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魔法の言葉  作者: 七瀬梓
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出会い

「魔法の言葉って知ってるかい?」

「ううん。知らないなぁー」

「そうかい。この言葉はね、一度言うだけで、言われた人はとっても幸せな気持ちになれるんだよ。」

「へぇー!そうなんだ!その言葉ってなんて言うの?」

「それはね、…」


チリリリリリリリリン!!


「わぁっ!?って夢だったのか。」

死んでしまった祖母との会話を夢で見ていた本田麗華(ほんだれいか)は、のろのろとベッドから起き上がり、制服に着替えてから朝食を作り始める。校庭の桜も散り始め、今日から麗華にとって2年目の高校生活が始まる。


麗華は高校1年生のときから、念願の一人暮らしをしている。最初は目覚まし時計をセットするのを忘れていたことが多々あったが、今ではほとんどない。

「それにしても魔法の言葉って何だったんだっけ。ずっと昔のことだから忘れちゃったよ。おばあちゃんが言う前に目覚まし時計に起こされちゃうし…

なんかついてないなー。」

夢で思い出した魔法の言葉の存在。

さっきからそのことがずっと気になって

朝食の味がわからない。


麗華が学校に行く前、必ず見ているのが

ほしスタモーニングの星座占い。意外と当たるから毎朝チェックしている。

「12位はしし座のあなたです。何かにつまずいて転んでしまうかもしれません。

周りをよく見てあるきましょう。」

「うっ…新学期一発目から12位。やっぱ今日ついてないなー。」


ピンポーン。ピンポーン。


「はーい、今行きまーす!…テレビ消した。電気消した。カバン持った。よし!準備完了!」

いつもと同じ朝。ドアを開け、鍵を閉め、友達のところへかけていった。


「おはよう!綾斗(あやと)!」

「おはようさーん!」

綾斗と麗華と幼馴染みで、勉強、スポーツ、ルックス、すべてにおいて優秀。

普段はおちゃらけているが、いざとなったらとても頼りになるしっかりもの。

彼は当然、女子からモテモテ。

こんな模範少年他になかなかいないだろう。


そんな綾斗に、麗華は今朝から気になっていることを聞いてみた。

「ねぇ綾斗ー、魔法の言葉って何だと思う?」

「え?いきなりどうしちゃったの?」

「いやぁー、おばあちゃんが昔魔法の言葉を教えてくれたんだけどさ、それがなかなか思い出せなくて…

言われたら幸せになるらしいんだけどさー。」

「なるほどな。んー、そうだな。

あ!わかったぞ!

ちちんぷいぷいのぷいっ!♡」

「なにそれ!絶対違うし!そんな変なのじゃなかったもん!」

「変なのってひでぇーなぁww

なになに照れてるの?♡

可愛いなこのヤロー♡」

「照れてないし!」

そんな他愛ない会話をしているうちに

学校についた。

校門付近では先生がクラス替え表を配っていた。麗華と綾斗は去年に引き続いて同じクラス。

「あ!俺たちまた同じクラスだ!」

「ほんとだ!小5から同じクラスってなかなかいないよねー。」

「だよな!やっぱこれって運命?♡」

「嬉しいけどなんか気持ち悪いからやめてww」

「照れんなって♡」

「だから照れてなーいっ!あ!それよりもさ!今年は春奈(はるな)とも一緒だね!」

「ほんとだ!どこにいるかなー。」

春奈は親の転勤で中1からイギリスに行っていたが、高1のときに戻ってきたもう一人の幼馴染みで、3人が幼稚園の頃から

よく遊んでいた。


ふざけた会話をしながら春奈を探していたら先生からの指示が入った。

「生徒諸君。校門で群がっているのはやめてそれぞれの教室にむかいなさい。」

「…行こっか。」

「そうだな。」

指示に従った方が春奈と早く会えるのではないかと考えた2人は、自分たちのクラスである2-Cの教室へと向かった。



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