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枕の下に 希望の上に(9)

懐かしさの痛み

首の後ろから

取り外した記憶は

外付けHDDの中で

今も変わらないまま

いつか

思い切り壊す日を夢見て

部屋の隅に置いている

埃が溜まっても

知った事では無い

どうせ

壊してしまうのだから




日常を過ごして

いつの間にか

忘れてしまった

あの四角い箱

部屋の隅には

もう無かった

燃えないゴミで

出してしまったのか

今となっては

どうでも良い事だ

振り返る必要など

何処にも無い




また抜き出す事が

必要になった

首の後ろから

取り外した記憶は

新しい外付けHDDに

入っていく

全てが終われば

部屋の隅へ

同じように放置した




結局のところ

これを繰り返して

忘れた物は

数知れず

情報 記憶 映像 思い出

ツギハギだらけの

意識の中

誤魔化しだらけの

会話の中

有耶無耶で流れる時間に

何も無い




古い方の外付けHDDが

ゆっくり起動する

ファンの音が

部屋に響いて

埃を飛ばす

未だに要らないと思う

だけど

今さら必要になる

一度に入り込む

情報量としてのバイト数は

置いてきた日々

見ながらチクリと

胸を刺す










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