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ひーろーっぽいの  作者: 武ナガト
18/31

問題発生

「おかしい。まったく効かねえ」

 和太郎は鼻を手で押さえながら呟くように言った。

 先ほどコアに空手チョップを受けた猿はコアを撫でてから走り去っていく。

「すずゆとのエロはもう自主規制しなきゃいけない域を軽く飛び越えたし、すずゆ以外でもエロ本で気に入ってる写真を思い返したりもしたんだが……。おわっ、鼻血が」

 和太郎は鼻をつまんで天井を見上げた。

「アナタがダメージ受けてどうするヨ。猿はケロとして二冊目のエロ漫画読書に移たアル。ここまで効かないと、感性の違いが原因としかいいようがないネ」

「感性の違い?」

 和太郎はなおも鼻を天井に向けながら尋ねた。

「要するに和太郎のエロは猿にとてはエロくないということネ」

「なんだと! 俺のエロを馬鹿にするのか!」

「馬鹿にはしてないヨ。猿は二次元絵しか受け付けない可能性があるということネ」

「てことは」

「エロ漫画を読まなきゃいけないネ。ワタシがエロ漫画を読んで喰らわせたときは効果があたからネ」

「読まねえぞ。他の技にしようぜ」

「長期戦になりそうアル」

 和太郎は鼻から指を離し、顔を下ろして猿を眺めた。

「キ、キィ」

 猿はエロ漫画から顔を上げてキョロキョロと周囲を見回し始めた。床・天井・壁・と視線をしきりに移動させる。

 そのとき部屋全体を激しい音と衝撃が襲った。和太郎はよろめくが、踏みとどまる。

「なんだ」

 以前 窓があった壁に亀裂が走った。その亀裂は轟音とともに大きくなっていく。

壁に窓とカーテンが出現した。その直後、それらは壊れ、屋内に吹き飛んでくる。

「やっと解けたわ。ほんと嫌になっちゃう」

 夕日に染まる粉塵の中を現れたのは みちびだった。塵を払うように顔の前で手を動かし、軽く咳払いしている。

「倒しててくれれば楽だったのに」

 みちびの目が和太郎を捉えた。それから、部屋中に倒れている裸の女性に合わさる。

「あんた まさか……」

 裸の女性から和太郎に視線が戻り、みちびの目つきは険しくなった。

「お前が考えてるようなことはやってねえよ。あいつのせいだ」

 和太郎は猿を顎で示す。猿は折れたテーブルの近くで地団駄を踏んでいた。

「気をつけろ。あいつは人をエロくするっぽい。今 あいつが尻尾に絡ませてる拳銃っぽいやつ、それで人を狂わせるみたいだ」

 和太郎は拳を上げて構え、戦闘姿勢をとる。

「ウキキキキ」

 猿がみちびへ向けて突進してきた。

「私に挑もうっての? いい度胸じゃない」

 みちびは鞭をしならせ、猿へ振るう。猿は上に飛び跳ねてかわし、拳銃を尻尾から手に持ち替えた。

 白い液体が二発放たれる。

「あたるわけないでしょ、そんな攻撃」

 みちびは横飛びで液体を避けた。

「あっ! 出口開けんな!」

「え?」

「キイ!」

 猿は崩れている壁に到達すると、部屋から飛び出していった。

「ああっ!」

 みちびは猿を追い、壁から顔を出す。猿は庭園の低木を飛び越えて石畳の道を走り去っていった。

「待ちなさい!」

「聖種 待て」

 みちびが壁から身を乗り出そうとしたところを和太郎が呼び止めた。

「なによ」

「俺が追う。倒れてる人たちを頼む。介抱とかできるんだろ」

「できるけど、私 そのために来たわけじゃな――」

「頼んだぞ!」

 和太郎は外へ出ると、それきり振り向かず、塀をよじ登り終えた猿へと駆けていった。

 みちびは部屋と屋外を交互に見、

「仕方ないわね。コッタ」

 ぽんと現れたコッタとともに、メイドたちの元へと歩み寄っていった。

 和太郎の性欲興奮拳では猿を倒せないと説明する話。それと猿が外へ逃げる話。

 みちび きみは何しに来たんだい? そう問いたくなる話。

 メイドたちを介抱しに来ました!

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