22層 うねり
めっっっっちゃ久しぶりの投稿です。
バイトやら大学やらで書く時間がなかったんですけど、ようやく取れたんで書きました!
楽しみにしててくれた人がいたなら申し訳ないです…
知らん間に100ポイント超えててうれちい
「聖騎士ジャンヌがその命を落とした」
「…そう(だれだ?)」
ミシェンナが魔窟を去って3日後、ミシェンナがここに再び訪れてきていた。どうも魔族関連の情報を持ってきたらしく、その初っ端が冒頭のジャンヌ云々である。
聖騎士という肩書きがあるあたり、相当な手練だったのだろう。ミシェンナがわざわざ報告に来るという点もその信憑性を高めている。
「まさか彼女が討たれるとはな…話によれば、どうもゴブリンに貪り食われていたところを発見されたらしい。丸焼きだったそうだ」
んじゃなんで断定できたのか?それを聞くと、ドッグタグ的な身分証が傍らに落ちていたらしく、それで判別がついたとのこと。
ついでにどのくらい強かったのかも聞いてみると、どうもミシェンナと同じかちょっと弱いくらいらしい。そんなバケモンがゴブの餌になってるとか…魔族ってやべえんだな。
「ショウゴもその魔族だろうが」
呆れたふうに、彼女がつぶやいた。
そうではあるのだが、一応人格的には元々地球で生きてきたショウゴ青年なのだ。命に対する倫理観は若干づつ欠如していっているかもしれないが、根本に置かれているのは一般的地球人なのだ。
住んでいた世界から倫理観まで、あらゆるものが異なるのだ。そちらに引っ張られてしまうのも、無理のないことだと言えた。
「お父さん、ちょっと遊んでくるね!」
「おう、俺も今行くからちょっと待ってな」
「だいじょーぶ!ノワちゃんと行くから!」
「えっ…」
「それじゃあ、ミシェンナお姉さんとお話し楽しんでねー!」
俺とミシェンナがかなり話し込んでいるのを気にしたのだろう。ノワを連れてミソラが居住空間を後にした。
「そ、それでなんだが、本題はだな…私と手合わせをして欲しい」
「あ、ああ。そういう約束だったし、いいよ」
大の大人たちが子供に気を遣われて勝手に気まずくなっていた。両者ともそっぽを向いて、間の悪い沈黙が流れた。
俺がミシェンナと手合わせをしたのは、もちろん前に俺たちが戦った部屋だ。
あれからそんなに日が経っていないにも関わらず、ミシェンナの体捌きや剣戟の鋭さの向上は凄まじかった。前まではかろうじてついていけていたのに、今ではすっかりである。
「んでそんなに疾くなってんのおああああっ!」
「いつまでも負けてはおれんからなっ!長らく出していなかった本気を出せて楽しいのだ!許せ!」
大声で笑いつつ、一切の迷いのない切先の乱舞を、寸分の隙間もなく繰り出してくる。俺はそれにはついていけず、何回も肉を削られた。ケバブみたいに。
気づけば俺は、地面にぐったりと四肢を投げ出していた。どうも気を失ってしまっていたらしい。
「む、ようやく起きたか」
少し離れたところで座っていたミシェンナは、コップをぐいっとあおって、立ち上がった。
「あー、いでっ」
上体を起こそうとするも、至る所で刺すような激痛が駆け回った。
「無理はするなよ。傷の治りは早いとはいえ、つい先刻までは酷いところだと骨が露出してたんだからな」
「自分の体ながらグロいわ…てかどんだけ削ってくれてんねん」
「ははは……興が乗ってつい…すまん」
俺は、とりあえず包帯を創り出し、特に痛む箇所に巻いていく。気休めにしかならないが、気持ち的に楽になった。
「まあ、なんだ…俺もいい勉強になったよ」
水を飲みつつ、俺はそう投げる。実際、体の使い方に得られるものもあったのだ。主に足の運び方について。
この脳みそは凄くて、一度見たものを乾いたスポンジが水を吸うかの如くラーニングしていく。無駄の多かった体捌きも、幾分かマシになったことだろう。
「そうか、それならよかった!」
そう言ってミシェンナは、ニッと白い歯を見せた。
「お父さん!ミシェンナお姉さん!大変!」
突如、顔を真っ青にしたミソラが、ボス部屋へと駆け込んできた。かなり焦っているようで、その後に話す内容は要領を得ず、支離滅裂だっだ、どうも、レヴァテンに向けて魔物の大群が、押し寄せてきているらしい。
「恐るべきうねり」
「んだそれ?」
「魔物が何の前触れもなく大量に現れる現象の総称だ。基本それに見舞われた街や都市は跡形もなく消え失せる」
「対抗手段は?」
「兵の一人ひとりが私たちはどの力があれば可能だろうが…」
「無いんだな?」
「ああ。地震や噴火に対抗できないようにな」
ぶっちゃけると、俺には結構どうでもよかった。だって、俺魔族だし、自分家には入られてないし。
ただ、まあ…近場で現地文明に触れられないと言うのは不便なのである。




