第一話 そして彼は創世す
2話目でーす。
他作品の更新は忙しいので、ぱぱっと書けるこれを更新しております!
他作品を楽しみにしている方はもう少々お待ちください。
また、これを読んでいてくれている方も、他作品も読んでみてもらえると嬉しいです
「大丈夫です。材料は女神様により揃えられているので、あとはマスターの魔力だけです。」
「魔力?」
そういえば、魔法があるんだったな。
「はい。魔力について軽く説明しておきますと、魔力は空間中に漂う《魔素》というものを生物が吸収し、無害なものにしたものです。」
「つまり、魔素は有害だと?」
「はい。しかし、人族は皆魔素を分解することが出来るので実質無害です。ですが、魔族と呼ばれる種族の者たちは魔素を直接使用することが出来ます。魔力は、魔素を分解した際に少なからずエネルギーが削がれてしまうので、魔族の方が一般的には魔法の扱いが上手く、寿命も長いと言われています。」
「魔法ってのは?」
「未だ完全には解明してはいませんが、一般的には魔力を変質させ、物質や法則に直接作用させる術だと言われています。」
「分かった。ありがとう。」
どうやら、この世界は結構本格的なファンタジーらしい。思ったよりも魔法の幅が広そうだ。
「魔力ってのは、俺でもあるのか?」
「はい。そりゃもう、膨大に。」
「へぇ?」
「百聞は一見にしかずです。早速必要なアイテム…《迷宮聖典》を作ってしまいましょう」
俺は、彼女が…そういえば、名前を聞いていなかったな。
「名前ですか?ミレイです。」
ミレイだそうだ。そのミレイが俺の前に並べていく物に目をやる。
「これが、必要なものです。あとはマスターの魔力だけですね。」
それは、淡い光を放つ石ころ、威圧感を放つ毛皮っぽいもの、なんだか神々しい紙、ものすごいプレッシャーを放つ毛、中に浮いている黒いインク?の塊だった。
なんでインクっぽいものが浮いているのかは知らないが、どれもこれも凄そうだ。
「これだけのアイテム、普通に集めたらSランク冒険者でも2年はかかりますよ…」
Sランク冒険者ってのがよくわからんけど、やっぱり凄そうだ。
「さて、じゃあ早速やるか。」
「はい。では、まずは手をかざして目を瞑ってください。」
そう言われ、言われた通りにする。
「そうしたら、体内を流れるなにかを感じてください。」
俺は、集中する。
その時、それを掻き乱すかのように思考の渦が展開される。
『なんでこんなことしてるんだ?』
『面倒だ。やめてしまおう。』
こんなふうな思考が俺を更なる深い思考に誘ってゆく。
俺は、なんでこんなことをしているのだろう。
多分逃げることは出来ない。
拒否権もなかった。
でも、進んでやっているし嫌な気もしないのは何故だろう。
確かに、俺は面倒くさがりだが決してやらなければならないことを怠るつもりは無い。でも、これはやらなければならないことなのだろうか?
今はまだ分からないな。
そうこうしていると、体を流れるなにかに気づく。
俺は、それを右手に集めていくイメージを形作った。
「ッ!?は、初めてでここまで…!下手したら三日はこの練習かと思っていましたが、素質というのがここまでとは…!」
横でミレイがごちゃごちゃ言っているが、早く次の指示をして欲しいな。
「すいません、それであっています。では、次は目を開けて空気を這わせて魔力で物を連結するようなイメージで…」
俺は集中力を高め、魔力を可視化しようとしてみる。
案外簡単に出来た。
なら、俺はそれをものとものとの間に紐で繋げるようにすればいい。
すると、物を全て繋ぎ終えた時、眩い光が発せられた。
その光が収まった時…
神々しいオーラを放つ1冊の本が出来上がった。
~
「凄いですね…こうもあっさりと…初めて魔力を認識したというのに…」
「まぁ、何とかなったな。で、次は?」
「はい、では、ダンジョンクリエイトを持って見てください。」
俺が《迷宮聖典》を手にすると、浮いていたエネルギーが霧散し、ずっしりと重みを感じる。
色々なページがあるみたいだ。
「さすがです。《迷宮聖典》は使用者の魔力によってページ数が変わります。まだ魔力を持って間もないのにこれだけの分厚さが出るのは、すごく稀なことですよ。」
「まぁ、嬉しいっちゃ嬉しいかな。」
「では、次は《ダンジョンクリエイト》と唱えてみてください。」
言われた通りに唱えると、《迷宮聖典》が輝きだし、バサバサと本が開かれた。
「次は《亜空間創世》と書かれた文字をなぞってください。」
なぞると、《YES/NO》というゲームのログイン画面見たいのが出てくる。
「YESをタップしてください。」
タップすると、《創世が完了しました。》と出た。
「では、早速行ってみましょう。《亜空間転移》をなぞってください。」
そう言われ、少しワクワクしながら文字をなぞる。
と、俺達ふたりは亜空間へと転移した
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