我、新たな力達の導き有りなり
さて、いよいよセウサレスに向かうことにしよう。
セウサレスはシグルンビュルムから我の足で2時間くらい。
まぁ近いな。
普通の人なら歩いて1時間くらいか?
セウサレスに着く頃にはだいたい真昼だろうからあちらで昼ご飯を調達して例の神官を探すとするか。
まぁ着くまでモンスターに警戒しながら移動することになるがまぁ、暇だからな。
ダンジョンメニューを開く。
おお、モンスターが増えて戦力が増えているな!
DPもたんまり増えている!
だが最低のプリンススライムを召喚するには至らないな…
悩んでいると草陰から角があるうさぎが現れた。
ここらでよく出るのは毛の色的にも普通の角うさぎだな。
うん。
ちょうどいいな、この兄弟光剣、試してみよう。
右手に弟剣、リムティア、左手に兄剣、ディルディアを持つ。
ラビット系統の雑魚だし、頑張ってみるとしよう。モンスターを倒すと経験値が手に入りある程度の経験値が溜まると魂のレベルが上がる。
よくあるゲームみたいなものだと考えて置けばいい。
「キー!」
角うさぎが叫び突進してきた。
ディルディアに魔力を込めて光の盾を呼び出し突進を防いだ。
そしてリムティアに魔力を込めて斬りこんだ。
リムティアは光の斬撃を角うさぎに飛び切り裂いた。
角うさぎは左右に別れた。
「…強いな。」
この威力なら並のモンスターなら切り裂いてしまうんじゃないか?
そして、勝てた。
極小スライム以外でも。
ありがとう、レスラ。
良き剣と巡り合わせたことに感謝する。
その後、楽しくなりついつい狩りすぎてしまった。
リザルトは角うさぎ14体、魔ラット21体、スライム13体、プレイリーウルフ10体。
起き上がったモンスターは仲間にすることが出来たので魔ラット2体、スライム1体、プレイリーウルフ2体が仲間になったので荷物を持たせたり偵察させたり背中に乗って移動したりした。
そのおかげで30分時短に成功した。
仲間たちを近くの森に隠して我はセウサレスに入っていった。
セウサレス。
エルギラルド帝国一の商業街と言われるに相応しい賑わった街だ。
どこを振り返っても店、店、店。
入口らへんでは店が1階で、2階や3階が自宅スペースみたいな作りが個人店に多いみたいだな。
中央では大きなデパート見たいなお店が多いみたいだ。
とりあえずそこら辺の屋台で角うさぎの焼き肉を買い食べ歩きをして冒険者ギルドに到着。
道中で倒したモンスター素材をここで売って置いた。
端金のような金額だったがないよりはマシだろう。
そういえば防具も買わないとな…
街道沿いに来たから弱いモンスターしか出ないが1歩外れれば強いモンスターなんでゴロゴロ出てくるらしいからな。
光の盾で防げない攻撃をしてくるモンスターが来たら大変だ。
換金が終わり例の神官の話をギルドの人に聞いてみたら有名らしく直ぐに所在を掴むことが出来た。
ま、行くまでの道のりがごちゃごちゃしていて時間がかかりそうだったがな。
「祝福を。称号の力の祝福を。」
例の神官の教会にやってきた。
そこでは細身の白と黄色の服を着ていた神官が一身に像に向かって祈りを捧げていた。
彼はかなり有名だったはずだが人一人も居なかった。
「初めましてアルティメイル様。」
気づいていたのか彼は目を瞑ったまま、こちらに振り返った。
「…なぜ我の名を?」
「私は鑑定士のスキルを持ちます。」
鑑定士だと!?
今日は見破られてばかりだな。
「鑑定士…か。はぁ、それならば仕方あるまい。我が来た用は分かるな?」
「はい。称号の力を得に来られたのでしょう。私の名前はマグルド・フォールと言います。スキルは鑑定士と称号覚醒です。」
「称号覚醒…?まさかユニークスキル!?」
「はい。」
「驚いたな…世界に1人、1つしかないスキル…それを持っている者がなんの勢力にも着いていないとは…。」
「私は待っていたのです。貴方様の到着を。私、マグルド・フォール。アルティメイル・アルカナ・エルギラルド様にお仕えさせていただきたい。」
「!?この、我にか?」
「不可能でございますか?」
「いや、我は猫の手でも借りたい状況だ。その忠義、受け取ろう。」
「ありがたき幸せ。それでは称号覚醒の儀をしましょう。」
「うむ。」
マグルドは我を神壇に連れてきて魔力の籠った紙を手渡してきた。
「これは私の魔力が籠った紙です。これを使いアルティメイル様のステータスをここに開示いたします。」
「うむ。」
紙にステータスを載せてくれるとは、中々わかりやすい仕組みだ。
「それでは、行います。」
そして映し出された結果は…
ステータス
名称 アルティメイル・アルカナ・エルギラルド
種族 人間 (ダンジョンマスター)
職業 エルギラルド第1皇子
シークレットダンジョン ダンジョンマスター
レベル 11
スキル 毒無効
称号 無能
皇子
対毒
勇者
輪廻
ダンジョンマスター
と現れた。
「なんと!この歳でここまでの数の称号!見たこともありませぬ!次はこの称号を覚醒させ、称号の力を得るのです。覚醒させるとその称号に合ったスキルや効果が発揮されます。」
その効果と入手スキルは以下であった。
無能 何も持ちえない者の称号
だが何者にもなれる者でもある
効果 称号がつきやすくなる
皇子 皇子として産まれた者の称号
産まれた時にのみ付く
効果 スキル カリスマの獲得
対毒 毒に打ち勝った者の称号
この称号を持つものはそれだけ命を狙われた証で
ある
効果 スキル 毒無効 だが薬は効く
スキル 毒感知
勇者 世界を救う力を持つ者の称号
是は世界に認められ世界の光である証である
効果 全ステータス上昇100%
スキル 勇者
輪廻 巡り巡って生まれ変わった者の称号
転生、逆行、いずれも新たな命を持ち歩む者の証
効果 属性 時魔法を覚えやすくなる
幸運になる(常時発動)
試練が与えられる(常時発動)
ダンジョンマスター ダンジョンマスターの称号
ダンジョンを支配する者の証である
効果 野生モンスターがとても仲間になりやすくなる
ダンジョンの強さによって自分や味方にバフを
与える
「称号の力…強いな。」
「驚きの称号です。生まれ変わりをした者など初めて知りえました。」
「そうか?」
「ええ。一応は伝説等で語られているものは有りますが実際に存在するなどは信じていませんでしたから。」
「大昔にはあったことなのだろうな。」
「称号の力は強力なものがありますが弱いもの、マイナスの力となるもの、千差万別です。」
称号の効果を見て思うことがある。
時魔法を覚えやすくなる、輪廻の称号。
魔法が使えない我が、な。
しばらく考え込んでいたがマグルドから話しかけられた。
「アルティメイル様、お時間は大丈夫なのでしょうか?」
「む、そうだった。早く戻らねばアレがうるさくて叶わないな。」
「ふむ、私が付いて行ってもよろしいでしょうか?」
「ここを離れると?この立派な教会があると言うのに?」
「はい。私はここで待っていたのですよ。貴方様が訪れる日を。その日が来たのなら一生付き従いたいと思っていたのです。」
「フム…我は城にお前の部屋を用意してはやれないぞ?」
「それではお城の近くに居を構えましょう。」
「ククッ。城の周囲などとっくに土地がないぞ?だが。」
「だが?」
「我ならば城の中にマグルドの事を隠して置くことが出来る。自由に外には出られまいが…。」
「構いません!アルティメイル様のお傍で仕えることが出来るのならば!」
「そうか。ならば共に帰ろうでは無いか。だがこの教会はどうする?」
「そうですね…売ってしまいましょうか?」
「ふむ…少し待て。」
1つ方法を思いついた。
だができるかは分からない。
我がやってみようとしているのはこの教会のダンジョン化だ。
コアがない、接続のない場所に自身のダンジョンとできるのか?
ダンジョンメニューを開き、この地をダンジョンに出来るかどうか見てみると…
『サブダンジョンコアが必要になります
サブダンジョンコアを購入するために必要なDPは5000Pです』
この土地自体の必要DPは3P。
現在の所持DPmは…5600P。
近場っちゃ近場だがセウサレスは商業大都市。
5000Pはまた直ぐに溜まるだろう。
了解ボタンを押してこの土地をダンジョン化した。
手のひらにはシークレットダンジョンにあるダンジョンコアよりは小さめのコアができた。
「この土地を我のダンジョンにした。これで何時でも行き来することが可能だ。」
「!さすがダンジョンマスター…そのようなことが出来るとは…ダンジョンは未解明の塊だと言うのに…。」
するとメニューのダンジョン情報が開き、ワンポイントアドバイスの文字がピカピカ光った。
『サブダンジョンマスターを決めてください』
む?
こういう時にはエリーナの情報が欲しいところだが…
適当にスライム(極小)を生み出しそのスライムをサブダンジョンマスターにした。
ちなみに属性は光だった。
サブダンジョンマスターにした瞬間そのスライムはピカッと一瞬光り、スライム(極小)が、スライム(小)に進化した。
『サブダンジョンの名称を決めてください』
「む、名称か…マグルド、ここの教会の名前は何だ?」
「称号教会です。」
「まんまだった…。さすがにそれは無しだな…ふむ。」
称号…マグルド…ダンジョン…加護…スライム光…
…加護を与える…
「導きのダンジョン?」
「良き名称ですな。」
「…ダンジョンだぞ?」
「人間がダンジョンマスターの、ダンジョンですな。」
「まぁそうだが…。まぁいい。ダンジョンにできたからな。これでマグルドが無理に隠れ住むことが無くなったが…どうする?ダンジョン内なら我や味方は我が操作することになるが転移することが出来るぞ。」
「なんと!?驚きの連発すぎますぞ!?…ではここを離れずにすむのですか?」
「ああ。」
「なれば私はこれまでのようにしましょう。怪しまれぬよう、このスライムさんを守るためにも。」
「うむ。そうだ、ここのコアルームを作りたいが良い入口などはあるか?」
「はい、こちらに。」
奥の住居スペースの1部にコアルームを作った。
残りDPは350P。
また少し増えている。
常に増え続けるDP…
もっと力を蓄えなければ…
「マグルド、人間以外にもスキルを使うことは可能か?」
「可能ですが、このスライムに使ってみますかね?」
「うむ。頼む。」
ステータス
名称
種族 光スライム(小)
職業 サブダンジョン 導きのダンジョン サブダンジョン
マスター
レベル 1
スキル 分裂
消化
称号 サブダンジョンマスター
と表された。
「…ふむ、スライムのレベル上げはどうやった方が良いものか…。」
「研究成果によればスライムならばゴミ掃除…まぁスライムにとっての食事をすればレベルが上がるようです。必ずしも人間のようにモンスターを倒してレベルアップ、という訳では無いようですよ。」
「ふーむ、一応サブダンジョンマスターだからな、名前を付けてやるか。…よし、お前の名前はスライトだ。」
安直だが良いだろ!
すると我から魔力が減った気がした瞬間また一瞬光り、金のラメが入ったように見えた。
「光ラメスライム?」
なんだそれは?
ダンジョンメニュー機能で調べてみる。
光ラメスライム
光スライムが特異進化し体にラメが入った
体のラメは体当されるとザリザリして普通のスライムより痛い
ラメの正体は高濃度の魔力で魔法量と威力が通常種より上がる
「魔力が高いスライムのようだな?」
「光魔法を使えるスライム…スキルに光魔法と魔力ブースト、というものが増えました。」
「ふむ。スライト、お前はこのダンジョンを中心にゴミを食って食って食いまくれ。人間に見つからないようにだ。分かったな?」
スライトはぴょんぴょこ跳ねて了解の意を示した。
その他細々とした注意事項を(ここ行ったらダメ、マグルドと仲良くね、等)スライトに伝え転移で帰った。
エリーナとマグルドの顔合わせをしてコアに味方登録して自由に転移できるようにした。
まぁ帰ってからのエリーナの第一声がこれだが。
「ちょっとォ?急にポイント使ったみたいだけどォ…何やったのよォ?」
それにサブダンジョンを作ったことを伝えたら。
「やっとダンジョンマスターとしての自覚がしっかりでてきたのねェ?ってまた街の中のダンジョンン?導きのダンジョンン?キィィーーなんなのよォ!?」
と騒いでいた。
シークレットダンジョン勢力
スライム(極小)
火4匹、水3匹、風7匹、土3匹、光2匹、闇6匹、混沌7匹、時2匹、無6匹
スライム(小)
火2 匹、水3匹、風1匹、土2匹、光3匹、闇2匹、混沌2匹、時1匹、無2匹
妖精(欠片)
火7匹、水3匹、風4匹、土8匹、光3匹、闇4匹、混沌6匹、時2匹、無3匹
妖精(小)
火2匹、水3匹、風2匹、土2匹、光3匹、闇2匹、混沌1匹、時2匹、無2匹
ケサランパサラン(中) 20匹
風綿妖精、一匹
風綿スライム、1匹
表層 シグルンビュルム城
味方モンスター、罠等 無し
第1階層 荒野エリア
地雷(各種)、電気柵、落とし穴(各種)、火炎放射器 無数
配置モンスター ケサランパサラン(中)、妖精(欠片、小)全属性
第2階層 簡易迷路エリア
射出装置(各種)、 無数
配置モンスター スライム(極小、小)全属性
コアルーム
ダンジョンサポーター エリーナ
コア
マスター居住区
サブダンジョン 導きのダンジョン勢力
表層 称号教会
味方モンスター、罠等 無し
コアルーム
サブダンジョンマスター 光スライム(小)