表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我、無能皇子なり 我、ダンジョンマスターなり 我、転生者なり  作者: 英雄王
我、ダンジョンマスターになる、だと…!?
3/12

我、可能性の扉を覗き見るなり

帝都シグルンビュルム。

かつて世界を滅ぼそうとした魔王を倒した勇者の末裔が国を築いたとされる帝国エルギラルドの中央都市。

勇者の見た目は黒髪黒目。

その血を引き継ぐ者たちも混ざりに混ざった血によりカラフルな容姿となっているが第1皇子だけは伝説と相違ない姿だった。

故に、彼も知らない呼ばれ方があるのを知っているのは民位か。

だがそれを引きこもりとなっている彼が知るのは案外すぐかもしれない。


とある豪華な部屋では。

「ああもう!!なぜあの無能皇子は死なないのザマス!耐性が着いてしまったからってあの毒は龍をも殺すと言われている毒なのザマス!しっかりその効果もこの目で見たザマス!!」

ヒステリックに叫ぶ女性。

足元にいる奴隷に鞭打ち苛立ちを隠そうともしない。

「本当に忌々しい小僧ですなぁ。ですがそれももう終わりですぞ!あのドクターが新薬を開発したとの言です。」

「本当ザマス?」

「はい。実験に使ったモルモットは腐食し、溶けて死んだと。」

「ふふふふふふ…それはまぁ、使うのが楽しみな毒ザマス。」

「はい。それはもう…ぐふふふ。」


シグルンビュルムの中央広場。

初代勇者の像。

最近とある美少女が毎日同じ時間に拝みに来ていた。

「まだ…現れないのかしら。お願い、勇者様。」

涙で潤んだ瞳を勇者像に向け必死に拝む姿は女神のようだと人々は感動した。

彼女は地元では魔女と呼ばれる存在。

だが賢者として勇者の仲間として旅した事もあった。

「お願い。世界が滅ぶ前に私達の前に現れて…!」


とある教会。

「祝福を。称号の力の祝福を。」

「神父様、ここで称号の効果を得ることが出来ると聞きました。」

「はい。称号は力です。祝福です。私たちの頑張りを神は更なる高みへと登れるようさずけてくれた力なのです。どうぞこちらへ。」

「お願いします!」

「祝福を。称号の力の祝福を。」


帝王、エフェレメロス・アルカナ・エルギラルド。

「ゴホゴホ…。」

「帝王様?」

「…ワシの命は幾ばくもない…じゃが、この帝国の未来を見据えるまでは死ねぬ。」

「始まるのですね?」

「うむ。次の帝王を決める時が来たのだ。」

周囲が慌ただしく動き回る中、時折咳をしながら帝王は笑みを深めた。

「今の所最有力候補はアルか…。」

小さく呟いた声は周囲の雑音にかき消された。

何を感じ、呟いたかは彼以外誰にも分からない。

城中を駆け巡る情報は暫くは収まることは無いだろう。



















アルティメイルは食堂に向かっていた。

無能皇子と蔑まされているが父である皇帝が家族は共に食事をするものと言いどんなに忙しい時でも共に食事をするような人だった。

だからエリーナを置いて向かっていた。

いつものように我にだけ挨拶しない者たち。

ニヤニヤ顔を隠そうともしない貴族たち。

それらを無視して食堂に向かう。

我のダンジョンをどう構築しようか考えながら。

食堂に着くと兄弟の中で我が一番乗りだった。

「アルティメイル、到着しました。父上。」

「うむ、早いな。」

「余計な仕事がないからですね。」

「くく…アルよ、ちょうどいい。」

父上は近づいてきて頭を撫でた。

「父上?」

「わしはアルのことを信じている。アルは中々外には出ぬからな。民からこう呼ばれているのは知らぬか?」

「…どう、呼ばれているのですか?」

確かに我はあまり外には出歩かんが…貴族たちが言うのはいつもの無能皇子だが…?

「『勇者の生まれ変わり』とな。」

「え?」

「伝説に聞く初代勇者はアルのような黒髪黒目の少年だったと聞く。…アルよ。強くなりたいか?」

「…強くなりたくない人なんてここには居ないですよ。」

「くくく。そうじゃな。セウサレスに称号を見、力に変える神官がいると聞く。行ってみるとよかろう。」

そう言って父上は席に戻って言った。

父上が席に着いた瞬間第三皇女、メリスリナが入ってきた。


セウサレス。

帝国一の商会のための街だ。

ここで手に入らないものはないのではと言われるくらいの巨大な街。

自分の席に座りながらいつ行くかの算段をつけ始める。

最低でも城をダンジョンに取り込み、コアを守るための番人を作らなければ出るに出られないな。

少し考えていると全員が集まっていた。

静かに食事が始まった。

家族全員が集まったからって家族団欒ができるはずもなく黙々と食事が進む。

これがいつもの事だ。

そして父上が食事を終わらせたところで皿が下げられ、解散という流れが今までだった。

だが。

「急ですまぬが皇太子を決める。」

「「「「「!!??」」」」」

急すぎやしませんかい?

それにここでか!?

公式の場で言わないのか!?

「帝王とは。民を率いる者である。帝王とは。国を証明する者である。帝王とは。自然に愛される者である。故に民や貴族に支持される者を皇太子とする。期限は最長で2年。励むと良い。」

そう言って父上は下がっていった。

食堂に静寂が降りる。


父上…

先の話からして父上は個人的には我を皇帝に推しているようだ。

だが我は貴族からの評判が悪い。

だが民からは信頼されているようだ。

味方を集めなくてはならない。

けどその前に自分の命を守らなければならない。

土地は我はダンジョンで支配下に置くことは出来るが…父上の話したことに当てはまる行為かは分からないが。

急いで塔に向かいダンジョンの用意をすることにする。

すまないが、我のダンジョンの攻略度は桁違いにさせてもらう。


「帰ったぞ、エリーナ。これからダンジョンを拡張する!」

「!まーってましたァ!早く!早くゥ!楽しみで頼みしであんまり寝れなかったのよォ!」

…さっきまで寝てたやつがよく言う…

「まぁ、我がここにいなくても最奥のコアにたどり着かせる訳には行かないからな。全力で作るさ。」

「頑張るのよォ!ってモンスターが雑魚しか作れなくてどうするのよォ!?」

「まぁまぁ。」

ダンジョンとは、何もモンスターだけじゃないのだよ!

ダンジョンメニューのダンジョン改装。

今のDPを確認して城の4分の1を拡張した。

「残りDPは310よォ?」

「新たな改装を作るには…。」


・通路 10P

・1部屋 30P

・森 200P

・海 300P

・荒野 100P 等


荒野をポチり、入口とコアルームの間に設置した。

第1階層目が作られた。

入口から覗いてみると確かに建物の中から入ったのに乾燥した空気の青空が広がる荒野がそこにあった。

「で?ここでどうするのよォ?」

ケサランパサラン(中)を転がしてみるとふわふわと浮いている。

我の周囲を浮いて…喜んでいるのか?

中々に可愛いやつらめ。

「確かにケサランパサランとか乾燥に強い、荒野に適しているようなモンスターにバフはできるけどォ…ケサランパサランよォ?戦力にはならないわよォ…。」

「ここの守りはこの子達だけじゃないからな。」

罠作成。

これだ。

チラと見ただけでも膨大な罠があり、コストはまぁ高めだが。

ここでやりたい罠はもちろん地雷。

見えるようなわかりやすい地雷から全く見えない地中にある地雷、ステルス機能の着いた近ずいたら起動する地雷等、地球では無かったものも追加されてはいるが

地球でも取り切れない地雷があり足を失う人間も数多くいると聞く。

このエリア全てに地雷を埋め尽くす。

まぁ普通の地雷は200Pだから中々待たないと作れ無いけど。

普通の地雷は見えるヤツ。

あと、地雷に混じって落とし穴も設置する予定だ。

その下には勿論地雷。

爆弾でもいいかもしれないけど。

ん?

風属性の妖精(欠片)もこのフロアに相性がいいみたいだから離してみる。

キャキャとちっこいキラキラした小さな光が舞う。

スライム(極小)は水属性以外ここに相性は良いみたいだ。

1番は風属性のスライムみたいだが。

まぁ地雷があるから地面に接するモンスターは配置できないけどな。

とりあえず1個だけ地雷を設置してのこりDPは60P。

後はDPが増えるのを待つしかない。

ケサランパサラン(小)をとりあえず40匹召喚して4匹の中サイズにした。

合計6匹のケサランパサラン(中)。

「エリーナ、魔物って魔法とかスキルって後天的に覚えることは出来るか?」

「できるわよォ?けどそれを聞いてどうするのォ?」

「エリーナは風属性の妖精だったな?ケサランパサランに風属性の魔法を覚えさせて欲しい。風魔法で移動させたり誘導させたい。」

「えェ?…まぁ今の状態じゃァ仕方ないわねェ。」

エリーナは直ぐに風魔法の講義を始めていた。

風魔法で攻撃を避けたり少し押したりして地雷がある場所に誘導させることが出来たらいいな。


チラリとDPを見たら110P。

中々に早いスピードで上がっているな。

ほんの少ししか目を離していないのに。

改装でマップを見る。

そうして弄っていると赤い点、我以外の人間をタップすることが出来た。

タップするとその人の今の状況をモニターして観察することが出来た。

それと簡易的な鑑定ができていて情報が乗っていた。


クリプト・コルクス

人間 兵士

状態 正常

危険度 50


…ただの兵士が危険度50っすか。

マップを見ていると父上の部屋も見えたので父上らしき赤い点をタップすると父上の姿と簡易的鑑定結果が現れた。


エフェレメロス・アルカナ・エルギラルド

人間 皇帝

状態 老衰(ステータス低下)

危険度 10000000000


ふざけた結果だ。

「お父上…強くなァい?」

「さすが父上。いや、このダンジョン比較の危険度なら納得か?」

地雷1個のザコモンスターが数匹だけ彷徨いてる荒野だぞ。

笑えてくるわ。

あ、DP750Pなってる。

もう4分の1をダンジョン化っと。

お、DPの上昇量がまた上がってる。

よしよし。

城を掌握したら召喚ガチャでスライムと妖精を(小)にまで合成できるようになるまでガチャるか。

この速さなら、あの馬鹿けた皇子モンスターも買えるようになる日は遠くないのかもな?

直ぐに500Pになったので残りもダンジョン化し、城を掌握した。


あともう一つ、マップを見ていて気づいたことがある。

点だけでなく普通に通路とかをタップすると『配置』『設置』『転移』という欄が現れた。

転移。

マジか。

確かにベタな設定であるな、確かに。

…とりあえず帝都をダンジョン化させるためのDPを見て見た。

10000Pだった。

…高いな。

けど、全てをダンジョン化させたら好きなところに好きな時に転移出来て動くことが出来る。

よし、次の目標は帝都、シグルンビュルムのダンジョン化だな!


ダンジョン勢力

スライム(極小)

火2匹、水2匹、風3匹、土4匹、光3匹、闇1匹、混沌2匹、時1匹、無2匹

妖精(欠片)

火6匹、水1、風2、土1、光1、闇3、混沌2、時3、無1匹

ケサランパサラン(中) 6匹

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ