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一服くゆらせ候

電書ハウツー

作者: YGR48

 これを執筆している時点で、筆者の電書生活はちょうど一ヵ月。買った電子書籍は五冊。

 こんな初心者でも、いえ、だからこそ「自分も電書を使ってみたいんだけど、よくわからなくて……」という知人二人と、作中の知人のために分かる範囲でアドバイスをしているうちに、我ながら段々と上手く説明できてると感じるに至りました(悟り?)。

 そしてきっと他にも、少し前の自分と同じように、一歩を踏み出せない人って多いのではないかと思いまして。

 そんな理由からしたためたのがこちらになります。

 少しでも、皆様のお役に立てれば幸いです。


 ※個人ブログ『妄想資料館』にも掲載中。

 ※本文を監修してくださったA氏に心から感謝いたします。ありがとうございました。

 ※10月27日追記。

 今回は『電子書籍』なるものについて書いています。

 と、言っても電子書籍の歴史じゃなくて、筆者が一番わけわからないと感じた部分。「電子コンテンツの配信サイトってどうやって選んだらいいの?」が、メインテーマ。


 電書初心者の筆者が、これから利用しようとする未経験者に説明しているので、上級者から見ると稚拙な内容かも知れません。しかも正確じゃないかも知れません。でも、「大体こんなもん」と説明してるので、よほど変なこと言ってない限りスルーしてください。

 配信サイトを起ち上げるわけでもありませんし、専門用語だらけな説明文はどんなに正しくたって分かりづらいですからね。

 電子書籍を「利用」する。そこにたどり着くことが目的です。サイトごとのシステムなどが多岐に渡り過ぎていて、混乱してしまうであろう人のために、配信サイトを選ぶポイントを筆者の体験から綴ってあります。


 はい、それじゃいよいよ配信サイトがどんなものかを見てみましょう。

 検索するとこれでもか! ってくらいサイト名が出てくると思います。

 え? そうでもない?

 じゃあその中から自分の条件に合ったとこを即決してください。なんて言ったところでできるわきゃない人が殆どでしょう。だからこれ書いてます(汗)。

 何しろサイトごとに「○○だから便利!」ってな売りがありますけど、それは知ってる人だから便利と感じるのであって、知らない人に取っては謎のカタマリ。そんな素人のアナタのために、「初心忘れるべからず」をモットーとして進めていきます。


 さあ、一緒に電子書籍への扉を開けよう!

 ……あ、白線から出ないでくださいね。



―― ◇ ――



★サイト選びのコツ

 今や電子書籍が実店舗書店を追いやっている時代です。筆者も遅まきながら電子書籍の利用者としてデビュー! パソコンとスマホで空き時間に読んでいます。

 同じコンテンツでも紙書籍より電書のほうが安価ですし、場所も取りません。


 電書を買いたいと思った筆者が先達に最初に質問したのは「ダウンロードしたデータってどこに保存するの?」でした。

 そのとき筆者は、ワープロや年賀状作成ソフトのDL販売と同じだと考えていました。その方式だとパソコンならともかく、筆者のアンドロスマホじゃすぐに容量オーバーになりそうで、データ保存用のSDカードが大量に必要になるのではと心配したからです。知らない人の考えなんてこんなもん。

 先達の答えは「電書でDLってあまり聞かない」です。


 まずは簡単にシステムから。電子書籍のデータは、いわゆるクラウドとして販売サイトにあるので、それを閲覧する権利を買います。その後個人のアカウントにあるクラウドにDLされて保管。そこへログインすれば自由に閲覧できるという仕組み。DL自体はしているけれど、端末のメモリがひどく圧迫されるほどではありません。

 この形式は図書館で紙書籍を借りるのに似ていますが、もっと分かりやすいのが「小説家になろう」のシステム。なろうでも投稿された無料小説をパソコンやスマホなど、複数の媒体で閲覧できますよね。

 もちろんDLの一括販売は今でも存在しますが、大体の電書サイトはなろうと同様のシステムなので、WEB小説を読み慣れていれば使うのに問題ないでしょう。クラウドについての素人理屈は後ほど。

 はい、次。




 サイト選びの重要なポイントは

・読みやすさ

・買いやすさ

の二点ですが、利用者のネット環境や経済状況によって利便性は当然変わります。それが一番分かるのは、これも当たり前ですが利用者本人です。だから自分で調べて試さなければなりません。

 「読みやすくて買いやすい配信サイト」と一口に言っても、感じ方は人それぞれ違います。多少の手間を惜しんで、せっかく買った電子書籍を無駄にしないために、最低限の手間はかけましょうね。

 サイト探しは面倒ですけど、電書に慣れるためのチュートリアルだと思うと少し気が楽になるかも。何か新しいゲームを始めたときも、システムに慣れるためにテストバトルをしたりするじゃないですか~。

 「百聞は一見にかず」先人の言葉は深いなあ。




★読みやすさ

 電子書籍を閲覧するには二通りの方法を選べます。それがブラウザと専用アプリ(無料配布)です。

 ブラウザ・専用アプリに共通してる『読む』ための機能は、「フォント調整」「書体変更」「縦・横書き表示の選択」「しおり・ブックマーク」「背景色の変更」など。


 しかしかなりの確率で配信サイトは独自の「閲覧専用ビューアアプリ」を用意しています。もちろん快適な読書環境を確保するためのアイテムです。

 専用アプリの利点は、機能が充実してて読みやすいこと。欠点はアプリ落とす手間がかかることと、ハードに対して負荷がかかること。閲覧用アプリはガラケには荷が重いので不対応がザラです。


 ブラウザ閲覧の利点はアプリ不要の反面機能が少なめ。ただし、その分ハードに負担がかかりません。


 じゃあ何が一番違うのかといえば、機能の豊富さ。

 サイトが用意している専用ビューアは微妙な差はあるものの、基本機能の他に、背景色が豊富です。ブラウザだと背景色の変更は利用しているブラウザに依存(白・黒かな)しますが、専用アプリだとホワイト系・ベージュ系・グリーン系など目に優しい色も選べますので、長時間の読書にも向いています。

 そしてページのめくり方。マウスのホイールやドラッグ・スワイプでズル~っと移動、ワンクリック(タップ)でページごと移動。紙本と同じようにぬるりんと『めくる』動作も設定可能です。


 更に携帯端末をアカウントと同期することで、ネット環境に無いときも読めたりします。これはクラウドシステムの応用ですね。

 電書データは購入したサイト内のアカウント、つまり個人用クラウドに保管されてますから、そこにアクセスして閲覧するわけです。専用アプリを起ち上げてマイページと端末の同期。個人用クラウドの中から読みたい本をチョイスすると、そのデータが端末に落ちてくるのでオフライン時も読める、と。


 専用アプリは外出用の本専用カバンみたいなもの。紙の本を買って自宅で読み、出先で続きを読みたければ持って出るでしょう。そのときに本を入れるためのマイバッグが「専用アプリ」。

 この本専用カバンは時に魔法が使えます。書店(配信サイト)で購入した本を一冊しか入れておくことはできませんが、魔法を使う(ネット環境下)と本の交換ができるんです。交換した本は自宅の本棚(サイトのマイページ内のクラウド)に移動するだけでどこかに消えたりはしません。

 魔法を使うか本棚のある自宅に帰れば、中身は自由に入れ替えられます。その場(PC)で読むもよし、カバン(専用アプリ)に入れてから読むもよし。


 ちなみになろうにも「専用アプリ」があります。「タテ書き小説ネット」です。あれはサイトの形式をとった、PDF変換のビューアアプリなんですよ。タテ書き小説ネットを使うと、選んだ作品のデータが縦書きのPDFに変換されて一括DLされてきますよね。




 「読みやすさ」のまとめ

◎電書閲覧にはブラウザと専用アプリの二種類の方法がある。



―― ◇ ――



★買いやすさ

 有料のアイテムは当然料金が発生しますので、支払い方法も重要です。クレジットカード、プリペイドカード、ウェブマネー、携帯キャリアのかんたん決済などなど。購入手続き自体は普通のネット通販です。

 サイトによっては一枚いくらの定額制チケットで支払う場合も。「この商品はチケットが○枚です」と販売されてて、チケットをまとめ買いするとオマケがつきます。他にも、系列企業の実店舗が発行するメンバーズカードの番号を入力するとポイントが共有できたり、サイトごとのポイントシステムも様々。

 こういった条件も忘れずにチェックしておきましょう。




 「買いやすさ」のまとめ

◎支払い方法をチェックする。




 ちょいと脱線しますが、配信サイトで「読む&買う」を調べる前に、別段階がある場合も。

 それが「会員登録」。

 立ち読み・試し読みだけなら登録不要だけど、支払い方法を確認するには登録しなきゃならない。立ち読み・試し読みだけでも登録が必要だったりとさまざま。

 そこでパソコンのアクセサリにあるメモ帳やワープロソフト、辞書機能を活用すると便利。


 サイト選びを始めるときに住所・氏名・電話番号などの個人情報をメモっておいて必要に応じてコピペ。

 「じゅうしょ」などと変換すると住所が出るように単語登録しとくとかなりの時間短縮になります。

 そんなことかよと思うかもしれませんが、ちょっとしたことで時間取られるとモチベーション下がるからね。適当に妥協して後で後悔しないために、前述した少しの手間を惜しまないでくださいね。



―― ◇ ――



★試してみよう

 さて、それではいよいよサイトにアクセスしてみましょう。

 「読みやすさ」を試すには実際に読む必要があります。専用アプリはちゃんと考えられていますが、快適と感じる点は個人差が大きいですからね。

 そこで活躍するのが無料コンテンツや試し読み(立ち読み)。対象のボタンを押すことで、ブラウザと専用アプリ二刀流のサイトなら問題なく立ち読み画面が起ち上がりますが、しばしば「専用アプリ」の壁が立ちふさがります。「会員登録」も波状攻撃してくるかもしれません。前述のコピペや単語登録を駆使してクリアしましょう。


 専用アプリは使用しているハードのOSで変わります。リンゴに窓に携帯端末。はたまたリンゴは不要で窓だけか。その辺もサイトによって異なるので、ご自身の環境で必要なバージョンを落としてください。

 この段階のポイントは複数端末での試行。つまり、パソコンと携帯端末とそれぞれで見るほうが良いということ。


 スマホでの文字入力が苦手な筆者は、パソコンで会員登録後、スマホアプリを落として両方で閲覧してみました。

 だってパソのキーボードのほうが入力が楽ですもん。どうせ仮登録したらPCのメーラー起動してメール内URLをクリックするという本登録が必要ですし。タブレットや携帯でパソのメーラーと同期してる方はもう少し楽かな。

 あ、そうそう。サイトによって本アドの他に予備メルアドを非常用に要求してきます。こういう煩雑な手続きは基本的に一回だけですし、好みじゃない閲覧ビューアを我慢して使うよりはいいと渋々とこなしました。


 話をもとに戻します。

 専用アプリを落としたら機能を確かめましょう。文字の大きさを始め、しおりの色、背景色など。文章の場合背景色の割合が非常に大きいので、調整すると目に優しい環境になります。

 他にもメニューバーを表示する・しない、ページの移動などなど。どうせ無料ですから色々試してみましょう。

 このときにパソコンでアカウントを先に作っておくと、携帯のアプリ起動時にアカウント内クラウドとの同期も体験できます(筆者の場合はたまたまでしたが)。試し読みはデータ容量が小さいので早めですが、書籍はそこそこデータ量ありますから少し長いかも。


 無料コンテンツも複数確保しておくと書影が並ぶのを確認できますし、もちろん並び方も変えられます。


 ブラウザ閲覧の場合も然り。機能の確認はしっかりしておきましょう。




 最後にもう一つ。

 配信サイトはそれぞれ特色があります。実店舗の書店と同じく、主な客層によって品揃えに違いがあります。もちろん専門書や、女性・男性向けの特定ジャンルに強い配信サイトも存在します。

 それは先行配信という特典だったり、各種クーポンなど割引制度が充実していたり。こういった要素は満足度をアップしてくれます。


 筆者はPCで購入してスマホに同期する使い方なので、スマホからは購入しません。でも、もちろん筆者と逆、あるいは端末だけの利用ももちろんできますからね?

 そうやっていくつかサイトを試しているうちに手順も良くなって、見るべきポイントが分かってくると思います。




 ……と、まあこのように悪戦苦闘した筆者は、配信サイトを七つ覗いて購入先を決めました。最終的に決めたのはどんなところだと思われます?

 実は二つのサイトで電書生活しています。主に利用するのは超大手ネットショッピングモールの電書部門。

 補助として利用しているのも、やはり複数の実店舗書店が提携して運営している総合書店の電書部門。どちらもPCとスマホに「専用アプリ」が必要です。


 メインサイトは普段から使っているので、利用するクレジットカードが登録済みという「支払いの都合」です。クーポンなども頻繁に入手できますし、購入すればそこのポイントも貯まります。

 サブは確認したビューアアプリの中で一番使いやすいと思ったのと、メインで扱っていない商品をカバーするため。つまり「専用アプリ」と「特定ジャンルに強い」のが理由ですね。こちらも大手なので割引セールはちょくちょくやっています。


 一つでカバーできればよかったのですが、結局こういう形に落ち着きました。電書は順次追加配信もされるので、メインにないからと別サイトで購入するのが良いとは、一概には言えませんが……。

 これが筆者が「便利」と感じた選択です。皆様もご自身が求める快適性と周辺の事情も念頭に置いて、配信サイトを探してみてください。




 「試してみよう」のまとめ

◎閲覧ビューアの機能と設定を確認する。

◎支払い方法を確認する。

◎サイトの特徴と優遇措置を確認する。



―― ◇ ――



 おまけ

★海外からの利用について

 筆者は知人に聞かれてこの点についても調べました。ええ、そらもう必死に。

 規約に国内限定と載せてあって、更に見付けやすければいいんですけどね。規約ってモンはどうしてああ分かりにくいんだか……。直接サイトに問い合わせも出しましたが、「規約にある通り国内利用限定です」てな定型文が返ってきたよ(泣)。


 ざっと説明すると、その知人はアメリカ産のリンゴ端末を利用していました。リンゴなら熱帯雨林でいいんじゃね? と、思ったアナタ。筆者も思いました。

 ですが知人は既に日本の熱帯雨林と所持端末OSの相性の悪さを確認済み。以前に電書を購入しようとして上手くいかず、結局そのときは購入を諦めたそうです。

 だから日本在住の筆者に、どこか読めそうな電書サイトを探してくれないかと頼んできたわけでして。


 調べた結果殆どのサイトの専用アプリが非対応でした。日本の配信サイトなので、国内販売を前提として国産OS用に、「専用アプリ」を用意してるってことなんですね。

 でも日本で購入したハード(OS)なら海外からでも購入できたり、保障の都合で国内限定としていても、窓ならシステム的には読めるらしいという噂も。後は、日本国内で発行されたクレジットカードでなら海外販売でも対応するとか、条件が厳しい。


 と、いうことでこの件は最も個人的な事情と環境に左右されるので、


 『詳細は自分で調べてください。そして自己責任で利用してください』


ですだよ。




 実際にはアメリカリンゴでも閲覧できる配信サイトはありました。その知人が日本のコミック読むのに使ってたサイトが小説も扱ってたというオチ。

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[一言]  売り買いしたことも、近づいたこともない電子書籍ですが、書き手として気になるのが、供給に見合った需要があるのか、というところです。  一番訊きたいけれど、誰も「これだけ売れましたよ」とは書…
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