまじそれは勘弁してください。」
ごめんなさいでした。マジ勘弁マジ勘弁。
「もー!しょうがないなぁ!じゃあ、早くダンジョン創ってね?」
「…正直めんどーー」
「あっれー?おっかしーなー?幻聴かなー?そんなこと言われたらぁ、ついカッとなって破壊しちゃいそう、だなぁ♪」
「やります。今すぐやりますので今すぐどっか行ってください!」
「ふふっ、じゃ、まったねぇー。ち、な、み、にぃ…」
「逃げたらどうなるか、分かってるよな?」
ものすごいプレッシャーがのしかかる。
こりゃダメだ。逆らったら死ぬな。
すごく面倒だが、これはやらなければならないことだなぁ。
「じゃ、ばいばーい」
さて、ダンジョン創るかぁ。
~
「では、まずは新しい亜空間を。」
「おっし、じゃあ飛ぶか。」
慣れた手つきで転移をする。
そこは、初めの空間と同じように何も無い空間だった。そこに、概念を追加していく。
「今回はガチで作る。《グライスの概念》は突っ込まない。」
「それは、時間がかかるのでは…」
「後で削ぎ落とすか追加していくかの問題だ。大して変わらんだろ。」
「そう、ですか…では、頑張ってみてください」
「よーし…じゃあ、まずはっと…《原子》《物質》《質量》《重力》《時間》《空間》《空気》《生物》《生命》《人間の寿命》《魔素》《魔力》《魔法》《物理法則》《音》《光》《闇》《色》《神経》《死》《人体の性質》…」
~一時間後
「すまんやっぱ無理っぽい。《デリート》」
俺はここで諦め、初めて《迷宮聖典》で亜空間を削除する、《デリート》を使用する。
これ、間違えてあの部屋とかこれから作るダンジョンを削除しちゃったら大変だよな。
気をつけないと。
「じゃあ、改めまして。《グライスの概念》」
「初めからそうしてくださいよ…」
そうやって文句を付けてくるのは有能なんだかどうなんだか分からないミレイ。
あいつ、俺が四苦八苦している間ずっとソファに座って眺めてやがったからな。
「まぁ、一時間も悩んでいる根気強さには感心しますが、私の言葉をちゃんと聞いていれば良かったんですよ?」
「へぇへぇ。わるぅござんした。」
「さぁ、さっさと創ってください。」
言われなくてもやるっつうの。
しょーがないので本気でやることにする。
俺は、やらなくてもいい時にはやらず、やるべき時にのみやる派だ。
今は、急いで作らないとミーゴンに殺されそうなので本気でやることにする。
見とけよ、お前ら。
~
「ふぅ…よし、完成だ。」
「うわぁ…激ムズじゃないの…」
もはや敬語はどこかへ知らない子。
「まぁ、俺のダンジョンってまだ一層しかないからな。この難易度でも割と譲歩した方だ。」
「でも、次の層を作ればこれが、最上層。つまり第一層になるのよ?こんなのでいいの?」
「あぁ。その代わり、強い防具や強力なスキルを覚えることが出来るアイテムをちょこちょこ配置してカモを吊る。確か、お前の説明だと俺のダンジョンが殺した数だけダンジョンのレベルが上がり、もっと凄いダンジョンを作れるんだろ?」
「そうよ。でも、これだとやっぱり初めは誰も入らないんじゃないかしら…」
「大丈夫だ。まぁ見てろって。」
俺は、ダンジョンの入口を現世に出現させた。
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