我、機能解放で可能性を知り臣下を得るなり
鑑定 名前、スキルの鑑定ができる
鑑定士 名前、レベル、スキル、称号の鑑定ができる
あ、第2階層にスライムもっともっと召喚しないとな…自動召喚ってできないのか?
そう思ってポチポチしていると『オート召喚が可能になりました』と表示が。
「まじか!要望通った!?」
「まぁいろーんな種族のダンジョンマスターが存在するからねェ。要望に答えてアップデートすることがあるって話してたわねェ。」
「へーアップデートねぇ。他のダンジョンマスターもそれが使えるようになったのか?」
「そうなるわねェ。けどアップデートは常闇の舞踏会と同時更新されるわァ。」
「じゃあ今の所使えるのは我だけか。」
「そうねェ。けど使うのはアルティメイルだけだと思うわよォ?普通の戦力なんてェオートにするだけのDPは足りなくなるものォ。」
「ま、それは我の初期モンスターが、コレらだったからこうなったわけか。」
「そうねェ。」
じゃあオート召喚を発動する。
1秒間で2匹召喚だ。
オートにしていても取得量の方が当たり前に上だったからな。
召喚したスライム(極小)は第2階層にポップさせる設定にして、合成できるようになったら小サイズまで合成しておこう。
まぁ小サイズから普通サイズにするにはケサランパサラン(普通)と同じく10匹必要らしい。
妖精もそうらしい。
我は本棚から本を取り出して時たま合成しながらだらけていた。
我がここまで自由に過ごすことが出来るなど正直思っていなかった。
コアを手にしていなければ帝位争いがあっても即負けて邪魔者として排除されていただろう。
民が我を慕っているのであれば特に。
生きていれば革命の旗頭にされるかもしれないからな。
コアを手にしたからこの嵐にも抵抗する力をつけることが出来た。
例え紙切れのようなものだったとしても。
存在しないよりはマシだからな。
そうして合成しながら本を持ちながらも見ずに考え込んでいるとダンジョンメニューに通知が来ていた。
『進化配合が一定回数使用が確認されましたので別種配合が解禁されました』
「別種配合?」
「例えばスライム×妖精とかねェ。今までは同じ種族のモンスター同士を数を合わせて進化させてきたでしょォ?別種配合は一定以上訓練したモンスターで配合できるわよォ。配合できる条件は未だにわかってないみたいだけどォ。」
「レベルとか分かる鑑定士が入れば別だったりするのか?」
「レベル?」
「知らないのか?」
「知らないわよォ?」
「モンスターには無い概念なのか…?まぁ簡単に言うと人間はモンスターを倒して経験を積んで、そうしていくと強くなっていくだろ?鑑定士が見るとそれがレベルとして表示されていくんだ。」
「強さの指標になるのォ?凄いわねェ。」
「そうだ。だから鑑定士が味方に欲しいんだけどな。」
「便利ねェ!絶対に引き込みなさいよォ!」
「できるのなら、な。」
ダンジョンマスターがそんな人材を引き入れることは出来ないと思うが。
ダンジョンは人間の敵だからな。
とりあえず配合の欄を見ると別種配合と欄があり、2つの空欄がありモンスターを選ぶことができるようだった。
選ぶことが出来るモンスターは白く、選べないモンスターは灰色で表示されていた。
まぁ数で別れていたが。
とりあえずケサランパサラン(中)と、風妖精(小)を選んでみた。
結果欄は???と表示されていたが1度配合すると選択欄の上に進化配合と同じように並んでいくらしい。
とりあえず合成開始すると選んだ2匹のモンスターが目の前に転移され、光りひとつになると薄い黄緑色のふわふわな妖精が現れた。
表示には『綿風妖精(小)』と出た。
「綿風妖精…?」
「…聞いたことがあるわァ。どこかの地方でワタヒツジと共に暮らしている妖精の一部にふわふわな妖精がいるって。その妖精は綿を生み出すことができるって聞いたわァ。それと綿を加工するのも得意だとかァ。」
「あー…君は綿を生み出せるのか?」
綿風妖精は頷いて小さな手のひらからふわふわの綿毛をバラまいた。
「お、おおー。」
ん?
この綿毛…風属性が付与されてる?
「風属性の綿?」
属性の確認だけなら手に取っただけでできるからな。
ふむ。
「楽しいな!」
「!?急に叫ばないでよォ?」
「これって全ての属性の綿を生み出すことができるんだろう?属性が着いた綿を加工したらその属性の武器や防具が作れるって訳だ。そして他の配合でもこんな特殊なモンスターを作っていくことができるんだろう?面白いでは無いか!」
「あーはいはいィ、私には少ししか分からなかったけどォ…やる気ができてくれて嬉しいわァ。」
妖精(欠片)達も1秒間で2匹オート召喚にして風スライム
とケサランパサラン(中)を配合してみた。
風綿スライム(小)になった。
見た目は薄い黄緑のスライムで表面に柔らかな綿が。
大きさは小サイズとあったがケサランパサラン(中)と同じサイズだった。
もふもふ。
もふもふもふもふ。
もふもふもふもふもふもふもふもふ。
「って綿スライムに埋もれ無い…でってそこまでのサイズじゃないじゃないィ。」
「こいつの大サイズが欲しい。絶対良い!最高だ!」
何だこの感触…
スライムのもっちり感にふわっふわなもふ綿が。
正直いつまでも触っていたい。
このもふもふに埋もれたい。
人をダメするクッションか!?
「エリーナーこの子はどんな特徴があるか知ってるかー?」
「もォーーダンジョンメニューで調べられるわよォー!」
どこから?と思いながら配合結果の風綿スライムをタップしてみると詳細が現れた。
風綿スライム(小)
特殊な環境か、特殊な配合で進化した風属性のスライム。
触り心地は最高で大サイズの綿スライムは神がベッドに使っていたという伝説がある。
綿を散らして視界を奪うことが出来るがサイズが小さいためそこまで綿が出せなくあまり効果は低い。
散らした綿は半日で復活する。
可愛いなぁもう。
体の綿を散らして目くらましかぁー。
やっぱり可愛いなぁもう。
「そうだ、風綿妖精ー!このスライムの綿も加工可能?」
ふわふわと上下に揺れている。
できるっぽいな。
「できるらしいわよォ。」
「よーし2匹共!綿を作って作って作りまくれーー!」
2匹は飛び跳ねたり上下に揺れたりして了解の意を伝えてくれた。
「作ってどうするのよォ!?」
「少しは贅沢してもいいだろ!?2匹共!ふっかふかなベッドを作ってくれ!!」
この時代では作れない地球産のベッドを作っておいてこれである。
もっともっとモンスターを召喚していかないとな!
別種配合も沢山していきたいけど階層を作るのが先になるな。
いつの間にか夜になっていた。
後は寝て明日、貯まったポイントで何をするか決めていくとしようか。
翌朝
1500DP溜まっていた。
うーん、今日はここに居ない予定だしモンスター達をこのままオート召喚かな。
進化配合できる数になったら小サイズまでエリーナに配合してもらおう。
「とりあえず今日はセウサレスに行くからな、頼んだぞ。」
「ええェ…1人はつまらないわよォ。」
「このまま弱いだけだと生きていけないだろうが?皇族として、ダンジョンマスターとして。」
「ちゃーんと強くなってくるのよォ?」
「強くなれるならな。」
あ、朝食の時間だな。
一番乗りで父上に外出することを話しておかなければな。
顔を洗い、着替え、最低限のことはして誰もいない廊下に転移した。
父上がもういるのはもうわかっている。
「おはようございます。アルティメイル、到着しました。父上。」
「うむ。今朝もまた早いな。」
「父上のお話が気になりまして、本日は早速セウサレスに向かおうと思っておりますがよろしいでしょうか?」
「うむ。気をつけるのだぞ。」
「はい。」
席に座りほかのみんなが来るのを待つ。
家族がみな集まりいつものように食事が始まり、終わった。
そして解散していく。
今日も変わらなかったが一つだけ、いつもと違うことは兄弟同士を目で牽制しあっていたことだ。
ギラリと睨みつけたりニタニタ笑いしていたり。
我は完全に無視して黙々と食事をしていたがな。
部屋に戻りエリーナに留守を任せることにする。
「エリーナ、とりあえずメニューで派閥の人間をリストアップしておけ。誰が誰を支援しているとかそんな感じにな。」
「りょーかいしましたわァ!で?アルは何してるのォ?」
いつの間にアルって…まあいいや。
「変装だ。我は珍しい髪色と瞳の色だ。だからよくいる人間と同じ髪色にして、カラーコンタクトをつけるだけだ。」
アイテム生成でカラコンを作ることができるようになったのはいいことだ。
髪はボサボサなくすんだ金髪で青い瞳で化粧で少し血色の悪い肌色だ。
まるでスラムに住んでいる住人みたいだな。
そういえばダンジョンを離れたらダンジョンメニューを開けなくなるのか?
ふと思ったことをエリーナに聞くと。
「何言っているのォ?使えるわよォ。モンスターを召喚して目の前に配置することくらいならできるわよォ?まあダンジョンのモンスターを転移することは出来ないけどねェ。」
「我自身の転移は?」
「ダンジョンになら出来るわねぇ。けど魔力使うみたいよォ?」
魔力なら問題ない。
発生させることは出来なくとも生成はしているからな。
ボイスチェンジャーを装備して、薄汚いそこらにあったマントを羽織る。
服はまぁ公式の場用の立派な服が2着、食事用に使うシンプルで綺麗な服が3着、その他はボロボロの皇子とは思えない服ばかり。
スラムに住んでいた人間としてはちょうどいい装備だ。
「じゃあ行ってくるな。」
マップを見て誰もいない通路に転移した。
そして表から堂々と出発した。
我が強くなれるのか、少しは希望を持っても良いのかもしれないな。
偽名はアキラ。
実は前世の名前である。
苗字は孤児風に無し設定で。
実は帝都は人生初めて。
とりあえず適当に裏路地に入り込んだ。
人が多すぎて酔いそうだ…うぅ…
しゃがんで一息つく。
さて、落ち着いたところでこれからどうするかだな。
む、街の出入りには身分証明しなければならないことを忘れていた。
この身なりで皇子だとばらす訳にも行かない。
変装した意味が無くなるからな。
ではどうするかというと手っ取り早く身分証明できる物と言えばギルドだ。
色々な職種のギルドがあるが今回行くのは冒険者ギルドだ。
街の外によく行くのは商人や冒険者、旅人や吟遊詩人等が多い。
この中でギルドがあるのが商人ギルドと冒険者ギルド。
で、商人なんて商品がない我には無理。
冒険者ならば外の魔物やダンジョン探索などで素材や財宝等を売ってお金を稼ぐ。
我の身体能力はゴミくそだろうがこれしか希望は無いのだ。
やるしかあるまい。
冒険者ギルドがある通りに出てギルドを見るとかなり混みあっていた。
まぁギルドの場所は街の門からかなり近いからな。
冒険者ギルドに入るには銅貨1枚が必要だ。
お金は我のへそくりを引っ張ってきたので十分。
む、身なりの設定で我等話してしまっては怪しまれるな…
仕方ない、口調を変えなくてはな。
最低でも一人称は僕にしとくか。
中に入り、新人登録受付とあるのでそこに行った。
新人は誰もおらず、空いていたので他は混んでいてもここは待ち時間ゼロだった。
「こんにちは!僕、冒険者になりに来ました。」
「はい、こんにちは僕。ここは冒険者ギルドの新人登録受付です。私は受付嬢のリーナよ。僕はスラムから来たのかな?モンスター退治も依頼にあるけど大丈夫かな?」
僕…って我そんなに幼く見えるのか…?
栄養が足りなくてあんまり背が伸びていないだけだ!
「大丈夫です!男は度胸です!」
「あらあら…確かにそうねぇ。」
すると後ろで買取受付に並んでいたムキムキの大男が声をかけてきた。
「良いねぇ良いねぇ!男は度胸がなきゃ始まんねぇからなぁ!ガーハッハッハッ!」
「ガディさん…声が大きいですよ?」
「おっと、すまんな坊主。最初はラットやラビット系統のモンスターを、倒していけば安心だぜ?実力がでてきたならゴブリンやウルフに挑戦してけ!決して欲張るな。わかったな?」
「はい!」
案外優しいオッサンだったな。
オッサンは順番が来て行ってしまった。
「ガディさんの言う通りですよ?コツコツ頑張っていきましょうね!では登録のためにいくつか質問をしますね。」
「はい。」
「お名前は何ですか?」
「アキラ。アキラだよ。」
「はい、アキラ君ですね。では得意なことは何ですか?」
「んー観察することが大好きで得意だよ!」
「あら、ではモンスターの動きをよく見て頑張ってくださいね?アキラ君はスラムから来たのよね。目標とかはある?」
「やっぱり最強!だな!」
はっ!最弱皇子が言う言葉じゃないな。
「ふふ、そうね。じゃあこれで登録はおしまい!アキラ君のランクはFランクから始まるわよ。オススメは薬草採取ね、頑張ってね!」
リーナからFランクの名前が入ったタグを貰う。
これで街の出入りができるようになったな。
とりあえず依頼にある薬草がどんなものなのか確認してから行くことにしよう。
よくある傷を治す『ラフラ草』。
毒消しの『ヴィト草』。
止血ができる『ケシ草』。
酔い止めの『イーヨグ草』などがあった。
本物を見た事がないからアイテム生成に出てこないんだよな…
この世界の物は聞いただけでは登録されないようだ。
なぜ見たこともない地雷とかの罠や兵器が罠等に現れるのかが気になるが…
さて、次にやることはセウサレスに出発!…ではなく装備を整えることだ。
剣も防具もなく外に出るなんて許可が降りるわけが無い。
死にに行くようなものでもあるからな。
最低でも軽い短剣でも買っておこう。
また裏路地に行って武具通りに行くとしよう。
裏路地に入り少しすると薄暗い裏路地の奥に小さくボロボロな看板があった。
小さいが剣と盾のマークが見える。
武器屋か?
中に入ってみるとアンティーク風な内装で所狭しと埃を被った武器や盾、防具が置いてあった。
奥のカウンターではヨボヨボのおじいさんがコクリ、コクリ、と船を漕いでいた。
とりあえず店の商品を見てみることにした。
触ってはいないが所々錆びている物もあり、手入れがされていないと思った物もあるが所々にしっかりとした良い武器達が見えた。
まぁそれも埃を被っているけども…
ふむふむ、と商品を見ているとヨボヨボのおじいさんが目覚めたようで声をかけてきた。
「ホ、ホ、ホ。何をお探しかな?」
「あ、起きたのか?短剣が欲しい。力がない僕でも扱えるような。」
「力が無いのかね?珍しいのぅ。ふむ、ふむふむ…。」
奥の方を探しているようだ。
「ふむ、お前さんたち…カッカッ!お前さんたちがやる気を出すとはのぅ。」
?
独り言か?
「またせなのぅ。」
そう言って出されたのは短剣と長剣。
「あの?」
「まずはこちらじゃ。お主のお望みの短剣じゃよ。『光短剣 リムティア』。魔力を込めることで光の斬撃を繰り出すことが出来るぞ。」
「!?な、なんで…?」
「カッカッ!次は子やつじゃよ。リムティアの兄弟剣、『光剣 ディルディア』。魔力を込めることで光の盾が現れるぞ。」
「!兄弟剣…?」
「うむ。この子達は持ち主を選ぶ。値段は金貨2枚…と言いたいところじゃが。お主は武器の善し悪しを見る目があるからのぅ!銀貨2枚じゃ。」
安くしてくれた!?
「武器の善し悪しって…。」
「わかっておったじゃろ?お主の目はしっかりとなまくらと名剣を見定めていたからの。」
「寝ていなかったのか…。」
「もちろんじゃて!儂はレスラ。儂はお主が皇帝になるのを楽しみに待つとしよう。カッカッ!」
「貴様!なぜ我の事を!」
「儂は鑑定スキルの持ち主じゃよ。アルティメイル様が皇帝になればこの国を正しく導いてくれるじゃろうて。」
「…我がか?無能と呼ばれている我が?」
「うむ。儂はアルティメイル様にお仕えいたします。鑑定して欲しいものがあれば遠慮なく儂に来てくださいませ。」
「…わかった。レスラ、貴様の忠誠を受け取ろう。」
「ありがたいことですじゃ。」
兄弟剣を皮の鞘に入れて渡され、我は銀貨2枚を渡した。
「我はセウサレスに向かう。事が終わったらまた寄ろう。ではな。」
「お帰りをお待ちしておりますぞ。」
シークレットダンジョン勢力
スライム(極小)
火4匹、水3匹、風7匹、土3匹、光2匹、闇6匹、混沌7匹、時2匹、無6匹
スライム(小)
火2 匹、水3匹、風1匹、土2匹、光3匹、闇2匹、混沌2匹、時1匹、無2匹
妖精(欠片)
火7匹、水3匹、風4匹、土8匹、光3匹、闇4匹、混沌6匹、時2匹、無3匹
妖精(小)
火2匹、水3匹、風2匹、土2匹、光3匹、闇2匹、混沌1匹、時2匹、無2匹
ケサランパサラン(中) 20匹
風綿妖精、一匹
風綿スライム、1匹
第1階層 荒野エリア
地雷(各種)、電気柵、落とし穴(各種)、火炎放射器 無数
配置モンスター ケサランパサラン(中)、妖精(欠片、小)全属性
第2階層 簡易迷路エリア
射出装置(各種)、 無数
配置モンスター スライム(極小、小)全属性
臣下
レスラ 武器屋の店主 スキル 鑑定持ち