我、ダンジョンマスタースタートなり
取り敢えずギャーギャー騒ぐ妖精の首根っこを取っ捕まえブンブンと振って黙らせた。
「で?お前、何者だ?」
「ぐぬぬぬ…まさか人間にダンジョンコアを奪われるなんてェ!私はエリーナ!ダンジョンマスターの役目を拝命したエリート妖精よォ!」
「ダンジョンマスターの役目を拝命…か。上がいるってことだな?」
「勿論よォ!私たちダンジョンマスターとコアは『邪神』様が生み出してくれるのよォ!」
「じゃあなんでバラバラなってたんだよ。」
「う、うるさいのよォ!偶然泉の上に生まれてコアが沈んじゃってたのよォ!風属性の小さな私が深い泉何かに入って無事なわけないでしょォ!」
「つまり、運が悪かった、と。」
「キィイイイ!!」
そしてエリーナは風妖精。
妖精は属性ごとに種族が別れる。
風属性なら風妖精。
属性は火、水、風、土、光、闇、混沌、時、無の9属性。
前に話していた空間魔法は無属性である。
属性ごとに別れているモンスターはかなりいて、妖精もその1つ。
属性の魔法が得意でいたずら好き。
自分が面白いと思った事はなんでもやる迷惑モンスターだ。
まぁ体が小さいから冒険者達にとっては魔法を放ってくるハエと同じ扱いをされる時がある。
そんな雑魚モンスターである。
「なんか失礼な考えしてなかったかしらァ?」
「いや。取り敢えずお前は我の眷属となったから、サポートよろしく。ダンジョンの事、分かるんだろ?」
「勿論よォ!ダンジョンの事はダンジョンマスターの私に任せろなのよォ!だから返せェ!」
「システム的に無理みたいだな。出来るんならさっさと返したかった。」
だって我、人間だよ?
一応皇子だよ?
同じ人間に狙われる人生は普通ないだろ!!
「ぅぅーもう!こうなったらこのダンジョンをォ!最強極悪のダンジョンにしてしまうのよォ!」
「ええー。」
とりあえずダンジョンメニューを開いてみる。
・ダンジョン改装
・モンスター召喚
・モンスター合成
・罠作成
・アイテム生成
・ダンジョン情報
・ログ
ほう。
取り敢えず改装をタップ。
するとこの住んでいる塔が現れた。
そのコアがある場所は青い点があり、そのまわりにいる俺たちが白い点として表示された。
「何ここ。」
「塔。」
「それにしても小さいわよォ!」
「これから大きくしていくんだろ?」
今出来るのは増築。
配置ってやつはモンスターや罠を配置ってことかな?
増築を選択すると新たな改装を追加するか、周囲をダンジョンとして登録するか。
登録の方法は自分の把握している場所とのことで、我の住んでいる城は勿論城下町まで登録出来る。
まぁそれをするためにはDPが必須。
今持っているDPは1000。
1000では城の半分位しか出来ないので半分使って塔のある部分4分の1を登録してみた。
すると、表示されているマップが塔だけ、から登録した部分が表示されていた。
そこに散らばる赤い点。
城の中の人間らしい。
ふと常に表示されているDPがさっきまで何も変わらなかったのに少しづつ上昇しているのに気がついた。
「ポイントが増えてる?」
「赤い点は敵よ?敵がダンジョンに留まっているとDPとなるわよ?」
「…つまり、今の状態だと常にDPが増えていく…と?」
「よし!モンスターを作って殺すのよォ!DPは殺した方が沢山ゲットできるのよォ!」
「ここどこだと思ってるんだ?帝都だぞ?その城だぞ?原因調査に兵が派遣されて即終わるわ!」
次。
モンスター召喚。
モンスター召喚ではマスターの称号、自信を示す言葉でどんなモンスターを召喚できるか変わってくるらしい。
我の称号は『皇子』『無能』。
………
「私、こんな雑魚にダンジョンマスターの座を奪われたのォ?」
ごもっとも。
で、それらで召喚できるモンスターは…?
皇子 プリンスドラゴン 500000
プリンススライム 100000
妖精皇子 300000
プリンスゴブリン 300000
プリンスライオン 300000
悪魔皇子 400000 等
たっか。
次。
無能 スライム(極小) 属性ランダム 0,5
ケサランパサラン 0,5
妖精(欠片) 属性ランダム 0,5
やっす。
「何この高低差ァ。」
エリーナもツッコミざるを得ない内容だ。
「と、とりあえず1ポイント分ずつ無能の称号のモンスター達を召喚してみるか…。」
召喚結果は。
水スライム(極小)一匹と光スライム(極小)一匹、ケサランパサラン2匹に闇妖精(欠片)一匹と火妖精(欠片)一匹。
…我が頑張って倒せるスライム達とふわふわ飛ぶしかできない(風に飛ばされる)綿毛とうるさい妖精の欠片達。
「見つかっても生き残れる気がしない。」
五体投地の状態の我にエリーナも可哀想になってきたのか応援(?)をする始末。
「だ、大丈夫よォ!こんなに可愛い子たちだもの!つぶらな瞳をうるうるさせていたら戦う気力も失せるわよォ!それにスライムは合体して大きくなって行くしィ、妖精だって欠片を集めれば私のように強くなるわよォ!」
何時になったらだよ。
我は床にへたりこんだまま、次のモンスター配合をタップ。
召喚する前は灰色になってタップができなかったがモンスターを召喚して配合できるようになったからか、ちゃんとほかと同じように表示されていた。
・スライム(小)
・ケサランパサラン(中)
・妖精(小)
それぞれ合成するためには10匹ずつ必要らしい。
ケサランパサランはまぁいいとして、スライムと妖精がランダム属性だから道のりが果てしないぞ。
新たな称号を入手しないときついな。
取り敢えずモンスター召喚をスライムと妖精は20匹、ケサランパサランは18匹召喚してケサランパサランを2匹分中サイズに合成した。
ちなみに次は普通サイズでまた10匹で配合可能だった。
スライム(極小)の結果は火は2匹、水は1匹、風は3匹、土は4匹、光は2匹、闇は1匹、混沌は2匹、時は1匹、無は2匹となった。
妖精(欠片)は火は5匹、水は1匹、風は2匹、土は1匹、光は1匹、闇は2匹、混沌は2匹、時は3匹、無は1匹となった。
…ポイント貯めよう。
次、起き上がってボロボロの椅子に座り罠作成をタップ。
この欄は自身の記憶が反映されているようだった。
笑えてくるくらい地球産の罠が沢山あった。
落とし穴は10Pだが地雷は200Pとお高いが。
これを見たエリーナは超興奮してうるさかったので捕まえて黙らせたが。
取り敢えず今は罠はいいとして、次だ。
アイテム生成。
これも我の記憶が反映されているようだな。
化学系の物質もある。
まぁそれを取り扱うやつなんてこの世界にはいないな。
やれるとしても簡単なものを我がすこし使えるくらいか。
…研究できるモンスターがいるならそいつにやらせてもいいが…今は居ないからな。
まぁ殆どはダンジョンの旨みとされる宝箱に入れるためのアイテムだろうな。
それ以外はダンジョンマスター用のアイテム。
サブダンジョンコアだったり、名称変更チケットだったりするからだ。
これも今はいいから次。
ダンジョン情報。
ダンジョン名 未設定 ※1週間以内に決めてください
ダンジョンマスター アルティメイル・アルカナ・エルギラルド
ダンジョンサポーター エリーナ
ダンジョン構成
地上 城の4分の1と第四塔
ダンジョンモンスター
地上の第四塔 スライム(極小)とケサランパサラン(中)と妖精(欠片)
所持DP 580P
ワンポイントアドバイス
コアルームを作ってはいかがでしょうか
と表示された。
取り敢えず最後のワンポイントアドバイスになるほど、と思ったので作った。
元々物置として使っていたし誰も人は来ないからボロボロのカーペットの下にコアルームの入口を作ってそこに移動させた。
コアルームは300Pした。
エリーナからは。
「少しは良くなったじゃないのォ。」
とのこと。
取り敢えずもう少しDP集めたら城をダンジョンにしていくかな。
それと、ダンジョンの名前を考えなきゃ行けないっぽい。
どうしようか。
ここのダンジョンは誰にも明かしたくない。
死にたくないからな。
この方針は絶対に変わらない。
「シンプルに『シークレットダンジョン』でいいか?」
「隠しちゃうのォ!?つまらないわァ!」
急にコアが光り、『邪神様から連絡が届いております お早めにご確認ください』と表示が出た。
「邪神様からのご連絡ゥ!?早く見なさい早くゥ!」
と急かしてきたので見ることに。
…どうやって見るの?
取り敢えずログをタップしてみると、システムログ、邪神様からの連絡、システムメモ、同盟チャット等。
…同盟?
それに?が浮かんだがまず後で。
邪神様からの連絡の所に赤い丸の1が点滅していたのでタップして見ると、要件『新人ダンジョンマスターへ』と言う欄があった。
うん、メールだろこれ。
内容は…と。
『新人ダンジョンマスターへ
はじめまして新人君!
みんな大好き!邪神様だよ☆
1週間後に『常闇の舞踏会』、通称『ダークネスパーティ』があるからその連絡!
皆はダンジョンの扱いに慣れてきたかな?
ダンジョンマスター同士の初の晴れ舞台!
皆楽しんでくれたまえ!
常闇の舞踏会の参加方法はダンジョンコアの前で『闇夜のパーティ会場へ』と告げることだけさ!
参加しないと先輩マスターに失礼だとバトルで攻めてこられるかも!?
気をつけてね!
君達の憧れ☆ 邪神より』
「…邪神のイメージ崩れたんだけど?ガラガラと音を立てて崩壊したわ。」
「お茶目でしょォ?」
「お茶目で住むかねぇ?同盟の欄は他のダンジョンマスターとってことか。」
「世界にはたァくさんのマスターが存在しているものねェ。」
「バトルってあるからマスター同士も味方では無いってことだな。」
「そうよォ!けどバトルに勝てば相手の称号、1個うばつことができるのよォ?今のあなたにとって、喉から手が出るほどほしいものではなくてェ?」
称号を奪える!?
確かに。
称号によって召喚できる魔物を増やすことが出来るのは必要なことだ。
日々の行いだけで増やしていくものだと思っていたけど…これは狙いたいな。
「だがどこで戦う?ダンジョンの階層を増やしても城内を巻き込むのは…。」
「あーもォーダンジョン改装の欄でバトルの準備期間の時に切り替えられるようになるわよォ。それに、場合によってはサブダンジョンコアでサブダンジョンを作ってバトルなんてものもあるのよォ。全く人間って面倒ものよォ。」
「む。まぁ巻き込まない方法があってよかったよ。取り敢えずパーティまでには最低限のダンジョンを作り上げなきゃな。」
「そうよォそうよォ!ダンジョンマスターは睡眠も食事もいらないわァ!どんどん溜まるDPで強ォいダンジョン作るのよォ!」
「流石に今まで積み上げてきた生活を捨てるわけないだろ。食事、行ってくる。」
「ええェー。」
ダンジョン勢力
スライム(極小)
火2匹、水2匹、風3匹、土4匹、光3匹、闇1匹、混沌2匹、時1匹、無2匹
妖精(欠片)
火6匹、水1、風2、土1、光1、闇3、混沌2、時3、無1匹
ケサランパサラン(中) 二匹