被害3
太陽が沈み、大通りを行き交う車のライトは点灯していた。その大通りに面した土地の一つにガソリンスタンドがある。
そのガソリンスタンドの照明に照らされて、ウェーブのかかった黒髪の女とスタンド店員が会話していた。
「あらぁ、助かりますぅ。セルフスタンドってどうしても慣れなくてぇ」
結婚指輪が煌めいている指を頬に寄せながらウェーブ髪の女は笑みを浮かべた。ガソリンの注入機具を車の給油タンクに押し込んだ店員は女の結婚指輪に目が留まる。
「お任せ下さい。お客さんは若奥様という言葉がぴったりで、とても愛らしい。仕事抜きでもサービスしたくなりますよ」
「あらぁ、お上手ね」
若奥様風の女とガソリンスタンドの店員は笑いあった。談笑している中、猿が跳ねながらやってきた。猿は二人を見上げると、うきゃうきゃとステップを踏み、小躍りを始める。
若奥様風の女は猿を見下ろしてしゃがんだ。両者の間は普通乗用車二台分ほどの距離がある。
「どうしてあんなところにお猿さんが……。可愛いわね。迷子かしら。玩具の拳銃なんて握っちゃって」
うふふとにこやかに若奥様風の女は微笑んだ。店員も表情を緩めている。
和太郎が住宅街の小道からキョロキョロと辺りを見回しながら抜け出てきた。ガソリンスタンドに目が合わさる。
「見つけたぞクソ猿! ん?」
和太郎の視線の先、そこでは猿が銃口を上げていた。若奥様の目はぱちぱち。
「ガソリンスタンド? まずい! まずいまずいまずい!」
和太郎は走った。
猿がトリガーを引き、白い液体が放出される。和太郎は大の字で射線上に割り込んだ。
「あだだだぁだだあぁ!」
銃撃を受け、バチバチと激しい明滅に和太郎は包まれた。全てを受けきると焦げついて前のめりに倒れてしまう。
「ウキィ……」
猿は力なく鳴き、肩を落とした。ぴょんぴょんと跳ねて敷地外へと消えていく。
「ぐ、ぐぐ」
和太郎は腕立て伏せの体勢になる。それから足を引き寄せると地面に座り込んだ。
「和太郎、仕事しすぎネ。若奥様風の女が乱れる様を見たかたのに……。バックでだらしなく墜とされる精液満タン、〝ガソリンの入れ方教わりながら子宮燃料もお持ち帰りなのぉ!〟」
テブクが言うと、和太郎は「黙れ」と叫んだ。一発 自分を拳でぶつ。
和太郎は立ち上がり、猿が逃げた方角へ走り出した。
「なにかしら今のは……。ドラマの撮影?」
「さあ……」
若奥様風の女と店員はお互いを見合いながら首を傾げた。
猿が悪さしようとする話。
読者がロビンが描いたエロ漫画の内容を覚えてくれているかどうかわかりませんが、猿はロビンが描いた漫画を再現しようとしてました。
下ネタが続きますね。
汚いかもしれませんが〝ガソリンの入れ方教わりながら子宮燃料もお持ち帰りなのぉ!〟のセリフはお気に入りです。
バカだなぁ俺。




