002
「しかし、薬師って言っても 何すればいいんだ。そもそも道具も材料もねぇょ。」
今あるものは、草の汁がついたスーツと神様印のスマートフォンのみである。
「とりあえずそこら辺の草を集めてみるか、もしかしたら材料になるかもしれないし」
三十分ほど薬草採取という名の草むしりをした。
「適当に片っ端から引っこ抜いたから結構な量になったな。草の山ができたよ。とりあえずこれから完治しようかな。」
何気なしに上のほうの草を鑑定してみた。
”鑑定”
ラリリ草
毒草 食べると幸せな気分になれるが、確実に体をむしばむだろう
幻覚作用 依存作用 虚弱
思わず地面に叩きつけてふみにじった。
「初っぱなから、ヤバいもん見つけたよ、おい!次だ次!」
"鑑定"
ナオリ草
薬草 食べても塗っても効能がある
止血作用 痛み止め
「おっ!なんかそれっぽいのが出てきた!しかし、食べても塗っても効くってすごいな」
その後鑑定し続けた結果。
ラリリ草×152
ナオリ草×98
ヤバ草×15
カタマリ草×286
ハッカ草×24
ホゾン草×68
「カタマリ草だけがすっげぇ多いな、禁断のラリリ草も多いし。」
「ヤバ草って名前からして完全に毒草やな。」
"鑑定"
ヤバ草
毒草 食べると吐き気、悪寒が症状としてあらわれるが、致死性は、低い。使い方によっては、毒消しになる。
吐き気、悪寒
カタマリ草
薬草 粘り気が強く良く繊維を切ってすりつぶすとかたまる。
保存持続
ハッカ草
薬草 ミントのような花に抜ける臭いがする。摂取し過ぎると、お腹を壊す。
殺菌作用 弱毒
ホゾン草
薬草 虫除けの効果がある。幅広の葉っぱは、食べ物を包むのにも使われる。
虫除け 防腐
「結構いろいろな薬草やら、毒草があるんだな。一応ラリリ草含めてストレージにいれておくか。さて、最後にこの明らか毒がありますよーって感じの派手なのはなんだろか。」
"鑑定"
スゴ草
薬草 とても美味し薬草。体にとってもいい気がする。
食用 効能特に無し
「……おい!ただの食用の草かよ!」
そっとストレージにしまった。昼飯get!
「しかし、鑑定ってすっげぇ便利だな。良くテンプレで出て来るだけあるよ。」
「材料は、揃ってきたな!でも、まずは、人里に行きてぇな。」
太陽が傾いて来たときようやく草原以外の景色が見えた。思わずそれにめがけて走った。
しかし、それは人里ではなくだだの大きな岩だった
「マジかよそりゃねーよ。もう暗くなってきたしどうしよう。ここで朝まで休むか、それとも夜通し歩くかだよな」
まず、朝まで休むを選んだ場合は、この岩の根元で何とか休めそうだ、気温もそこまで寒くはない。しかし、今まで野生の動物に会わなかったけど襲われたらひとたまりもないだろうな。
もうひとつの、夜通し歩くというのは、すぐそばに人里があればいいがなければただ体力を消耗するだけだ。
「ここで休むか、もう夜だし人里があったとしても夜に入れるか分からないしな」
とりあえずここで一晩明かす事になったが、いくら疲れていようが暗闇のままで寝ることの危うさはわかる。
「まずは、火だな。確か、調薬を持ってるから生活魔法使えたよな、全然練習してねぇな。どうやって使うんだ?」
無言で回りを見渡し人が居ないこと確認。
居ない。よし!
「ファイヤーボール!」
……。
「うん、そんな気はしてた。」
「ファイヤー」
「バーニング!」
「メ〇!」
「着火!」
ボッ!
「着いた!着いたけども!呪文とか、必要なかったな…。恥ずっ!」
「そこら辺の枯れた草をいっぱいいれてっと。あっ!燃え広がらないように回りの草抜いておくか」
もう慣れたものではいペースで草をむしっていった。
「よしっ!これで大丈夫だろう!」
「次いでだし少し薬作ってみるか」